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第一章 05 プロローグ5

「い、いいよ」

 コウは振り向いてヌイを見た。ヌイが着ていた服は上半身の体のラインがクッキリと分かる白色のワンピースだった。ヌイは下着を付けていなかったため胸を張るとハッキリと形が見えてコウは固まってしまった。ヌイはすぐに恥ずかしくなってすぐに胸を張るのを止めた。

「さ、サービス」

 あぁ、やっぱり、美少女ゲームの世界に召喚されているんだ。

 コウはがずっと横を向いているとヌイは体を前屈みにして下から上目遣いで顔を覗いて来た。

「どうかな?この服」

「にっ、似合ってる」

「可愛い?」

「おう。可愛い」

「えへへ。じゃあ、着替えて来なよ」

 ヌイはコウが根は優しい人だと知り、一つ、不安が無くなってコウへの態度が柔らかくなったのだ。コウにサービスをしたのは、今まで形が見えていたことを黙っていてくれたお礼だった。時が止まっていて、視線は気にしなくても良いのだが、癖でずっと気にしていたため、コウが服を見つけてくれたことは嬉しかったのだ。

「お待たせ」

 ヌイは振り向いてコウを見た。コウが来ていた服は基本黒色をベースとしていて長袖長ズボンだった。

「で、デートみたいだね」

 ヌイはコウに少し恥ずかしかったが言ってみた。コウはあからさまに動揺していた。

「もしかして、押しに弱い?」

 コウは顔を沸騰させると鞄を肩に掛けて路地裏を抜け出そうといきなり歩き出した。

 一つのイベントをクリアする度に距離感が近くなるのか⁉

「ちょっと待って。暗いところはホントに怖いんだってば!」

 ヌイが叫ぶとコウは立ち止まった。ヌイは走ってコウに追いつくとコウの手を握った。

「行こっ」

「別に手を繋がなくても良いんじゃ?」

「ダメ?」

 コウはヌイが首を傾げて聞いきたため、ドキドキして何も言えなくなった。ヌイがしっかり力を入れて更に手を握ったため、コウは黙って歩き出した。

「えへへ」




「ねえ、お腹空かない?」

 ヌイは大通りを出てしばらく歩いてからコウに言った。近くに屋台があったからだ。ヌイは試しに客に渡そうとしていたであろう食べ物を取ろうとした。

「それは、ダメだろう」

 コウが冷静に止めるがヌイは手に取って引っ張ろうとした。だが、一切動くことはなかった。

「ダメね。やっぱり、路地裏に行くしかないんじゃない?」

「うぐっ」

「ねえ、何で、さっきから、路地裏に入ろうとしないの?」

「だって・・・、だって次、宝箱を見つけたら、もうゴールになってしまいそうじゃないか」

 ヌイは、先ほどから、消極的になったコウに何でだろう?と思っていたがどうやら、ビビッていたみたいだ。ヌイはコウが思っているようなゴールにならないと確信しているため、コウの思っているゴールに乗ったふりをすることにした。

「ヌイはもう覚悟はできてるよ?」

「・・・分かったよ。路地裏を歩こう」




 路地裏を歩いていると横に川が流れていた。試しに川の上に足を乗せてみると普通に歩けた。

「結構、面白いね」

 ヌイはコウの顔を覗き込んで同意を求めて来た。コウはドキドキするから止めて欲しいと思いながら頷いた。

「それにしても、無いねえ。宝箱」

「だね。川の上が歩けたから、あると思ったのに。どうしよっか?」

「もしかして、もう、僕たち次第なのか」

「と言うと?」

「次は、ホテルや旅館に宝箱があるんじゃないかってことさ」

 うーん。まだ勘違いしてるのか。でも、全然、初期装備が見つからないから、ホントに可能性が出て来てるのよね。不安を消すためにも

「行ってみる?このままじゃあ埒が明かないし、お腹減ったし」




 コウとヌイはいくつかホテルを巡った。

「もう、二十軒。しかも、飲み食いなしで。どれぐらい歩いたか分かんないし」

 二人ともクタクタだった。時間が止まっているため、太陽が動かないのもクタクタになる要因だった。

「そうだね、ヌイ。ここがダメだったら、今日はもう、そこで勝手に泊ろう」

「だね」

 二人は既に普通のホテルだけではなく、エッチな方のホテルにも既に何度も入っていた。判別した理由はピンクっぽかったのと振動する鉱石があったからだ。そして、本日、最後に向かった所もそういうところだった。

「何か、こっちの世界も元いた世界もこういうところって雰囲気が変わらないね」

「じゃあ、隅々まで探そうか」

 二人は手分けして隅々まで宝箱を探した。そして、遂に見つけた。

「コウ!見つけた」

 三階建てのホテルの最上階にあったみたいだ。コウがヌイのところに着くとヌイはベッドの上で寝転んでいた。部屋の明かりが動いていた。どうやら、時空が動いている部屋のようだ。コウも疲れていたため、ベッドに腰掛けようとした時、白いワンピースに透けてヌイのお尻が見えた。

「まさか、ヌイ⁉」

 ヌイはベッドの上で転がって上半身を起こすとスカートのところを手で覆って恥ずかしそうにコウをジト目で見た。

「ヌイは寝るときは下着を付けない主義なんだよ。まあ、今のはヌイが悪かったから気にしなくて良いよ。それより、あそこ」

 ヌイが指を指したところには宝箱があった。ご丁寧にピンク色に塗られていた。コウは思わず膝間付いた。

「まさか、マジだったのか⁉」

「みたいなんだよね。ヌイもビックリ。開けちゃう?」

「開けないと仕方ないだろう。このままだと、ずっと時が止まったままだ」

「だよね。でもさ、怖くない?」

「怖い」

 コウは机の上に置かれていた宝箱をベッドの上に持って来た。

「開けるの?」

「まあ、開けないと仕方ないでしょ?」

「分かってる?ヤらないといけないかもしれないんだよ?」

「分かってる。でも、強制されてヤることと違うからさ」

「コウはどうしたいの?」

「僕は・・・、ヤりたくない」

「そっか。じゃあ、異世界召喚って認めるね?」

「うーん。でも、今のところ、美少女ゲームの世界に召喚されてるぞ?」

「じゃあ、一回、ヤって見る?」

「は?」

「興奮したら現実世界で勃起して目が覚めるはずなんでしょ?ヌイは濡れるはずだって」

「ああ」

「だったら、開けるよ」

「待っ・・・」

 ヌイは身を乗り出してピンク色の宝箱を開けた。ピンク色の光が漏れて箱の中にあったのは、下着だった。女性用の下着だ。

「「は?」」

「待て待て待て待て待て。てっきり大人のおもちゃか何かだと思っていたが」

「いや、よく見て。この下着エロいよ。きっとエッチの手助けだよ」

「は?」

「ヤるよ」

「待て。美少女ゲームに召喚されたかもしれないって言ったが、あれは、確率が高いって言うだけで、まだ、確証はないんだ。お互いまだ、守れるはずだ」

「ヌイもそこは気付いてる。でもね、実際、そういう風な流れになってるし、このまま、野垂れ死ぬのは嫌なんだよ。それに、ヌイはこの一日でコウのことを好きになったよ」

「僕も、好きではあるけど」

「じゃあ、色んなことを一回置いてヤろうよ」

 ヌイはワンピースを脱いだ。すると、裸になった。本当に下着を付けていなかったのだ。そのあられの無いありのままの姿をコウに向けた後、宝箱に入っていた下着を付けた。上下付けだしたところで外が騒がしくなった。

「「まさか・・・」」

 コウはヌイが履いたパンツを脱がした。すると、外は静かになった。

「なるほどね」

「まさかだよ。ホントに。ヌイが下着付けるかどうかでこの世界は止まるみたいだね」

「恐ろしい話だ。でも、これは・・・」

「うん」


「「異世界召喚だね」」


「美少女ゲームなんかではなかった。でも、コウ。一回ヤろうよ。これからのことを考えないといけないしね」

 コウはヌイにキスをされベロを入れられて頭がとろけて流れに身を任せた。

 二つだな。異世界召喚されたことは間違いない。ただ、美少女ゲームのヒロインと一緒に召喚されていることも間違いない。ふう。どういう組み合わせだよ、俺を召喚した奴は!

反応が良かったら続けます。また、僕がやる気になれば、続けます。

今は、僕が連載しているTSURITOに集中をしたいので。

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