噂話はみんなの大好物。
放課後、セレナの部屋にまた行こうと思ったらショタ……シャマリオ先生とジュリオに呼び出された。
「朝もジュリオに言いましたけど、レミジオとは特に何も話せてませんよ。」
「そうじゃないよ、シャマリオ先生が気になる話が聞こえてきたって言ってね。」
「うん、前にジュリアがレミジオとメアリーが結ばれるって言ってたよね。」
「言いましたね。」
あまり信じては頂けなかった記憶だけどね。
「それ、本当になるかもしれない。」
んん?確かに最近のレミジオは無駄にメアリーに絡んできてたけども、メアリーはセイメイ派な感じだけど……
私の微妙そうな顔を見て、ジュリオも肯定にまわる。
「レミジオは王子なのを忘れてるでしょ。あんまり権力を乱用する人じゃないけど、方法は色々あるよ。」
そうか、この世界だと恋愛結婚の方が珍しいのか。
しかし、いまいちピンとこない。
単純にレミジオはメアリーの噂話が流れただけではないのだろうか。中等部の時だって舞台でお似合いとも噂されてたし。
「気になる話って言うのは、レミジオがメアリーを好きかもってことですか?」
「そう、レミジオからメアリーが気になる気持ちが聞こえてきたんだ。まだセレナの方への気持ちが大きいみたいだけど、このままならジュリアの言った通りになるかと思ってね。」
「それで、二人がどうやって結ばれるかを詳しく聞きたくてね。」
「……二人はレミジオとメアリーが結ばれるのは避けたいんですか?」
私からすれば結ばれてしまうと、セレナの命が危ないから避けたい。でも二人からしたら別段レミジオと誰が結ばれようが関係ないのではないだろうか。
「関係なくはないよ、この国の繁栄で言うならばセレナと結ばれる方が良いしね。」
「ホントにどこまで聞こえてるんですか。」
「ジュリアはわりと聞こえやすいよ。」
「やだこわい。」
しかし言うつもりもないが、セレナの命が、とかは聞こえてないようなので聞こえる範囲は本当に謎だ。迂闊に変なことは考えれないな。
「で、どうやって結ばれるの?」
ジュリオに催促されるが、申し訳ないことに覚えてない。だって覚えるほど読んでない上に、数年も前の話だ。覚えてる方が異常だろう。
「うーん、アルベルトとジュリオとかに告白されるけど、レミジオが良い感じに入ってきて徐々に惹かれてく、みたいな。あんまり覚えてないんだけど。」
「ジュリオ、告白してみてよ。」
「フラれるってわかってるのに?嫌ですよ。」
「ジュリアが言ってる事が本当に起こるか確信が欲しいんだよ。」
「……俺はいつ告白する予定なの?」
「確か……海に行った時に女の子は全員切って君だけだ。みたいな?」
私は微塵もキュンとしなかったけど。
「海か……学校行事にはないから、夏休みの出来事かな。」
「でも告白して、レミジオが邪魔したら余計に私の知ってる未来になるんじゃ……」
「前もってわかってたら、レミジオが邪魔しないようには出来ると思うよ。」
シャマリオ先生が来てくれるなら出来そうな気はするが、そうまでする必要はあるのだろうか。
「ちょっと思うことがあってね。上手くいったら教えてあげるよ。」
「俺にも教えてくれないんですか。」
「情報提供は確証がないとしないのが僕のポリシーさ。」
ウィンクをして、シャマリオ先生は謎に決めポーズをとってくれた。
久々にアイドル顔だと認識してしまったけど、この人本当に年齢不詳なのこわい。
話も一応まとまり二人から解放された。
遅くなってしまったが、セレナの部屋に顔だけでも出そうと思い、セレナの部屋によることにした。




