だからくじ運は本当に大事。
ショタ先生がこれから使う教科書やプリント類を配り、説明を始めた。
「じゃー今からクラスの代表と副代表を決めて貰うよ。中等部は成績で決まってたけど、高等部は今後の事とか色々あるから立候補制度だからね。」
要は学級委員のようなものだが、高等部からはさらに代表になれば生徒会に立候補が出来るらしい。
私からすればそんなものには興味はないが、貴族にとっては将来の為にもなるのでぜひともなりたい役職……らしい。
全部ショタ先生が配ってくれたプリントに書いている。
「ジュリアは立候補しないの?」
「ムリムリ、向いてないよ。」
ジュリオとは運が悪くて万年隣の席になっている。
「将来役に立つと思うけどなぁ。ここの生徒会に入ってたら職には困らないよ。」
「それは遠回しに私が結婚出来ないって言ってる?」
「いやいや、そんなことないよ。貰い手はきっとあるよ、ね、メルクリオ君?」
そして反対側の席はヤンキーイケメンに成長したメルクリオだ。くじ運なさすぎてびっくりする。
「はっ、知るかよ。」
「メルクリオ君は立候補しないの?」
「るっせ。」
私を挟んで絡まないで頂きたい。
「はーい、そこうるさいよ。立候補者はもういないね?じゃあこの中から投票にするから手をあげてねー。あ、自分にはあげちゃダメだからね。」
ショタ先生が黒板に立候補者の名前を書いていく。
レミジオ、セレナにメアリーも立候補している。
「あれ、ニーナも立候補したんだ。」
ニーナの名前も立候補者の末尾に書かれていた。
こういうのに興味があったんだ、意外だ。
投票が続き、一定数から安定のレミジオが代表になった。私も悩んだがレミジオに入れた。
副代表は僅差でセレナを抜いたメアリーになった。
ちなみに私はセレナに入れていたが、ニーナはメアリーに入れているのが見えた。
「じゃあ、改めて、僕に投票してくれた人はありがとう。そしてそれ以外の人は後悔させないから安心してくれ。」
代表に決まったレミジオが挨拶をする。
隣にはメアリーも立っている。
お似合いにみえるが、それのせいでセレナはメアリーを苛めていき、あまり良くない結果に繋がるのが本来の結末だ。
「さっそくだが、シャマリオ先生が配ったプリントに記載がある年間予定の通り、高等部の最初のイベントは隣国の学校との交換留学だ。」
しっかり目を通していなかったが、このイベントは記憶にある。隣国の人がメアリーにちょっかいを出して、セレナが『みんなに媚びを売って、この八方美人が!』と言うセリフだけは印象的だったので覚えていた。
この八方美人がって悪口なのかなと作者の使い方に疑問を持ち、スマホで調べたっけな。あー、スマホ懐かしいなぁ。
と頭の中で色々と脱線していると、交換留学に行く順番を決めるくじの時間がやってきた。
10人ずつ丸ごと交換して、2週間過ごして再度交換する。
つまり約1ヶ月隣国の人との交流がある形だ。
「はい、ジュリアも引いてね。」
可愛い天使のようなメアリーがくじを持ってきてくれたが、だから私のくじ運は悪いって言ってるじゃないか。
そう思ってくじを引いた。




