レンタイ国の発表
この物語はフィクションです。
央海歴902年8月9日
ガルベス達は一旦不明の館に帰還した。
ガルザ帝国の南東方向、約500kmの中小国家群の脅威は、すべて排除する事が出来た。
毒食シド殿もヴィザンに帰られた。
「お帰りなさい、お兄ちゃん。今回も大活躍だったんでしょ。
いつも大変な仕事をしてもらって・・・、ありがとうね。」
「シアプ。今回は毒食殿のヴィザン勢が凄かったよ。」
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「お兄ちゃん、大変よ。大変なのよ。突撃王様の発表~~。」
「なんなの、また正式発表前に情報を仕入れたのかい。」
「ええっ、8月15日に発表されるんだけどね。
レンタイ国は尻女神教徒・協力派を容認するって。」
「なっ・・・、なんだって、協力派がレンタイ国に居ても良くなるのか。」
「そうよ。レンタイ国に受け入れから10年間の間に。
尻語と尻女神教徒の歴史を、下級基準まで得る事が条件よ。」
「落ち着いて勉強出来る人ならば、その2つだけなら3年で下級まで行ける。」
「そうね、学力だから個人差はあろうけど、尻語と尻女神教徒の歴史だけならば。
低学力の人でも3年から4年あれば、下級基準を得る事は可能ね。」
「なんで急に突撃王様は協力派の復活を決めたんだい。」
「他国からの尻女神教徒になった人達。
私達も央海国・美力国で多数の信者を獲得したでしょ。
その人達が家族をレンタイ国に呼びたいって話よ。
このまま認めないとせっかく獲得した信者が、レンタイ国からジョセ国に移籍してしまう。
ジョセ国は30年以内が、学校基準クリアが条件だから、移籍も簡単よね。
だから、今回突撃王様は協力派を認めて、家族の呼び寄せを可能にしたのよ。」
「でもそれでは、緑龍災の時に協力派から尻女神教徒になった人達。
その人達も協力派に戻らないかい。
女性の高魔力者(60M以上)と男性の高魔力者(70M以上)は、圧倒的に元協力派だよ。」
「お兄ちゃん、もうその人たちは協力派に戻らないわ。
今は協力派だった時(社会の底辺・低所得者)と比べて、上級国民の扱いを受けているのよ。
社会的な地位も稼ぎも比較にならないわ。
とっても、とっても、とっても、とっても、とっても、とっても、良い生活を。
手放せる訳ないのよ。私達だって同じでしょ。
お兄ちゃんは魔力が2Mでずっと頑張ってた時、辛かったでしょ。
今更富貴を手放せないの。
掘り搾りをして尻女神教徒として、面白しろ可笑しく暮らしていきたいの。
わざわざ手放す人はいないわ。
よっぽど掘り搾りが、嫌で嫌でしょうがない人以外はね。」
(シアプの言う通りだ。僕も魔力が2Mの時に戻りたくはない。
世間から低魔力者と馬鹿にされた事は、両手の指じゃ足りない。
マナさんにも淫獣様にも見向きもしてもらえない・・・。
レンタイ国が協力派オッケーになったとて、わざわざ高魔力者は協力派にならないわな。)