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8話 ベテラン冒険者

あらすじ

こぶたに転生してしまった元人間のチョップは相棒の牛侍と共に、旅をしていた。広い森を抜け、草原に出たチョップ達はいかにもベテラン冒険者っぽい人に見つかった。






「なんで…こぶたと牛が?」


不思議そうに冒険者が近づいてきた。


「今日は焼肉だな」


ん?チョップ達は嫌な予感がした。

次の瞬間、男の目の色が変わり、猛ダッシュでこちらに走ってくる。男はすでに弓を引き絞っている。


2匹は察した。


「いかん、これ食べられる」


「ブヒブヒー!!モォ〜!!」


一斉に走りだす2匹。

獲物が逃げるのを見た男はさらにスピードを上げ、2匹を追いまわす。飛んでくる矢をギリギリ交わしながら、ダッシュで逃げて、逃げまくった。


岩陰に隠れ、水に飛び込み、さらには崖から飛び降りても、男は息を切らしながら追ってきた。

そして追いかけられて、1時間ほど経った頃


「ハァ…ハァ…」


「フガ…フガ…」


チョップ、牛侍、ベテラン冒険者っぽい男は草原で大の字に転がって空を見上げていた。


「な、なかなかタフな豚だな…」


「ブヒブヒ」


「お前もな」とチョップは言った。

2匹と1匹に絆が結ばれる。

そんな気がした。


「食べるのはやめだ。お前らに愛着が湧いちまったよ」


ベテラン風の冒険者は、そう言って体を起こした。


「俺の名はレガ、30過ぎて夢を諦めきれねぇおっさん冒険者だ」


「ブヒブヒ」「モォ〜」


俺はチョップだ。そしてこちらが牛侍。と前足で紹介した。


「不思議なもんだな」


とレガは言った。


「さっき追っている時も思ったんだが、お前らを見てるとまるで人間のように感情があるのかと思っちまうよ」


まぁ俺、元人間ですから。

チョップはそう思った。


それからは、レガの誘いで村に行くことになった。

少し心配だったが、「大丈夫、お前らを食わせるようなことはしねぇよ!」と言われた2匹は行くことを決心できたのだ。



チョップ達は村に着いた。

外観は古い建物ばかりの街だが、活気がありアットホームな雰囲気だ。村にある木の看板にアザ村と書いている。


「なかなかいい村だろ?」


レガは自慢げに自分のことを話してくれた。

レガは幼馴染とともに10代から冒険者をやっているらしい。

しかし冒険者も年には逆らえず、30を超えて自分達の成長に限界を感じたパーティーは解散することが決定したようなのだ。さらには


「今日が解散の日なん」


そう言って笑うレガの姿は、昔を思い出して笑うようにも。

諦めきれない自分の本心を隠すための表情にも見えた。


「今日、俺たちの解散を村の皆がおつかれってことでお祝いしてくれるんだ。良かったらお前たちも参加してくれよな」


「ブヒブヒ」


チョップは頷き、牛侍も行ってくれるようだ。


「なんとなくわかったぜ、ありがとよ!」


そう言ってレガはまた笑った。





日が落ちてきて、夕焼けが綺麗な時間になってきた。 

チョップは「この世界にも夕焼けがあるんだな」

そう思いながら解散のお祝い会場に入った。


「あら?今日のメインディッシュかい?」


そう言ったのはレガの仲間、ユキさんだ。

その後「冗談よ、あはは」と言いながら厨房に帰っていった。どうやらレガが自分達のことを事前伝えてくれたらしい。

襲われないことに感謝しつつパーティー会場に入っていく2匹は、すぐにレガを見つける事ができた。


「おぅ!来たか!」


そう言って手招きをするレガ。

それからベテラン冒険者達の最後の晩餐が始まった。 


しかし、その晩餐は、ある人物の悪意が爆発する事となる。

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