カイ号引退
この物語はフィクションです。
央海歴904年8月27日
「毒食様。ガルベス様。カイ号はサンマンを引退します。」
朝一番から犬パスミラ様の衝撃ワードが炸裂する。
「あの犬パスミラ様。それはカイ号が高齢という、前からの理由ですか。」
「そうです。ガルベス様。昨晩にカイ号が私に話してくれました。
私は・・・、やっと・・・、カイ号の言葉が分かる様になりました。」
(まじかよ。遂に犬パスミラ様の悲願が叶ったのか。
犬の気持ちが分からないと、3年前には実際に全裸で犬生活っていう。
今考えても狂気全開の所業が実を結んだのか。)
「そこで申し訳ないのですが、私とカイ号・タロ号はヴィザンに帰りたく。
カイ号の最後の看取りを、ヴィザンの実家でさせて頂きたいのです。」
「犬パスミラ様。分かりました。今までありがとうございました。
カイ号とタロ号の働きのお蔭で、多くの0Mの女性が30M前半の魔力を得る事が出来ました。
こちらはダント小勲章です。犬パスミラ様に5つ。カイ号に3つ。タロ号に3つとなります。」
「ああっ、ありがとうございます。毒食様。
認めて頂いた上にダント小勲章まで沢山頂き、とても名誉な事です。
ヴィザンに帰っても、タロ号のサンマンは続きますので。
カイ号はもう19歳・・・。一気に衰えが来てしまいました・・・。
落ち着いた最後で・・・、天に送り出してあげる事が出来ます。」
~~~~~
「さてガルベス殿。危極実老・本物殿はいなくなりました。
犬パスミラ様・カイ号・タロ号も同じです。
あなたは大丈夫ですか。」
「毒食殿。僕は大丈夫だと思いますよ。サンマンを1旬(10日間)で70回。
ペースを落とさず出来ていますよ。」
「ありがとうございます。・・・、ところで・・・。
無理を承知でお尋ねします。」
「はい。何でしょうか毒食殿。答えられる事ならば、何でも言いますよ。」
「・・・、・・・、ガルベス殿。危極実老・本物殿の本家本元と同じ。
男性にサンマン出来る、尻女神教徒はいませんか。」
「!!!!!!!・・・、な、何ですって。」
「ガルベス殿。ワル式サンマンのワル殿。犬のカイ号・タロ号は。
いずれも女性とサンマンをして、相手の0Mの魔力が大幅に上がります。
ですが・・・、男性が男性にサンマンをする、本来の形でも実は可能なのでは無いのですか。
ガルベス殿にはその相手を見抜く力・発想力があると思うのです。
如何ですか。」
(・・・、何だってぇ~、危極実老・本物殿とまったく同じ事が出来る男性。・・・、こ、心当たりがある。あの方ならば可能なのでは・・・。)
「ガルベス殿。尻三国は今でこそ大変に順調ですが。
本来は他教徒と相入れない存在です。
掘り搾りにしろ、パネル(全個人情報の塊を全公開・赤の他人が自分の全てを知っている)にしろ。
遺書と財産整理書にしろ、尻女神様そのものにしろ。
余りに違いが多すぎる。」
「それはもちろん分かります。その通りです。」
「彼らはあくまで尻三国のスーパー・パワーに怖れを感じている。
だから敵対するよりも友好を選んでいる・・・、本当の本音はそんな所です。
先の事は誰にも分かりません。
緑龍災の前には美力国が国力1位。央海国が国力2位でした。
今は見る影もありませんが。
国力の源泉は暴力です。圧倒的な軍事力そして経済力です。
問題無く増やせる力ならば、喉から手が出る程欲しいのです。
そこに満足などありえません。
尻三国は求めています。
国力を増強する為に、男性にサンマンが出来る男性をね。」
「ガルベス殿。あなたならば今の話を聞いて、候補が浮かんだはずです。
教えて下さい。」