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かなしばり

作者: GURI

これは高校時代の体験談です

 私が高校生になった頃初めて金縛りに合った。

学校に行ってその事を話すと、霊感の強い友人が、

「ほとんどが、身体が疲れていたりして、筋肉が寝ていて、脳が起きている状態なんで大丈夫なんやけど…。」と、前置きをした後、

「えぇか、先ず目をギュッと閉じて、心の中で‘南無阿弥陀仏’でも‘南無妙法蓮華経’でも‘アーメン’でも何でもえぇから唱えて、小指でも親指でも、なんか一本の指に集中して動かせ、で、動いたら手を腕を動かして電気を点けろ。そしたら大丈夫やから、えぇか()()()()()()()()()。」

と、教えてくれた。

 その夜も金縛りに合ったが、言われた通りに、ギュッと目を閉じて、心の中で‘南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…’と唱えて右人差し指に集中して動かし金縛りをとくと、そのまま眠りについた。

 それから毎日金縛りに合ったが、同じ様にしてといていた。

慣れとは恐ろしいある夜何気無く目を開けてしまった。するとベッドの横に立ち見知らぬ外国人が覗き込んでいた。私はそのまま気絶してしまった。

それからは、絶対目を開けなかった。

足から腹へ段々重くなり、何かが登って来る様な金縛りもあったが身体が動くとスーッと消えた。

 金縛りが毎日から週数回、週一になり、ほとんど無くなった頃のある日学校から帰ると、ベッドの足元の窓の燦の所に何か黒い物体が…。

近付いてよく見てみるとコウモリだった。私は軍手を嵌めてタオルを手にコウモリを掴むと窓の外に放り投げた。

その夜久しぶりに金縛りになった。

私はいつもの様に心の中で‘南無阿弥陀仏’と唱えていると両足首を捕まれて引っ張られた。‘ヤバい!’私は目を開いた。しかし下を見るのは怖いので出来るだけ上の方を見た。するといつもは、私のやや右下に見える電気の傘が私の遥か上の方に見えた。私は真っ直ぐに寝ていたので普通に考えると下半身は壁の中、窓の外に出ている計算になる。私は必死に指を動かす事に集中した。そして指が動いたのだが、足首の手は消えず私は引っ張られたままだった。私のベッドは以前姉と使っていた二段ベッドの上だった物で横には落下防止の格子柄の様な柵が付いていた。私は必死に格子を掴むとグイッと身体を引っ張り上げた。しばらくは引っ張りあいが続き私は徐々に上に上がって行った。やがて諦めたかの様に手が離れ、身体はスポンと抜けた様に起き上がった。そして電気の紐を引っ張り電気を点けると私は枕元で丸まり力尽きたかの様に眠った。

 次の日例の友人に話すと、

「良かったな。もしそのまま引っ張り困れていたら、死んでいたかも知れない。危なかったな。」と、言われた。

それからは、金縛りに合う事も無くなった。

          終わり

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