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二度あることは三度ある。



「だ、誰かに光になるものを持ってないか!」


「持ってるわけねぇだろ。現地に行けばそういうのはあるだろ。」


「この暗さじゃ、その現地に行けないよ。」


せめて月明かりがあれば多少見えただろうが、自分の手さえ見えない暗さ、目を開けてるのか閉じてるのかすらわからなくなる。


「ジュリア、ジュリアの声が聞こえないぞ、ちゃんと近くにいるのか?」


「あ、います。大丈夫です。」


「良かった。とりあえずこの暗さでは動くのは危険だ、このまま朝日が登るのを待とう。」


レミジオの言葉に各々座ったり、寝転んだりする音だけが聞こえる。


私もその場で座り込む。何かいそうな暗闇、時折何かの動物が動く音に体が反応してしまう。


眠ればあっと言う間なのだろうが、中々気持ちが落ち着かない。


せめて背中に木でも当たれば安心するかと思い、手で地面を確認しながら少しずつ歩いていると、誰かの体にぶつかってしまった。


「あ、ごめんなさい。ちょっと背もたれになる木を……」


探してたんですっと続けようとしたが、腕を引っ張られ、そのままその人の膝に寝かされてしまった。


え、何この状況。どこのラブコメですか。


「えっと、その……?」


状況を訪ねるも、相手は答えてくれない。

ただ、私を安心させるように肩をポンポンとリズムよく叩いてくれる。


これ肩って所がポイント高いよね、頭ポンポンか良いって言うけど、それはイケメンに限るからね。


山を歩いて疲れたのもあり、こんな暗闇での人肌に安心したのもあり、私は眠ってしまっていた。



眩しさに目を開けると、朝日が出ていて辺りも明るくなっていた。


他の三人はもうすでに起きていたようで、私が起きるのを紳士的に待ってくれてたようだ。


「いったん、道を戻り現地に向かおうと思う。イージッタがすでにいるかもしれないし、このまま僕達で探して昨日のようになるかもしれないからね。」


「まぁ、それが無難だろうな。」


「先生に煙筒で伝えてもいいんじゃないですか?」


私たちが現地に合流出来なかった時点で、先生達が探してる可能性の方が高い。


評価とかにこだわっている場合ではないと思うし。


「うーん、まだ朝日は登ったばかりだ。自分達で行ける所までは行こう。」


何の爽やかだレミジオ。二人も特に反論もしないので、道に戻ることになった。


そういえば、昨日私と寝てくれたのは誰だったんだろう。

あ、寝てくれたってあれだからね。膝枕だから。と少し恥ずかしくなる。


無言で喋らなかったからアルベルトだろうか?

いや、爽やかなレミジオが気を使ってくれたけど、セレナ様に勘違いされないように何も言わなかったとか?


メルクリオ……はないな。


「何、人の顔を見てんだよ。」


「ないない。」


「あぁ?」


つい言葉に出てしまってた。どうにかごまかさないと殴られそうな勢いでメンチをつけられてる。


虫でもついてた事にするか。


「メルクリオの顔に……わっ、アルベルト、急に止まらないでよ。」


前を歩いてたアルベルトの背中に顔をぶつけた。


「ちょっと、アルベルトどうし……」


「見るな!」


振り返ったアルベルトが自分を盾にして私の視界を防ごうとしてくれたが、


一瞬、木に座り込んだイージッタの姿が見えた。




その姿はあの日のリタ姉様のようで





無言でレミジオが先生に助けを求める煙筒を使った。

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