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成長期ってすごい。



月日は流れ桜が綺麗に花咲く頃、私は高等部へ進級した。


本来であれば、今からメアリーが転入してくるが物語は変わっており既に中等部からメアリーはいる。


レミジオがメアリーを好きになり、婚約者であるセレナからの苛めを乗り越え二人は結ばれる話だが今のところはその傾向は見えない。


そして悲惨な事件が二件起こっている。

ジュリオが言うには全て自殺で処理されているらしいが……



「よぉ、ジュリアまた気難しい顔してどうしたんだよ。教室入らないのか?」


噂をすればジュリオだ。チャラ感はそのままだが、中等部の頃に比べて背もかなり伸びて、女の子が声をかけられると喜ぶ顔になっている。


「別に、ジュリオが顔だけは良いなとオモイマシテ。」


「はっはー、俺はもう予約いっぱいだから誰か紹介してあげようか?」


「おい、邪魔なんだけど……入らねぇなら避けろよ。」


「あ、ごめん。」


慌ててドアの前を開けて道を譲る。

教室の前でジュリオに絡まれたせいで、ヤンキー風のイケメンに睨まれたじゃないか。


「あぁ、メルクリオ、ようやくこっちのクラスに戻ってこれたんだな。」


「めるくりお?え、どこに?」


メルクリオは中等部一年の時に同じクラスだったモブ顔ヤンキーのはずだ。


「るせーよ。」


「え、メルクリオ?」


このヤンキー風のイケメンが?確かに切れ長の目には面影があるけど、成長期良い方向に進みすぎじゃない?

私なんてほぼ変わらず、モブ道だけど。


いや確かに自分で数年前に書いたメモによるとこの高等部にはメアリーとのイベントがある男の子がいるはずだけどはレミジオとジュリオ、アルベルト。それと絡まれた時に助けてくれる男の子とレミジオの付き人みたいなのがいるようだけど……


え、メルクリオなんて名前だったっけ。割りと一番私好きだったんだけど。事実は小説より奇なりか。



「ジュリア!これからまた三年間よろしくね。」


メルクリオの件にショックを受けていると、メアリーに抱きつかれた。


メアリーも可愛さと美しさを併せ持つ美人に成長している。クラスのモブ男たちも夢中になっており、噂によるとメアリーを守る会があるとかないとか。


「あら、またメアリーが一緒なのね。そろそろ諦めてもいいのよ。」


私に抱きついているメアリーを睨みながら、セレナが話す。私を間に挟むのは止めてといつも言ってるじゃないか。


セレナも美しさと気高さが高まり、こちらもメアリーとは違う種類の美人だ。面倒見もいいのでどちらかというと女子に人気だ。

悪役令嬢っぽさはメアリーへの嫌味しかないが、それも日常茶飯事のことだしね。


「セレナこそ構って欲しそうなお友達はたくさんいるのだからそっちと遊んだら?ジュリアみたいな子はたくさんいるでしょう。」


「あなたの方が人気みたいよ、ジュリアと同じ一部でね。」


「二人とも取り敢えず全部私を攻撃してるから止めてくれる?」


怖いわ。私が完全に被弾してるじゃないか。


「いやいや、ジュリアは確かに人気あるよー、俺の情報は間違いないしね。」


また入ってきたのかジュリオ。


「セレナとメアリーに隠れてるけど、実は意外と普通に普通で可愛かったりするしね。」


「それ褒めてないだろ。」


ジュリオの足にキックをしていると、先生が入ってきた。

担任はショタ先生らしい。そういえば会うのはあの事件以来だ。見かけてはいたが、喋る機会もなかったし。


しかしショタ先生は年を取ったように見えないなぁ、同い年位にしか見えない。


「はーい、みんな席についてねー。シャマリオ 先生が来たよー。大事だからもう一回言うよ、シャマリオ 先生が来たよー。」


謎のアピールをしている姿を見ながら席に着く。


クラスメイトはほとんど中等部と変わらないが、成績によって変わるので一部の人は見たことない人も混じっている。


意外にモブ三人組もいないのかと思っていると、ニーナだけが席に座っているのが見えた。

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