何回異動するねん。
この物語はフィクションです。
央海国900年12月30日
ガルベスは美力国にいた。目の前には怒れる数千人の群衆が押しかけている。
「尻女神教会はいらないー。」
「汚い奴らは国に帰れー。」
「〇✕△◇。〇✕△◇。こいつらは人間じゃないー。悪魔だー。」
「政府は尻三国に屈するなー。俺たちは戦うぞー。」
ギギロ様がガルベスの隣にいるが、感情を押さえている。
「ガルベス殿、彼らは美力国軍を押しのけて、人外区に入って来ますね。」
「ギギロ様、彼らをどうするおつもりですか。」
「入ってきたら、もちろん歓迎しますよ。熱烈なやつをね。」
美力国軍がなんとか押さえているが、軍の100人に対して怒れる数千人の群衆だ。
薄い壁をこじ開けて30人程が、人外区に入って来た。
「重力魔法」
ギギロ様の魔法により30人は身動きが取れなくなった。
高魔力者もいないのだろう。抵抗して動いているが弱々しい。
「この場にいる全員にお伝えします。私の名前はギギロと申します。
レンタイ国より参りました。この首都・美力第1教会の教会長です。
また美力国より、この地の全権を認められています。」
ギギロ様は美力国語で話し始めた。ガルベスには当然分からないが、ネイティブと同等の発音だとの事。
「放せー。〇✕△◇。お前らは人の皮を被った汚い悪魔だ。地獄に墜ちろー。」
人外区に一番深く入った男性が叫んでいる。
右手には〇✕△◇は汚い悪魔、と書いたプラカードを持ったままだ。
ギギロ様は飛空魔法で男性を宙に浮かせた。全員の視線が男性に集まる。
そして自身も男性の隣に並んだ。そして自分の顔面の右半分に対して、魔法で皮を剥いだ。
口元近くまで剥いだ皮が、プラプラと垂れ下がっている。
「ヒィィ、な、何をしているの」
群衆の中の女性が悲鳴を上げている。
~~~~~
剥いだ皮に血が滴って流れている。ギギロ様は無言のままだ。
その場の空気が凍り付いて30秒後、注目がしっかり集まったのを確認して、ギギロ様は話し始めた。
「私達尻女神教徒は人間です。皆さんと同じ赤い血が流れています。皆さんと同じね。」
そういうと宙に浮いた男性の顔に手を掛け、自分と同じ様に顔の皮を剥いだ。
「ぐああーぁー。顔がぁ。ぐぐっあ。」
「ひぃー。何をしているのおぉ。」
「どうです。同じでしょ。ああ、あなたは見えませんよね。グライリッツ・ハウトマインさん。」
「ぐう、ぅ。ど、どうして俺の名を知っている。ぐっ。」
「そりぁ知っていますよ。『美力のあるべき道』の活動家じゃないですか。
ご自宅は南区ノイ通り、家族は奥さんと娘が3人。
本業は住宅設計士。奥さんとは仲睦まじく、4人目の子供が10日後に生まれる予定です。
何か違いましたかね。我々も調査不足があっては申し訳ないですしね。」
「なっ、なっ、・・・」
ギギロ様は話している最中に、拡声魔法を大きくしていった。
すべての人がギギロ様の言葉を真剣に聞いていた。




