三話
「ルルシェ様、朝ですよ。」
「もう、朝か。もうちょっと。」
「起きて下さい。二度寝は、許しませんよ。」
あれから、半年ルルナはすっかり元気になって俺の世話をしてくれている。今思えば、凄く大変だったな。
半年前
「お前名前は、あるか?」
「……」
あれから宿に連れ帰って色々と質問をしたが、何も返事をしてくれない。
「とりあえず風呂に入れるからな。」
何も喋らないエルフを抱えて風呂に入った。体を洗い、ボサボサの髪には買ってきた薬を付けた。そうして、ご飯を食べさせて寝かした。
そこから三ヶ月した時。やっと口を開いた。
「お前じぁない。」
やっと口を開いたと思ったらこんな事を言ってきた。
「じぁ名前は、なんで言うんだ?」
「……ル…」
「何て?」
「ルルナ。」
彼女としては、頑張った方だろう。
「じぁルルナよろしくね。」
ルルナは、小さく頷いた。そこからは、ルルナもよく食べるようになりみるみる痩せ細った体は、普通の体型に戻ってきた。
そして、今に至る。
「ルルナも、大分体が良くなったからこの街にいる意味がなくなったから、旅に出よう。」
「例の女性を探すんですよね?」
「その通り。」
そして、朝食を済ました後ギルドに行った。
「ララ、お世話になった。」
「どこか行かれるんですか?」
「旅に出ようと思っている。」
「どうかお気をつけて、もしまたこの街に来たら声かけて下さいね。」
ララとも結構親しくなっていた。少し離れるのが寂しかった。
「またな。」
そう言ってギルドを後にした。
「どこに向かうおつもりですか?」
歩きながらルルナが尋ねてきた。
「特に考えてない。思った様に歩いて行こうと思っている。その結果、彼女と会えたら万々歳だ。」
そう言って歩き続けた。道中魔獣とは、出会したがあまり強い奴は、いなかった。ルルナも結構戦えて、スムーズに進んでいった。
ある程度森を進んだ時。
「おい止まれ。」
目の前に矢が飛んできた。そう、木の上にエルフがいた。
「彼女は、なんだ。お前奴隷商か?」
木の上でエルフが尋ねてきた。
「違う。」
「じぁなんなんだよ。」
「やめて下さい。」
ルルナが、そう言った。
「ルルシェ様は、私を助けてくれたお方です。どうか、やめて下さい。」
「そうか、そうゆうことか。はやとちりしてしまってすまない。どうか許して欲しい。」
エルフは、木から降りてきてそう言った。
「どうか、私たちの村を助けてくれないでしょうか。」
そう頼んできた。だが。
「やだけど。なんで矢まで打ってきたやつの村を、助けなければいけないんだ?」
「本当にすまない。どうか、どうか、村を助けてくれないでしょうか。」
エルフが何回も尋ねてきた。だが俺の決心は、変わらなかった。その時隣からルルナが。
「私からも、お願いします。」
ルルナが頼んできた。ルルナの頼みならしょうがない。半年も一緒にいて、ルルナの事を少し好きになっていた。
「しょうがない。次は、ないからな。」
そう言ってエルフに村まで案内してもらった。
「ここです。」
そこには、でかい木を中心とした村があった。
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