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ガイコツって授業で使われてるのみたことない。



このままだと「先生とペアを組みましょう」となりかねない。適当に声をかけていくも、相手がタオルを持ってくる待ちばかりで玉砕していく。


「ジュリア……まだペアが決まってないなら私と組まない?」


天の声!振り替えるとモブAことニーナがいた。

ニーナはエリーザとソフィアと違い、直接私に何かしてくるイメージはない。


「こちらこそ、ぜひ組みましょう。」


「良かったわ、タオルはもうあるから結ぶわね。」


ニーナに結んで貰い、他の人達と遅れてスタートする。


「どうする?みんなが向かったグラウンドの方に行く?」


「うーん、確かに見晴らしの良いグラウンドに行くのは定番だけど……先生の人数と時間を考えたら、隠れつつ動いた方が逃げきれるかも。」


「なるほど、じゃあそうしましょう。」


二人三脚でいける限りの早さで適当な教室に入った。


「ここは、化学室みたいね。」


「ガイコツとか薬品とか、ちょっと暗いと不気味ね。電気はどこかしら。」


「いや、電気を付けたら誰かいるってすぐバレるでしょ!」


「そ、そうね。ジュリアはやっぱり頭が良いのね。」


教室の明るさだけでなく、ニーナの顔が暗い気がする。


「ニーナ、何かあった?」


「その……ジュリアは大丈夫?」


「え、何が?」


質問に質問のラリーが続く。


「セレナ様のこと……じゅ、ジュリアは特に同じクラスになったから気になって……」


セレナ様のこと?確かにメアリーとの仲はレミジオに見られたら気になる所ではあるけど、そうじゃない気がする。


「えっと、ごめん。話が見えないんだけど……」


「だからね、その……セレナ様ってジュリアの事を……」



キラッテルジャナイ



「え?」


嫌ってる?自惚れでなければ好かれてる自信があったのだけど。


「ほら、昔かお茶会の時もジュリアだけ話に入れなかったり、待ち合わせ場所を一人だけ伝えられてなかったり……」


え、話に入れてないのは私が単にこの世界に馴染めてないのかと思ってたんだけど。


「それに、ジュリアが殿下の事を好きだってみんな知ってたのに婚約者の申し出を公爵様におねだりしたり……」


あれって勝手に親が決めたって言ってなかったけ?


いや、全然私としてはノーダメージなんだけど……


「え、私、もしかしていじめられてたの?」


「気づいてなかったの?今日だって仲間外れにされてるじゃない。」


そうなの?


「エリーザとソフィアだって、本当は優しいのよ。でもセレナ様に逆らう方が怖いからって……」


「じゃあ、何でニーナは教えてくれるの?」


「そっそれは……ジュリアは昔から妹みたいに思ってたから……可哀想で、あんな事件もあったし……」


何か違和感を感じる。

今までだって学校以外でも会ってたのに、わざわざこのタイミングで言い出すのは何で。


ゆっくり足のタオルの結び目をとって、私はニーナと距離をとった。

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