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これからの話

 翌日、私はお父様からパーティー会場での出来事を知らされた。


「私と国王夫妻が一緒に入ってきた時、王太子は例の男爵令嬢と一緒にいてお前の姿を探していたみたいだ」


「私がいないから焦っていたでしょうね」


「そうだな、冷や汗をかきながら必死に探していたが私の顔を見た途端、血の気が引いたような顔をしていたよ。 それで国王から正式に王太子の身分剥奪が言い渡された。 色々言い訳していたがことごとく論破されて真っ白になっていたよ。 だが、自分の何が悪いのかまだわかっていないみたいだったな。まぁこれから時間をかけて反省してもらおう」


「例の男爵令嬢はどうなりましたか?」


「彼女も何が悪いのかいまいちわかっていなかったな、お家の取り潰しを言い渡されると発狂していたよ」


 事の大きさに目前になって気づいても手遅れですからね。


「後は噂を鵜呑みにした令息令嬢達は各自で処分されるだろう。 国王様が『我が国の将来を思いやるなら冷静な判断を期待する』と言っていたが果たして真意に気づく者はいるだろうか……」


 暗に『跡継ぎは認めない』と明言してるようなものですからね、将来は真っ暗ですね。


「まぁ、これで肩の荷は降りた。 もう国政は懲り懲りだよ。 これからはのんびりと余生を過ごさせてもらおう」


「ですね、私も社交界には出れなくなりましたし」


「国王様からはお詫びがしたい、と言っているが何か望むものは無いか?」


「望むもの、ですか……?」


「あぁ、王家としては今後も良い関係を持ち続けたい、とのお考えでケジメをつけたいらしい」


「そうですね……、でしたら土地をいただきたいのですが」


「土地?」


「えぇ、自然豊かな土地がほしいのです」


「あぁ、そういうことか。 お前のそういう所は本当に母親譲りだな」


 そう言ってお父様は笑った。


 何故、土地が欲しいのか?


 理由は簡単で私の趣味の為である。


 私はどちらかと言うと社交よりも外に出て体を動かすのが大好きな性格なのだ。


 小さい頃は木登りや魚釣り、野山を駆け回り周囲からは『生まれた性別を間違えたんじゃないか』と言われた事がある。


 流石に今はしないけどその代わり大きくなってハマったのがキャンプである。


 特にイライラしたりした時は焚き火をしながらのんびり過ごす事がストレス解消となっている。


 昨夜、私が焚き火をしていたのはそれが理由だ。


 貴族学院に入ってからはストレスが貯まる一方であの場所が私の定位置になっていた。


 夜、寮を抜け出しあの場所で飲むコーヒーやミルクは格別だ。


 だから、表舞台には出れない以上、私の好きな様にさせてもらいたい。


 お父様はそんな私の性格をお母様に似ている、と言う。


 お母様とお父様は幼馴染で特に問題も無く結婚した。


 お父様は大人しく真面目な性格なのだがお母様はお転婆だったらしくお父様を外に連れてよく遊び回ったらしい。


 そんなお母様は私を産んだ後、体調を崩してしまいそのまま儚くなってしまった、だから私にはお母様の記憶が無いのだ。


 お父様には再婚の話もあったのだが『こんな私を愛してくれたのは妻1人、生涯妻以外の相手を娶るつもりはない』と宣言した。


 これも我が家の評判が良い理由の1つである。 


 

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