表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/52

朝の占いは見ちゃう派



本格的にヒミコに視てもらう為には準備がいるらしく、ショタ先生の付き添いで学園外で行うことになった。


「ねぇ、ショタ先生は一緒でいいの?外に出るには仕方ないのかもしれないけど。」


小声でジュリオに聞くも、ショタ先生にはすでに聞こえていたようで、先生が答えてくれた。


「シャマリオ先生は何でも知ってるよ。ジュリアの清めにも付き合ってあげたでしょ。」


「はぁ、そうですか……」


正直、先生なら鍵を持っているよなと疑ったりもした。

動機からでなく、出来る人で絞った考えだけれども。


「もしかして僕のこと疑ってる?君に疑心暗鬼は似合わないよ。」


「ジュリア、先生は大丈夫だよ。足りない脳で無理して考えたらダメだよ。」


何だよお前ら、仲良しかよ。二人にバカにされながらヒミコが待っている場所に着いた。


広場のような場所の真ん中で、キャンプファイヤーのような炎が燃えている。

その火を囲うように紐や鈴が四方八方に伸びている。


「それでは、あなたはこちらに。他の方は紛れるので離れてください。」


巫女姿のヒミコに言われ、私は火の前の立ち位置に移動する。

前の世界から占いは結構好きだったので少しワクワクしてしまう。


「では、はじめます。」


清めの時のような、よくわからない作法があるのかと思っていたが、私の目の前でヒミコが目を瞑っているだけだった。


ちょっとでもこれは、私はヒミコを見てもいいのかな。それとも私も目を閉じた方がいいのかな。


悩んでいるとヒミコに「雑念は捨ててください。」と怒られた。

10分ほどしてヒミコがようやく目を開けた。


「あなた……何なんですか?」


「え?」


「本当に人間ですか……?」


ヒミコにすっごく引いてる顔で言われた。

人間とは思うけど。ひどい言い様だな。

外にいたジュリオとシャマリオ先生も近づいてきて話を聞いてくれた。


「確かにジュリアは人間の顔にしては特徴がないけど、人間とは思うけど。」


「そうだね、性格もあれだけど、逆にそれが人間らしいというか。」


だから何だよこの二人、私を貶すターンですか。


「そういう意味ではなく……魂が、変質的で……私では何と言っていいのか。」


ほら、ヒミコには冗談も通じてないよ。


「堕ちてるって表現じゃ違うの?」


「確かに堕ちてるとあの時は思いました。しかし清めているでしょう。関係ありません。」


魂……私が転生していることが関係あるのだろうか。


「申し訳ありません。あなたに関しては何もわかりません。」


「ジュリアに関してってことは、他に何が見えた?」


「ええ、黒い影が。あなた達の国でいう悪魔、ではないでしょうか。」


悪魔……そんな設定は絶対と言っていいがなかったはずだけど。あり得るのか、悪魔が全部の事件の犯人だったなんて……


「悪魔はいるよ。けど、人を殺したりなんて言うのは聞いたことがない。人を殺せるのは人だけだよ。」


「シャマリオ先生のいう通りだね。視てもらって否定するわけじゃないけど、さ。」


ジュリオも先生も否定的だ。確かに悪魔が出てきたら警察は必要なくなってしまうだろう。


「信じる、信じないは自由です。この国では人を殺しますから清めや私のような家系がありますから。」


ヒミコは二人の言うことに気分を害した様子はなく、いつものように淡々と片付けをはじめた。


「ご、ごめんねヒミコ。せっかく準備して時間もとってもらったのに。」


「いえ、私は私の思う事を言うまでですから。それに、言葉で伝えなくとも伝わるでしょう。私の役目は視ることですから。」


そういうとヒミコはシャマリオ先生に視線を送り、帰っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ