カモミールのベンチが消えちゃった
金の巻き毛の王子様と香り高いカモミールのベンチでデート。
「はい、あーん」
手作りサンドイッチを口元に差し出すと、王子様は照れてのけぞる。可愛い。
「あら殿下」
燃えるような赤い縦ロールの魔術留学生が来た。こいつ嫌い。
「リィたん今日も縦ロール最高!」
えっ。殿下さんたら、ふくよかなお胸に揺れる赤い縦ロールに、ぽよんぽよんと戯れる。
「いったぁい!」
どすんと尻餅をつく私。
「酷いですぅ!リリアナがヤキモチでベンチ消したのよぉ」
「大魔法帝国第一皇女様だぞ。君も消えたらいい」
お読みいただきありがとうございます