不明の館に帰って来ました。
この物語はフィクションです。
央海歴901年1月30日
前日にガルベスはシアプより、美力国の活動を中断して帰還する様に指示が出ていた。
現在のガルベスならば、飛空魔法を駆使すれば約10時間で、第1教会から不明の館まで移動が出来た。
さっそく不明大司教様に復命をする。
「ガルベス・ボウトウ。あなたという人は、何度私を驚かせれば気が済むの。
まあ喜ばしい事なのだから、文句は無いのよ。
それはそうと、明後日からこのレンタイ国の91地区戦が始まるわ。
出場登録をしたから試合に出て。
もちろん勝ってくれれば嬉しいけど、勝敗は問わないわ。
あとはシアプと話し合ってね。健闘を祈るわ。」
「はっ・・・。はい。畏まりました。」
不明大司教様のお言葉はやはり分からない。何を言っているのだろうか。
シアプだ。シアプに聞いて、何とかするより他無い。
「お兄ちゃん、遠い所帰ってきてくれてありがとう。疲れたでしょう。
グレープフルーツを用意したから、食べて疲労を回復してね。
これ何と、品質は上級のやつよ。凄いでしょ。」
シアプの出してたグレープフルーツは美味かった。
酸味と甘みのバランスが良いし、果汁があふれ出す瑞々しさだ。
「あのね、ヴィザンの新兵入隊希望試験①の3日目に。
指導教官の方と模擬戦したでしょう。」
ガルベスを鬼の形相で56そうとした指導教官だ。何かあったんだろうか。
「その方なんだけど、不明大司教様の年の離れた同父母弟だったの。
少し前に不明の館に来て、お兄ちゃんをベタ褒めしてね。
それで不明大司教様がギギロ様に連絡したのよ。
そしたらギギロ様が模擬戦で、お兄ちゃんに完敗したって答えたの。」
「確かにこの前ギギロ様と模擬戦はしたよ。」
「その上でお兄ちゃんの魔力は30M後半になった。
それならばもしかすると、1勝出来るかも知れないじゃない。
お兄ちゃんに箔を付けさせる為に、不明大司教様は91地区戦へ出場させたという訳なの。」
「理由は分かったよ。91地区戦は出来たら勝って欲しい。
負けても大丈夫と考えればいいのかな。」
「もちろんよ。相手はガチガチの戦闘職。
首都レンタイ最精鋭部隊に所属している人もいる。
組み合わせに恵まれて、百に一つ勝てば儲けもの。
負けて当然なんだから、気楽にやってくれれば良いの。」




