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異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
和国ヤマブキ・突入編
74/79

74話 野宿

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップはエゾンマ大森林で死にかけの女、アルエと出会う。アルエは、助けられたお礼に和国ヤマブキへと案内してくれるようで、チョップ達は和国ヤマブキに向かう事にしたのだった。






アルエに案内されてから、2日が経った。


「和国ヤマブキが近い、ハハ」byアルエ


チョップ達はこの言葉を疑い始めていた。しかしこのアルエという女は死ぬほど強かった。


2日間、何度もモンスターに襲われたがアルエが瞬殺していた。何体かのモンスターは、かなり強そうだったのだが、アルエは息をするようにモンスターを倒していく。


「ハハ、もうすぐ夜だ。今日も野宿するか!」


アルエの提案で、チョップ達は休む事にするのだった。








料理を作っているのはギラバスだ。

ゴンダス、ナマリン、チームと旅をしていた時にも料理を作っていたそうで、ギラバスの料理の腕は中々のものだった。


「今日は何を作ってくれるんだ?」


チョップが質問した。


「今日はさっきアルエさんが倒したホワイトベアをシチューにするんだ。今ゲルと白ゴリに近くに食べられる山菜が無いか見てもらってる」


「シチュー!楽しみだな〜」


「それにしてもアルエさん、あんた相当強いな」


ギラバスがアルエを見てそう言った。


「ハハ、呼び捨てでいいぞ。そんな事も無いさ」


アルエは圧倒的な力を持ちながら謙虚だった。残念な事に天然が入っているので締まらない。だが、そこが彼女の魅力とも言えた。


「ギラバスさんから見ても、アルエさんは強いんですか?」


「ん、あぁ。牛先生も強かったが、アルエ…の強さは異常だな」


「そうなんだ…!」


「ハハ、そんなに褒めるな。照れる」


「おぉーい!食えそうなもん手当たり次第取ってきたぜー!」「ウホー!」


ゲルと白ゴリが帰ってきたようだ。


「よし!シチューも仕上げに取り掛かるぞ!」


その日の夜。チョップ達は山菜たっぷりのシチューを満腹になるまで堪能したのだった。








その日の夜、チョップは夢を見た。

炎が燃え盛る森で、漆黒の雪が降り注ぎ、大事な灯りが一つずつ消えていく悪夢。その夢は、この前と同じ。真っ黒な髪の男が、真っ赤な髪の女を殺した所で終わった。


「眠れないのか」


「アルエ…」


「私で良かったら話を聞こうじゃないか、ハハ」


アルエはチョップの横に座った。


「悪夢を見るんだ。大切な何かを、次々に失っていく夢を」


「そうか」


アルエは少し考えてチョップに話しかけた。


「失うのは嫌か?」.


アルエの質問に何と答えるか考えるチョップ。


「もし…失うものが仲間だったり、大切な人だったら、嫌だな」


チョップはそう答えた。


「なるほど。ハハ、悪くない」


アルエはチョップの答えを聞いて立ち上がり


「なら守ればいい。お前が強くなって、大切な人の危機を必ず救えるように」


アルエの普段とはかけ離れた言葉に


「アルエに言われると、変な感じだな」


「ハハ、それはどういう意味だ?」


アルエは不満そうにそう言った。


「いや、なんでもない…」


チョップは慌てて今の言葉を訂正した。そして


「ありがとう、俺強くなるよ。大切な人を守れるくらいに」


と前を向いて言った。


「ハハ、その意気だ」


その日に見えた月は、雲から顔を出していて、清々しいほど綺麗に見えていた。







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