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一方的なのは約束じゃない。



授業が始まり、先生がジュリオを起こして注意する。

ジュリオに何で起こしてくれなかったのかと恨みがましい目で見られたが起こすと約束なんてしてないからね。


真面目に授業を受けなければもうテスト前に頼りになるアルベルトはいないのだ。


休み時間になり、メアリーが私の席にくるのを見てセレナは隣のクラスに行ってしまった。

どうしたものか、ここに来てセレナの悪役令嬢ルートになってしまうのだろうか。


「ジュリア、ボーッとしてたら食堂に行きそびれちゃうわよ?」


「あのさ、メアリーはレミジオの事、どう思う?」


セレナも大事だが、万が一メアリーがレミジオのことを好きなら何か考えなければいけない。


「レミジオ……?好い人とは思うけど、突然どうしたの……?」


「セイメイとレミジオならどっちを選ぶ?」


「どっちをって……そんな、私なんかがそんな選ぶ権利はないわよ。」


私と違ってメアリーは選ぶ権利しかない気がするが、セイメイの名前を出したら少し顔が赤くなった気がした。

まだ気持ちはセイメイにあるようだ、ファイトだセイメイ。


「なら大丈夫、ごめんね、変なこと聞いて。」


「それは別にいいんだけど……もしかしてジュリア、レミジオが好きなの?」


「え、それはない。絶対ない。」


昔から勘違いされるが、確かに目の保養になるくらい美形だが、まず育ちと性格が合わないだろうと思う。


「まさか……ジュリオ……?」


「もっとない。」


あんな口の回るチャラ男は嫌だ。

メアリーが恋ばなモードになっているのを抑え、食堂へ向かった。



食堂へ着くとエリーザとソフィアが目に入った。タイミングなのかあまり会うことがなかったので久々に顔を合わせる。いると思っていたセレナは一緒にいないようだ。


こちらを見ていたので、また私に何か絡んでくるのかと思ったら、二人はメアリーに声をかけた。


「あら、カビ臭い匂いがすると思ったら、メアリーが食堂に来てたのね。」


「ちょろっとチヤホヤされてるからって調子に乗ってるんじゃないの?」


声の聞こえた生徒達はメアリーにではなく、二人に冷たい視線を送る。

小説と違いメアリーは中等部からいるためか、周りに認知はされており、優しいメアリーは人気を集めている。


「あー、二人とも止めといた方がいいんじゃない?」


「なによ、ジュリアは一体誰の味方なのよ!」


「ニーナもいなくなって、セレナ様が可哀想!」


「私は私の味方しかしないけど……こうやることでセレナの印象を貶めてるよ。」


ここで二人は周りからの視線に気づいたようで、逃げるように食堂から出ていった。


「ジュリアって格好いいのね、びっくりしちゃった。」


「全然だよ、それにしてもあの二人は成長してくれないね。」


ある意味一番、私の知ってる話とキャラクターがぶれていないのかもしれないが。


「メアリー、大丈夫かい?何か言われていたようだが……」


たまたま見ていたのか、レミジオがメアリーに声をかけにきた。


「ジュリアが助けてくれたから大丈夫です。ありがとう。」


「そうか、なら良かった。ジュリアもありがとう。」


何故レミジオにお礼を言われてるのはよくわからないが、メアリーに腕を組まれてその場を離れた。

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