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【完結】競竜師  作者: 敷知遠江守
第三章 汚職 ~仁級調教師編~
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第55話 執行会

登場人物

・岡部綱一郎…元競馬騎手、紅花会の調教師(仁級)

・戸川為安…紅花会の調教師(呂級)

・戸川直美…専業主婦

・戸川梨奈…戸川家長女

・最上義景…紅花会の会長、通称「禿鷲」

・最上義悦…紅花会の竜主、義景の孫、止級研究所社長

・大崎…止級研究所総務部長、義悦の腹心

・武田善信…雷雲会会長、竜主会会長

・加賀美…武田善信の筆頭秘書

・志村いろは…最上競竜会の社長、最上家長女。夫は光正、娘は京香、息子は光定

・氏家直之…最上牧場(北国)の場長、妻は、最上家次女のあすか

・中野義知…最上牧場(南国)の場長、妻は最上家三女のみつば

・長井光利…戸川厩舎の調教助手

・松下雅綱…戸川厩舎が騎乗契約している山桜会の騎手

・池田…戸川厩舎の主任厩務員

・櫛橋美鈴…戸川厩舎の女性厩務員

・坂崎、垣屋、並河、牧、花房、庄…戸川厩舎の厩務員

・三浦勝義…紅花会の調教師(呂級)

・松井宗一…元樹氷会の調教師(仁級)、謹慎中

・武田信英…雷鳴会の調教師(仁級)

・服部正男…岡部厩舎の専属騎手

・臼杵鑑彦…松井厩舎の専属騎手

・荒木…岡部厩舎の主任厩務員

・国司元洋…岡部厩舎の厩務員

・阿蘇、五島、千々石、大村、内田、成松…岡部厩舎の厩務員

・宗像真波…岡部厩舎の女性厩務員

・及川、中山、田村…紅花会の調教師、逮捕

・千葉、高木、神代…紅花会の調教師(仁級)

・平岩親二…紅花会の調教師(仁級)

・杉尚重…紅花会の調教師(仁級)

・坂広優…紅花会の調教師(仁級)

・浅利…竜主会監査部

・松浦…久留米競竜場元事務長、逮捕

・蒲池…松浦の代わりの久留米競竜場事務長、逮捕

・頴娃…蒲池の代わりの久留米競竜場事務長

 内府空港から飛行機に乗り小田原空港へと岡部は向かっている。


 競竜に関する運営機関は五つある。

『競竜協会』『竜主会』『執行会』『労働組合』『生産監査会』の計五団体。

この内『競竜協会』『竜主会』が西国に、『執行会』『労働組合』『生産監査会』が東国に拠点を置いている。


 『瑞穂競竜協会』は皇都に本部があり、それ以上の拠点は無い。

名目上他四つの機関を統括する組織であり、国際競竜協会にはこの競竜協会が窓口として登録されている。

『竜主会』も本部は皇都ではあるが、幕府にも支部がある。

『競竜執行会』は本部が幕府で、西府に支部があり、さらに各競竜場に事務員を派遣し競竜場を運営している。

『労働組合』は本部を幕府としているが、苫小牧、郡山、岡山、南府の四箇所に支部がある。

かつて戸川厩舎で大野と木村が問題を起こした際、戸川は岡山の支部に呼び出されている。

『生産監査会』は本拠を幕府とし、西府、苫小牧、南府に支部を置き、執行会同様各競竜場に事務員を派遣している。


 『竜主会』は二三の会派の会長による合議制となっている。

会長は二三の会長から決められることになっているが、現状、稲妻牧場系の会長の持ち回りとなっている。

任期は四年で現在は雷雲会会長の武田善信が会長を務めている。

四つの機関を統括するはずの『競竜協会』から運営権を委ねられているが、当然正式なものではなく実質的なものである。

他の機関の長を会派の会長が務め続ける事で徐々に権力を握り今の地位を築いてきた。


 そんな竜主会に常に反発し続けているのが『執行会』である。

理由はいくつもある。

そもそも競竜の運営権は『執行会』にあるはずなのである。

にも関わらず、問題が発生する都度その解決に『竜主会』から人が派遣されてくる。

それを『執行会』は越権行為だと感じている。

さらに資金の問題。

五つの機関の運営資金は大半が『勝竜投票券』――いわゆる『竜券』の売り上げによって賄われている。

『執行会』は、日夜竜券の売り上げを上げようと勤しんでいる。

なのにそれを問答無用で巻き上げ『竜主会』が分配するのだから面白かろうはずがない。


 この『執行会』の会長も『竜主会』の二三の会派の会長から選ばれるのだが、慣例として稲妻牧場系以外から選ばれている。

任期は三年で、現在の会長は雪柳会会長の朝比奈(あさひな)孝朝(たかとも)が務めている。


 その朝比奈会長から三冠達成の表彰をしてもらう為、岡部は幕府にやって来た。




 執行会の本部は幕府競竜場のある大井町駅の近く品川駅という場所にある。

かつては海岸沿いで宿場町として発展した地である。


 岡部は一張羅で執行会の本部に向かった。

内ポケットには一通の白い封書が入っている。

執行会本部に着くとまず報道によって出迎えられ、それを見た執行会の係員によって道が作られ中に案内された。

建物の上層階にある表彰会場にも報道が詰めかけている。


 式典そのものは非常に簡素なもので、表彰状が渡され、賞品の『三又の勲章』が渡され、朝比奈会長と握手して報道に写真を撮られる。

それだけである。

その後、その場で報道から岡部に取材が行われた。

岡部はその前に会長に直訴したい事があると言って、胸から封筒を取り出し朝比奈に手渡した。

内容について報道から問われたが、今は言う事はできないと回答を拒絶した。



 表彰式が終わると朝比奈は岡部を昼食に誘った。


 最上階の来賓用の展望室に通されると、岡部と朝比奈、朝比奈の筆頭秘書の由井(ゆい)、執行会の笠原(かさはら)総務部長、四人分の食事が用意されていた。

朝比奈は由井と笠原が仕事中なので酒が出せなくて申し訳ないと冗談を飛ばし場を和ませた。

食事を取りながら話を聞きたいと言って冷茶の入った器で乾杯をした。


 久留米はここのところ事件続きで評判が悪かったが、この件でかなり相殺されただろうと朝比奈が岡部に話題を振った。


「朝比奈会長、お食事中大変申し訳ないのですが、先ほどの封筒の中身に目を通していただけませんでしょうか?」


「今見てしまっても構わないのかな?」


 お願いしますと小さく頭を下げて、朝比奈に中身を確認するよう促した。

朝比奈は一旦食事の手を止め、中に入っていた書面三枚を無言で読み始める。

最後まで読み終えると大きくため息をつき、それを由井へと手渡した。


「これは誰の調査結果なんだね?」


「私が事件の数時間後から数日かけて集めた証言です」


 朝比奈は少し驚いた表情をして岡部の顔をまじまじと見た。

小声でなるほどと呟き小さく頷く。


「私もこの件はよく覚えているよ。君とは別の理由で、かなり疑問視していたんだよ」


「疑問視していたのなら、どうしてそのままにしておかれたのですか?」


 何だか自分に不手際があってそれを責められているような気がして、朝比奈は少し気分を害した。

だが少し冷静になり、これだけの調査をするほど入れ込んでいるのだから、この反応も当然かと納得した。


「実はね、私も監査部に再調査を依頼したんだよ。だけど、私の命だけでは再調査は受け入れられないと拒絶されてしまってね。挙句の果てには、執行会を私物化する気かと反発されてしまって」


「問題の監査部の部長は竜主会の勧告で更迭されたと聞きましたが?」


「これは人の問題じゃなく組織の問題だからね。組織というものは上の意向だけで動くわけじゃないんだよ。君だって部下に反対されたら君の意向を押しきれない事があるだろう?」


 由井は調査書を読み終えると、笠原には渡さず封筒にしまった。

朝比奈は封筒を受け取ると由井にどう思うか尋ねた。


「あの事件の、時期が時期でしたから、これの信憑性はかなり高いと考えますね」


「私もそう思うな。だがそうなると選挙はやり直しになるだろうなあ」


「面倒ではありますが、それでも全ての歪みを正して再度選挙を行うべきかと」


 由比の進言に朝比奈も同意し、手筈を頼むと依頼した。

直ちにと短く言うと、由井は食事を中座し、どこかに連絡しに行ってしまった。


「この件は、執行会内部からどのような反発があっても再調査させるよ。君への褒美……と言ってあげたいところだが、残念ながらそうでは無い」


「先ほど時期がどうのと言っていましたが?」


 話が随分と早く進むと朝比奈は感じていた。

恐らくそれだけ目の前の青年の推察力が高いのだろう。


「実は私の執行会の会長の任期は今年一杯でね。四月に選挙をしたんだよ」


「まさか候補者の一人が樹氷会の小寺会長とか?」


「ほう! ずいぶんと察しが良いんだな! もう一人は山吹(やまぶき)会の新田(にった)会長だ。あの一件で小寺会長は評判に傷が付き、次期会長は新田会長に決まったんだよ」


 朝比奈の説明を聞き、岡部は首を傾げた。


「ですが、あの件の首謀者の蒲池(かばち)は、確か蓮華会の人物でしたが?」


「蓮華会さんは下への統率が緩いからなあ……」


 朝比奈が少し呆れ口調で言うと、岡部は以前同期の武田が同じような事を言っていた事を思い出した。

つまりはそれほどに有名な話なのだろう。


「では、新田会長が蒲池たちを利用したと?」


「新田さんが直接やらせたんじゃなくとも、その下が勝手にやったとかな」


 朝比奈が笠原を見ると、後ほど再調査の手筈を整えますと述べた。



「岡部先生、あれだけの調査をした君を見込んで相談がある。君も想定している事とは思うが、君の調査が正しかったとしてだ、それをそのまま公表してしまうと、武田先生にも迷惑がかかってしまうんだよ」


「別の伊級の先生を差し向けていただき、全て蒲池のせいという事にして乗り切れたりはしませんか?」


 岡部は即答であった。

朝比奈も岡部がある程度はその辺りも想定しているかもとは思ったが、対処まで考えているとは思わなかった。


「武田先生も蒲池に騙されたと?」


「そもそも入ってきた情報が誤っていたんですから、武田先生の名誉に傷はつかないと思います。もちろん武田先生の了承は得る必要がありますけど……」


 岡部の提案がかなり現実的と感じたようで、笠原部長もなるどほどと頷いている。


「だけどあの爺さんガンコで有名だぞ? 意固地になったりしないかな?」


「武田会長経由で話をしてもらったらどうでしょうか? そもそも武田先生も自分が蒲地に騙された事は存じていますので、筋さえ通せば問題ないと思いますけど」


 朝比奈は、ふむふむと顎を触って考え出した。


「だけど、これだけの問題だからなあ。それなりに派手な演技のできる先生を探さないといけないだろうなあ」


 困り顔で悩む朝比奈に、笠原が伊東先生はどうでしょうかと提案した。

格を考えれば織田先生が理想なのだが、あの方では対立を煽るようになり余計な諍いを産みかねないからと。


「伊東先生か。ああ、そのくらいの大物じゃないといけないだろうなあ」


 後ほど伊東先生に打診してみますと笠原が言うと、朝比奈は大きく頷いた。



「それと、僕の希望としては、この件ですっかり人生を狂わされた僕の同期にきちんと謝罪をしていただきたいんですが……」


「こんな事を言うと気分を害すかもしれんが、一度執行されてしまった処分を覆すというのは極めて困難な事なんだよ。それが組織というものでね」


「僕もそこにはもはや期待はしていません。どのみち残り三か月で処分は明けます。その時に公式に謝罪をしてもらえないかと……」


 それでも朝比奈が悩んでいると、笠原が、私で良ければ頭を下げにいきますと言ってくれた。

だが朝比奈は首を横に振った。


「残念だが君だけじゃダメだ。それでは個人的な謝罪になってしまう。そうだなあ、監査部の部長あたりも連れて行かないとだな」


 前任者の尻拭いをしろと言えば嫌とは言えないだろうと笠原は笑い出した。


「岡部先生、それでご満足いただけるかな?」


「ありがとうございます! 厩舎みんなで頑張って三冠を取った甲斐がありました」


 そう言って岡部は椅子から立ち上がり、朝比奈に向かって深々と頭を下げた。




 数日後、久留米競竜場に双竜会の伊東(いとう)雄祐(ゆうすけ)調教師がやってきた。

頴娃(えい)事務長に呼ばれ、岡部は大慌てで事務棟の会議室へと向かった。

伊東は会議室の一番奥でドカッと座り、足を組み腕も組んでいる。


「お前が噂の岡部か。執行会と労働組合から大量尾切れ事件の再調査を依頼されてな」


「わざわざご足労いただきまして申し訳ございませんでした」


「ようは武田の爺さんの尻拭いしたら良えんやろ? お前もここで立ち会うとけや」


 そう言うと伊東は、横の空いている席に座るように促した。


「頴娃、関係者と思われる奴をここに呼んで来てくれ」


 誰から呼びましょうと頴娃は伊東にたずねた。


「そうやなあ、松井の厩舎のやつらは今どうしてるんや?」


 解散状態で岡部厩舎の二人以外はわからないと頴娃が言うと、伊東はギョッとした。


「なんやと? 行方把握してへんのかいな! おいおい、ただの謹慎処分なんやぞ? お前、冤罪やったとしたら最悪やで、それ」


 あの後会派からも除名になったらしく、厩務員を雇い続ける資金を絶たれてしまったようでと、頴娃は額の汗を拭いながら報告した。


「お前ら謹慎の意味ちゃんとわかっとんのか? 廃業を促すことと違うねんぞ?」



 狼狽えている頴娃に岡部は、雑賀(さいか)さんを呼んできて欲しいとお願いした。

呼び出された雑賀は、伊東にたずねられるままに当時何が起ったかを淡々と報告した。


「ううむ。当事者やない者の証言が欲しいな。できれば紅花会さん以外で」


 岡部はそれならと、高木厩舎の近くの大河平(おこびら)という老練の厩務員を推薦した。

呼び出された大河平も当時の事をしっかりと証言してくれた。

その話の中でしっかりと田丸厩舎の『ロクモンコザネ』という竜の名前が挙がった。

他にもそれを証言できそうな人物を大河平に名前を挙げてもらい可能な限り呼び寄せた。

余程あの出来事は衝撃的だったらしく、半年以上前の事件だというに、全員口を揃えてあの時の事はよく覚えていると言った。

証言に若干の差異はあるものの、全員その証言内容はほぼ一致していた。


 さすがに伊東は伊級でも上位五人の国際競走に挑戦する調教師なだけあり、すぐに事件のあらましを理解したらしい。


「頴娃。事前に前回の調書を読んできたんやがな。証言内容が全然違うな」


「前任の蒲池という逮捕された事務長が、嘘の証言者を事前に用意していたものと考えます」


 伊東は当時の証言者を呼んでもらおうとしたのだが、一人を除き全員が蒲池逮捕の後に職を辞していた。

その一人を呼びつけ当時の話を聞き取ると、案の定蒲池に金を握らされこの通り言えと証言を依頼されたと白状したのだった。


「しかしこの程度がその場で見ぬけへんとは……あの爺さんも、ずいぶんと耄碌(もうろく)したもんやな」


「武田先生、だいぶお歳ですからね」


 頴娃は伊東の言葉に苦笑いした。

伊東は鼻で笑うと急に真顔になった。


「こっからは俺だけやとちとまずいな。公正競争違反の可能性が大きい。頴娃、すぐに警察に連絡してくれ」



 数十分後、競竜場に郡警察がやってきた。

それに合わせて田丸調教師と複数の厩務員が事務棟に連れられてきた。


「田丸よ。一月の事や言うたら、何となく俺が何が聞きたいんかわかるんと違うか?」


「うちの厩舎の竜が隣のクソガキのせいで尾が全部切れてもうたいう、ハラの立つ事件の事ですね」


 田丸の言い方に伊東はかなり苛ついたようで、目を伏せ眉毛をぽりぽりと掻いた。


「田丸、お前記憶を都合よく上書きしたんか? あれから時間が経って、色々バレてんねんぞ?」


「何の事でしょうか?」


 なおもシラを切ろうとする田丸に伊東は怒りで右拳を強く握った。

恐らく仁級調教師ごときに軽んじられていると感じているのだろう。


「『ロクモンコザネ』、お前の竜やな? 何で卵(はら)んどんのに放牧せんかったんや?」


「その竜やったらとっくに引退してまして……」


 そう言って薄笑いを浮かべる田丸に、伊東は怒りを通り越し敵意を覚えた。


「そうかそうか。そしたら稲妻牧場に警察の調査が入る事になるんやけど、それで良えんやな? お前のせいで蓮華会が稲妻系から追放されても、お前は構へんのやな?」


「それは……」


 警察の一人が会議室に入ってきて伊東の横の警察に耳打ちした。

警察は田丸厩舎の厩務員二名が犯行を自供しましたと少し小さな声で伊東に報告した。


「田丸! 聞こえたか? それでもまだ知らぬ存ぜぬを通すんか?」


「私やありません! 蒲池が勝手にやったことで……」


 その田丸の言い訳に伊東は呆れ果てて、色々な事が馬鹿馬鹿しく感じてきてしまった。


「お前歳はなんぼなんや? そないな幼稚な言い訳が通用するわけないやろ?」


「……蒲池から松井厩舎を潰せって言われたんです。新人賞やって天狗になっとるから鼻折ったれって」


 伊東は特大のため息を付いた。

周囲の者たちからもため息が漏れる。


「お前、自分がやった事まだわかってへんのか? 公正競争違反なんやぞ?」


「私は放牧を許可されへんかっただけで厩務員が勝手に……」


 伊東は握った拳を机にばんと叩きつけた。

再度湧いてきた怒りで顔が赤く染まっている。


「そしたら何で今まで放牧が許可されへんかった事を執行会なり竜主会なりに訴えへんかったんや! 事件の時に何で武田先生に供述せへんかったんや!」


「それは……」


 田丸は伊東の怒声に怯んで額から汗をたらたらと流し息を荒くしている。

そんな田丸に伊東は再度机に拳を叩きつけて威嚇した。


「お前があん時、武田先生に一言言うてたら、松井はあないな事にならへんかったんと違うんか! どうなんや!」


 田丸は唇を震わせ何かを訴えようとしたが言葉は見つからなかった。


「お前はそのしょっぱい嫉妬心で、将来有望な調教師の人生を狂わせた挙句、冤罪で執行会と労組、それと武田先生の顔にまで泥を塗ったんや! 牢獄でじっくり反省せい!」


 うなだれた田丸が手錠をはめられ、力無く警察に連行されていった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。  あっという間に夏の天辺取って駆け上がりましたね…  来年には昇級して「去年の新人調教師達は化物か」と周囲から畏れられそう。 [気になる点]  そして、ついに同期の再審…
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