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異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
和国ヤマブキ・突入編
76/79

76話 新たなる手掛かり

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは門兵となんやかんやあって、和国ヤマブキへと入国したのだった!







「ここが、和国ヤマブキ!」


門を潜り抜けた先に広がっていたのは、幻想的で、少し怪しげな雰囲気を持った街並みだった。

提灯の赤い灯火、酒に酔った男が吐いた煙草の煙。街、住民、空気。その全てが妖しくも美しかった。


「ハハ、驚いたか。私もここを初めて見た時にはそれはもう感動…」


またもや、アルエの自分語りが始まった。

その横で下を向いているユンがいた。


「結局ジンは見つからなかったな」


チョップが声をかけた。


「うん、ここに来るまでに手掛かりが見つかればと思ったんだけど…」


ユンはため息を吐いた。チョップは少し考えて


「ジンもこの国を訪れたかもしれない。この国で聞き込みをしてみよう」


と言った。


「うん!!」


ユンはチョップの提案に力強く頷いたのだった。







チョップは、和国ヤマブキに来てから驚く事が多かった。その一つが住んでいる住民。

和国ヤマブキには、人族の他に獣人族と呼ばれる種族がいた。人の姿に耳や尻尾等、動物の特徴がある種族のようだ。

昔、うさ耳の少女エリアと会った事がある。

エリアは元気にしているだろうか?

そんな事を考えながら、チョップとその仲間達はジンの行方を追って、聞き込みを続けるのだった。







和国ヤマブキに着いて3日が経った。

未だにジンの手掛かりは掴めず、チョップは焦っていた。チョップはいつも通り、手当たり次第に声をかけていった。


「すいません、この様な人をご存知ありませんか?」


一人の獣人の少女に、ユンが手描きしたジンの肖像画を見せた。

長椅子に座っていた少女は少し驚いた様子で


「知らないです…」


と小さく話した。


「そっかぁ、ありがとう。急にごめんね!それじゃ」


「あ、あのっ!」


チョップは少女に引き止められた。


「ん?」


「あの…もう少しだけ…話していきませんか?」


チョップは「急いでいるから」と断ろうとした。

だが「少し話すくらいならいいか」と考え直し、少女の横に座った。


「あ、ありがとうございます」


「いや、ぜんぜん」


チョップと少女は特に会話する訳でも無くただ、座っていた。


「お、お名前はなんと言うのですか…?」


「俺はチョップ。君は?」


「私は、カエデです」


「カエデさんか、いい名前だ」


「はい、お気に入りの名前です」


カエデは美しい着物を纏っていた。かなり裕福な家なのだろうか。「お嬢様か…緊張するな」チョップがそんな事を考えていると


「チョップさんは、どうしてこの国に?」


カエデはチョップの服を見てそう言った。

どうやら服を見てこの国の者では無いと分かったらしい。


「ん?そうだなぁ。さっき見せた絵の男を探してるんだ。旅人みたいなものかな」


「旅人!それはどんな旅を!?」


カエデは旅の話に興味津々だった。

チョップは、これまでに挑んだダンジョンや、出会った仲間達の話をした。

カエデはその話を、一言一言聞き逃さない様に耳をぴょこぴょこと動かして聞いていた。


「こんな感じかな」


「すごい!すごいです!羨ましい…」


「カエデさんも旅をしてみるといいよ!とっても楽しいからさ!」


「…そうですね!いつか行ってみたいなぁ」


それからもチョップとカエデは話し合い、気がつくと夜も更けてきていた。


「あ、もうこんな時間か…」


チョップは空を見てそう言った。


「あ、ほんとだ。今日はありがとうございました!」


カエデはそう言って手を振り、人混みへと消えていった。チョップも手を振って仲間の元へと帰った。


チョップが戻ると、ゲルとユンが勢いよく走ってきてチョップを掴んだ。


「おわ!どうしたんだ!」


「チョップ!見つかったんだ!」


ゲルがチョップを揺らす。


「見つかったって、何が?」


「お父さんの手掛かりよ!」


「おぉー!」


ジンの手掛かりを掴んだチョップ達。

チョップの物語は良い方向へと向かっている様に思えた。












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