旅行計画はテンポ良く。
セレナが自宅に帰って3日が過ぎた。
モヤモヤしながら過ごしていると、セイメイから返事がきたとメアリーがやってきた。
「ジュリア、大変よ。どうしましょう。」
「え、どしたの。セレナのこと?」
「セイメイが会いたいって……どうしよう……」
「えー、会えば?」
人が悶々してるの良いですね。まぁ主人公は恋愛してなんぼか。
私の冷たい視線を感じてメアリーは否定をするが顔は赤い。
「そうじゃなくて、セレナの様子を直でみたいって。」
まぁそうか。さすがに文面じゃわからないよね。
でも会うって言っても留学も延びたし……
「ちょうどいいんじゃない?俺の別荘にみんなでくれば。あ、ついでにヒミコちゃんも呼んでよ。」
何こいつ毎回自然に入ってくるんだよ。
優しいメアリーは受け入れて話を進める。
「ジュリオの別荘って?」
「ちょうど国境の境目あたりに昔建てたらしいんだけど、海も山も近くて結構いいんだよ。」
女の子とデートするのにね。とウィンクするがメアリーも私もスルーして話を進める。
確かにジュリオとシャマリオ先生と話した時にみんなで夏休みに出かける話をしていた。これは不本意ながら乗るしかないのだろう。
「セレナも心配だし、そこならセイメイも来てくれるかしら。」
「メアリーが来てって言えば来そうな気はするけど、レミジオとかはどうする?来るかな?」
「本来は誘った方がいいんでしょ?」
「まぁね……」
でもレミジオの前で悪魔がどうとか話しても良いものだろうか……
「二人で何の話をしてるの?セイメイとセレナを会わせる話じゃないの?」
事情を話してないメアリーからするとそう思うだろう。
ある意味当事者だし、話すべきかと思ったがジュリオに止められる。
「ほら、レミジオはセレナ嬢の婚約者でしょ?俺とかセイメイが来てるのに呼ばないと問題かなって。」
「まぁシャマリオ先生も引率で来て貰うし、学校じゃないし使用人も各自連れてくとは思うけどね。」
「ああ、なるほどね。確かにそれなら呼んだ方がいいのかしら。」
「一応俺から聞いてみるよ。」
サクッと決めてジュリオは去っていった。
こういうテンポの良さはモテるコツなのかもしれない。
「じゃあセイメイに来れないか聞いてみるわね。ヒミコも誘って貰った方がいいのかしら。」
「うーん、ヒミコが嫌じゃなければ来てくれた方がありがたいかもね。」
正直、ここまで事件と出会った私だ。
別荘、ミステリーにおくならば十中八九何かが起きるのではと身構えてしまう。
そらならばヒミコとシャマリオ先生と信頼出来るであろう人は集めた方がいいかもしれない。
後は後回しにしていたが、この国の宗教とかを調べた方が良いのかもしれない。
私はそのまま手紙を出しにいくメアリーと別れて図書室へと向かった。




