75話 門兵
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップはエゾンマ大森林を抜け、遂に和国ヤマブキへと降り立つのだった!
和国ヤマブキ。
そこは、人族と獣人族が共生する美しい国だ。
他の国とは異なる文化・考えを持ち、建築物や衣服等、独特の形をしていた。
「ハハ、着いたぞ。ここが和国ヤマブキだ」
「すげぇー!!」
チョップ達は和国ヤマブキの巨大な門を見て、驚きの声をあげた。
和国ヤマブキを守る巨大な門には、息を飲むような美しい装飾が施されていた。
色は金や赤で、この門だけでも相当な財がかかっている事がチョップ達にも分かった。
「そこの者!何奴だ!」
チョップ達は門の両脇にいた兵士に気づかれた。
声の調子から歓迎されてないように思える。
「ハハ、任せておけ。これでも私は顔が広いんでな」
そう言うとアルエが門兵に向かって歩き出した。
アルエが門兵と話し始めた。
そしておよそ5分後…
「うぅ、だめだった」
アルエが泣きながらチョップ達の元に帰ってきた。
泣いているアルエの肩をユンがぽんぽんと叩き慰める。
「私って嫌われてるのかも…」
「大丈夫ですから泣かないで下さい〜。涙が氷っちゃいますよ?」
「うぅ、そうだな」
アルエは涙をゴシゴシと拭いた。
「だが困ったな、このまま和国ヤマブキに入れないなんて事になったら…」
「ウホォ…」
ゲルの考えに白ゴリも考え込む。
「出来るか分からないけど、私が話してみる!」
そう言ってユンが門兵に向かって歩いて行く。
ユンが手を振り、門兵も軽く手を振り返した。
それから5分ほどユンと門兵は話し、ユンが帰ってきた。そして
「オッケーです!」
ユンは手で丸を作り、そう言った。
「おぉー!」
チョップ達はユンを称賛するのだった。
「いらっしゃい、和国ヤマブキへ」
「寒かったろうに、中で暖まってくれ」
門兵達は思っていたよりもずっと親切だった。
「ありがとうございます、ところで…」
チョップは何故アルエが話しかけた時にはダメだと言ったのかを聞いた。すると
「あぁ、何故かいきなり自分の武勇伝を聞かされましてね。怪しいと思ったのです」
チョップは「あぁ、そう言うことか」と納得した。
チョップは門を潜り、和国ヤマブキへと入国した。




