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プロローグ バカと真面な人の違い

平均的な顔、少しだけ良い成績に、そこそこ仲のいい

友達もいる良くも悪くも一般的な高校2年生の

八萩(やはぎ) (れい)

適応力だけが特徴的で目立たない性格をしている。


そんな礼は夏休みの真っ只中に学校の校庭にいた。

同じクラスの他の生徒、担任の先生が全員集まっている

それは誰かが提案し、あっという間に準備が進んだ

BBQである。


いつもはまともに登校してこない男ヤンキー3人衆に

不登校中の生徒までBBQには参加していた。


珍しくクラス全員が揃った事に担任の夏凪先生こと

夏凪(なつなぎ) (あおい)は喜んでいたが

礼は不吉な予感を感じていた。


その予感が的中したかの様に、他の生徒達はバタバタと

倒れていき光の粒子となって消えていく

それを見ている頃には礼も消えていった。


ふと目を覚ます先が見えないというより把握出来ない

真っ白な世界にクラス全員と夏凪先生と共に降り立った


異常な状況に戸惑うクラスメイトとそれを宥めようと

する夏凪先生と委員長の黒咲(くろさき) 茨薔薇(いばら)


決して騒ぎが収まらない中、目を覆わざる負えない程の

光が放ち、暫くして光量が収まると白いローブを身に

纏う、白髪白髭の初老に見える6mの大男が現れた。


「私は神である、貴様ら愚民にこれから行く異世界に

関する三つの質問の権利とギフトを一つ、

欲しい物を一つそれぞれ1人に与えよう」


神らしからぬ傲慢で身勝手な態度と言葉に怪訝そうな

感じを隠しながら言葉の意味や質問を考える真面な人。

対して、何も考えず異世界に行ける事に興奮したり

意味も分からずただ凄い凄いと喚く奴ら。


陽キャなヤンキー連中の1人が最初に

「あの、これから行く異世界ってどんなとこなんすか?」

「貴様らが想像するような剣と魔法の世界だ」

「マジすか!!じゃ、質問はもういいからギフト?ってのはコレで、物はアレでお願いしゃす!!」


そう言うと自称神は一言「分かった」と口にし、

陽キャヤンキー連中の1人はこの空間に来た時と同じ

ようにしかし、意識を失わないまま光の粒子となって

消え、恐らく異世界に転移したのだと分かる。


ヤンキー連中のもう1人が

「俺は質問いいんで………」と言う。

すると次々に運動部系の陽キャやギャル、

陰キャオタクの男子に女子、不登校の奴らも

質問を放棄してギフトと欲しい物を言い光の粒子と

なって転移していった。


バカ以外に残った比較的真面な人間は、

礼と夏凪先生、それに茨薔薇と白鳥(しらとり) (ひよう)

黒咲委員長の親友と噂の無愛想で冷徹な美人である。


まず始めに氷が自称神に質問をする。

「貴方ってどういう存在なの?」

「貴様らがこれから行く異世界を管理する者だ」

「じゃあ、スキルとギフトの違いは?」

「スキルは己の才能を努力をして形にしているものでありギフトは神の恩寵、スキルとは次元が違うのだ」

「そう、異世界にある治安の悪い国や危険の多い地域

には転移しないで貰えるかしら?」

「元からそのつもりだ」

「***」

「***」

「***」

「***」

「分かったわ、じゃあお願い」

すると氷は光の粒子となって消える。

途中は距離が遠いからか礼は聞こえなかった。


次に茨薔薇が自称神に質問をする。

「魔法ってのはどうゆう物なの?」

「元々これから行く世界は多神教だったのだが、その神

同士が喧嘩してな、貴様らがいた世界と同様に

元は魔法など空想の産物に過ぎなかったのだ

戦い、消滅した神の力が世界に降り注ぎ魔力として

今、異世界に存在する者の殆どが魔法を行使している

異世界人は魔法を詠唱無しでは発動できないと思って

いるようだが、確固たるイメージがあれば魔力を消費

し、魔法を使用する事が出来る」

「説明、感謝するわ、

生活水準はどうなのかしら?」

「全く同じレベルだが、科学の部分を魔物を倒す事で

得られる魔石を使用した魔道具で補っている。」

「読み書きはどうなの?」

「それに関しては今までの奴らもだが都合はつけている」

「ありがとう」

「ギフトは植物の事を知れるような物をお願いするわ

持ち物は医療キットにして下さい」

「いいだろう、ではさらばだ」

茨薔薇は光の粒子となって消える。


礼の一つ前に夏凪先生が質問を始める。

「生徒達は無事何ですか!?」

「さぁな、比較的安全な場所に転移してはいるが

そこからは知らん」

「そうですか…では生徒達の居場所を教えてください」

「構わないが、転移先の場所も分からないのに

今知った所でどうにもならん」

「でも!………いえ、すみません取り乱しました

最後に私は生徒達の居場所や現状を知り、

危険な時には守れるような力を得られますか?」

「希望に添える持ち物とギフトを授けよう」

夏凪先生は光の粒子となって消える。


最後に礼の番が始まる。

「質問だが、まず体の動かし方とか、えーと戦い方が

感覚的に分かるスキルってのは無いのか?」

「貴様が言う様なスキルは無いが、似たようなスキルは

存在する。しかし、貴様が望む物とは違うんだろう

故に望みに叶うギフトを与えよう」


「それは有難い、次に持ち物に関してギフトに変更

出来るのか?」

「可能ではあるが制限がつく、最初のギフトよりは

スキルに近いものになるがそれでも良いのならな」


「分かった、それは逃げ足が早くなるギフトにしてくれ

最後に転移先だが、一つ前に転移した女性と近い

または、全く同じ場所に転移してくれ」

「それもいいだろう、お前の様な臆病で蛮勇と勇気を

履き違えない勇敢な者は私は好ましい、ついでだ

人物や植物等の全ての情報を看破出来る鑑定スキルを

授けよう」


「いいのか?一人の人間にここまで肩入れして」

「私も個人だ、貴様らが漠然と想像する機械的な神では

無いのだよ、多少私情が入っても問題は無い」


「なら好意を素直に受け入れよう、また会う日まで」

「私は神だがそんな数奇な運命を望むとしよう、

また会う日まで」

そう言い合うと礼は光の粒子となり転移するのだった。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

八萩 礼


スキル『鑑定』


ギフト『武道』『逃げ足』

_________________________

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