自民党はもはや“保守政党”にあらず! “外圧”によってLGBT法案をG7首脳会談に強引に間に合わさせる!
筆者:今回のLGBT関連法案が具体的な女性の権利を侵害するのではないか? と言う内容は以前の僕のエッセイでもある2023年2月に書いた『LGBTの“主張しすぎ”問題に斬りこむ!』https://ncode.syosetu.com/n2669ic/
をご覧いただきたいのです。
今回はいかにこの他人の権利を無視する法案を自民党が“ふざけた理論”で通していこうとしているのかを見ていこうと思います。
質問者:しかしながら、まだこのエッセイが表に出る段階では確定では無いですよね……?
筆者:まぁ、事実上もう国会で通っちゃったようなものです。
自民党の特別委員会で推進している“議長一任”ということで閉会し、公明党や保守を標榜する維新の会がG7に間に合わせることが重要だとか言っちゃっていますからね。
ただ、国民が声を上げまくれば奇跡の大逆転ホームランもあるかもしれない――と言う淡い期待を持っているというだけですね。
質問者:そうなのですか……。自民党の特別委員会では以前の超党派で決めた原案と少し内容が変わったところもあるようですが、まずそこから解説していただけますか?
筆者:そうですね。前回と比べて大きく変わったのは次の文言です。
超党派でまとめた法案にあった「性自認を理由とする差別は許されない」という文言を「性同一性を理由とする不当な差別はあってはならない」と言う風に変わりました。
――これは、ハッキリ言わせてもらいますと、これは表現が直接的でなくなっただけで問題の本質はほとんど変わっていないと僕は思います。
「不当な差別」って結局何? と言う話になりますし、性同一性でも拡大解釈することはいくらでも可能です。
保守層のためにマイルドに表現を変えただけで本質は何一つ変わっていないのです。
明確に定義づけを行わなければ、結局のところ際限なく権利が認められてしまう可能性を内在しているのです。
日本には判例が無いので海外から判例を引っ張り出してきて「日本が遅れている」と言い出す可能性もあり得るのです。
本来であれば、このような状態の法案は先送りが妥当でしょう。
質問者:せめて、LGBTの人達の権利が守られればいいのですが……。
筆者:ところがLGBTに関する団体であったとしてもこの法案には反対しているようなのです。少し長くなりますが読売新聞の2023年5月1日の『性的少数者団体が会見 「LGBT法は不要」』と言う記事を引用させて頂きます。
『性同一性障害者らでつくる「性別不合当事者の会」や、女性の権利保護を目指す「女性スペースを守る会」など4団体は1日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、自らの性を自身で決めるという「性自認」を法令化する現状のLGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案について反対の立場を強調した。
法案は公明党などが19日開幕の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)までの成立を求めている。ただ、法案には「性自認を理由とする差別は許されない」との文言が含まれ、トランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)による女性用のトイレや更衣室の利用などにつながるとの指摘もある。
記者会見で、性的少数者でつくる「白百合の会」の千石杏香氏は、法案について「女性だと言い張る男性を女性として認め、女子トイレが使えるように解釈される可能性が高い。このような法律は不要だ」と強調した。当事者の会の所属で、女性に性転換した美山みどり氏は「生活者の立場で、医療機関や金融機関、行政で差別を受けたことはなかった」と述べ、法案の必要性を否定した。
性的少数者に関する法整備を提言する「LGBT法連合会」などは理解増進法の制定を求めているが、白百合の会の森奈津子代表は、会見で「LGBT活動家は当事者の代表ではない。一部の活動家だけではなく、当事者のリアルな声も報道してほしい」と訴えた。
法案を推進する国会議員からは、法案は理念法に過ぎず、トランスジェンダー女性が、女性トイレなど女性専用スペースの利用を主張し、訴訟を起こすとは考えにくいなどと指摘する声があがっている。』
特に注目して欲しい文言は、
「生活者の立場で、医療機関や金融機関、行政で差別を受けたことはなかった」
というところです。
つまり、当人からしてみると不当な差別を受けていないにもかかわらず“差別を無くす法案”を無理やり通そうとしているのです。
僕はそもそも日本には差別が少ない国だと思っていますけどね。
質問者:しかし、他のG7の国ではそう言った法案があるんですよね……。
筆者:ところがそうでもないみたいなんです。
衆院法制局は4月28日の会合で「(G7各国に)性的指向・性自認に特化して差別禁止を定める法律はない」という発言があります。
包括的に保護する法案はあるようですが、それなら日本でも日本国憲法14条の「法の下の平等」で含まれていると言えます。
質問者:“他のG7に遅れるな!” と言う風潮すら間違っているのですね……。
しかし自民党の特別委員会では“一任”が取り付けられるような状況だったようなので保守の方も納得するような内容なのでしょうか?
筆者:いえ、ところが青山繁晴議員の5月12日のブログでは
『反対議員18、賛成議員11、反対議員が過半数を制したにもかかわらず、「ひな壇に一任」をあろうことか強行しました。わたしはその場で「一任を認めません」と発言しました』
高鳥修一衆議院議員は、「『不当な差別』という文言の中身を全く決めておらず差別の中身を具体的に示す必要がある。
また『性同一性』も自己判断だけではなく、客観的事実で対処する必要があり生煮えの状態だ。反対の意見が多いのに無理やり(議長)一任を取り付けるやり方は非常に問題があり、党の民主的運営に禍根を残した」
と述べられています。
つまり反対の方が多かったにもかかわらず強引に押し切ったという形になります。
このような前例は今までなかったそうなので、これがいかに異常な出来事か分かります。
質問者:民主主義とは一体……そうなると、いわゆる“外圧”の影響でこの法案は強引に通ってしまいそうなのでしょうか?
筆者:アメリカがメインとなっているようです。
テレ朝ニュースの2023年5月12日の『米エマニュエル大使がビデオメッセージ発表「LGBT法案」動き促す意向か』という記事によりますと、
『エマニュエル駐日米国大使:「日本には今、希望の兆しが見えています。誰一人取り残さない社会を実現する時です」
エマニュエル大使は12日、自身のツイッターを通じてビデオメッセージを公開し、同性婚など性的マイノリティーを巡る日本の状況について「差別が許される国などありません」と声を上げました。
(中略)
このタイミングでのビデオの公開は19日から始まるG7広島サミットを控え、日本政府に対して法案成立を促す強いメッセージを伝えたい意図があるともいえそうです。』
とあります。この法案のどこが“希望の兆し”なのかもはや意味が分かりませんが、
建前だけはとても素晴らしいので何の周辺知識も無ければ、皆さん鵜呑みにしてしまうのでしょうね。
自民党はもはや保守政党では無いように思います。民主主義や保守の名前を被った「外圧従属政党」と言えるでしょう。
誰のためにもならない悪法をくだらない理論でゴリ押しするふざけた政権です。
この政権こそ”民主主義の根幹を揺るがす”独裁政権です。あ、内政干渉を簡単に許す”日本売渡政権”かな?(笑)。
仮に本当にG7のために必要だというのならばもっと前から議論を始めるべきでしょう。
G7が今年日本で開催されることはとうの昔から分かっていたことですからね。
質問者:アメリカではLGBTに関する法案は進んでいるのでしょうか?
筆者:ええ、進んではいますが更に一歩先の議論も始まっています。
参議院議員の片山さつき氏のTwitterより引用させていただきますと、
『米国50州のうち49州で反LGBT法案が提出・検討されている(唯一例外がバイデン大統領の州)のも、こういう現象があちこちの州で起きている事への対応が背景か』
と発言されています。
エマニュエル大使の言うことがまるで「アメリカの総意」であるかのように報道していますが、実情は全く異なっているし、盛んに議論されている内容なのですね。
日本は遅れているなら遅れているなりに、『別の差別が生まれてしまうかもしれない』と言うことを議論していくべきなのです。
質問者:確かにそうですね。でも思ったんですけど、自民党の特別委員会で反対が多いのでしたら、国会の決議の際に否決される可能性と言うのは無いのでしょうか?
筆者:基本的にはあり得ません。なぜなら、自民党公認でなければ選挙で通りにくくなってしまうという実情が小選挙区制度にはあります。
“郵政民営化”が悪例だと思いますね。造反した者は除名され“刺客”を送り込まれるのです。仮に再選できたとしても地元が大分裂を起こすでしょうからボロボロでしょうね。
質問者:なるほど……そうなるとほとんど絶望的な状況なんですね……。
筆者:唯一残っている可能性があるとするなら国民が地元自民党議員に意見を言いまくったり、SNSで危険を拡散するしか無いでしょうね。
別にこれは僕の記事でなくても一向に構いませんので、とにかくこの危機意識をより多くの方に共有していただきたいのです。
どうぞ拡散よろしくお願いします。