アレシア、山暮らしを始める
あれから1週間が経過した。
私は荷物を持ってとある場所に来ていた。
「ここが私の住処になるのね」
お父様が国王様に私の希望を言った所、王家が管理する領地の中から候補の場所を選んでくれた。
その中から私が選んだのは王都から離れた小さな山。
名義も私にしてもらい事実上ここは私の土地になったのだ。
「山を買い取るなんて流石はアレシアだなぁ」
「慰謝料代わりに貰ったのよ。 もう社交界には出ないつもりだしこれからはのんびり田舎暮らしをさせてもらうわ」
「あの王太子も馬鹿だよな、アレシアの事を毛嫌いして見向きもしなかった結果自爆して……」
「しょうがないわよ、最初から愛なんてこれっぽっちも無かったんだから……」
そう言って私は苦笑いした。
「ていうかフレイド、頼んだのは私だけど時間は大丈夫なの? 用事とかあるんじゃないの?」
「ぜーんぜん、貧乏男爵家なんて相手する輩なんてこれっぽっちもいないし」
彼の名はフレイド・ドレイク、私の幼馴染でありかつての遊び仲間である。
家が近所であり親同士が仲良くあった事で身分関係無くざっくばらんに話せる心許せる友人だ。
まぁ、私が王太子の婚約者になっていた頃は流石に距離を置いたけど、それでも関係は続いている。
今回も私の引っ越しを手伝いに来てくれた。
「それで、家も畑も無い状態だけど1から作るつもりなの?」
「勿論よ、前々からやってみたかったのよ自給自足のスローライフ!」
「……ホント、アレシアって生まれる家を間違えたよな」
うん、それは自分でもわかっている。
「まぁ俺も親父さんから様子を見てくれ、と言われているからさ、なんでも言ってくれよ」
「心強いわ、よろしくね」
私はフレイドと握手した。
「あ、そういえばさ元王太子、早速軍に入って下働きから始まってヒイコラ言ってるみたいだぞ。 軍に入ってる同期から聞いた」
「へぇ~、国王様の事だから軟禁状態にするんじゃないか、と思った」
「親父さんに睨まれるのが嫌なんだろう、それに悪口陰口言っていた輩は後継ぎから追われて勘当されたらしいからな。 中には元王太子の事を逆恨みしている奴もいるから前途多難だぞ」
「それもまた自己責任よね」




