70話 占い
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップはギラルード王国に来ていた。そこで以前旅の途中で会った親子のユンと再会する。ユンの父親であるジンは殺害容疑で指名手配されていた。行方をくらませたジンを探すため、ユンが仲間に加わったのだった。
チョップ達はギラルード王国を拠点にして、牛侍やギラバスの仲間達が船でやって来るのを待ちつつ、ジンの手がかりを集め始めた。チョップ達は商人、冒険者、演奏家など様々な人に話しかけ、情報を集めた。しかし、ジンが何処にいるかは全く分からなかった。牛侍達とも合流出来ないまま、1ヶ月が経っていた。
チョップは宿屋の窓からギラルード王国の街並みを眺めていた。すると空から白い粒が舞い降りてきた。
「雪か…」
どうやら季節は冬を迎えていたらしい。雪がちらちらと降ってきていた。
「雪か…じゃねぇよ!ジンってやつの手がかりも全然だし、牛侍達も全然来ねぇままだ!」
ゲルが苛立ちながらそう言った。
「ごめん、私の問題に巻き込んじゃって…」
ユンが申し訳無さそうにしていた。
「仕方ないよ、でもこの雪が強くなると牛侍達が来るのは厳しそうだ」
「チーム…ナマリン…ゴンダス…」
ギラバスはパーティーの仲間を置いてギラルード王国に来ている。3人の事を考えてか、どこか元気が無かった。
「そういえば白ゴリは?」
「まだ聞き込みに行ってる、ったく寒いのによくやるぜ」
「そうか、じゃあ俺もそろそろ…」
チョップが立ち上がったその時、宿屋の扉が勢いよく開かれた。
「ウホー!!」
「どうしたんだ、白ゴリ先生。何か情報を掴んだのか?」
「ウホ!ウホ!」
ギラバスの質問に白ゴリは力強く頷いた。
「まじかよ!」
「白ゴリ、案内してくれ!」
「ウホー!!」
チョップがそう言うと白ゴリは走り出した。チョップ、ユン、ギラバス、ゲルもそれを追うのだった。
白ゴリが向かった先には、雪が降る中で1人佇む老婆がいた。占い師だろうか、地面には水晶玉が置いてある。
「あら、いらっしゃい。この白いゴリラちゃんのお友達かしら」
「ウホ!」
「なるほどねぇ、私はここで占いをやっている者さ。1度占うのに大銀貨1枚だけどやっていくかい?」
「高っ!?もうちょっと安くならない?お婆ちゃん」
ゲルが驚きの声をあげた。
「うーん、それじゃあ銀貨5枚でどうだい?」
「それなら出せるな!チョップ!」
ゲルがニコニコ顔で褒めて欲しそうに笑った。
「それでも高いけど…ではお願いします」
チョップは銀貨5枚を老婆に差し出した。
「ありがとう、チョップさん」
老婆は微笑んで銀貨を受け取った。
「さてと、それじゃあ何を占ってほしいんだい?」
「ジン・フェダムルスという男が何処にいるか、分かりますか?」
「あぁ、ちょっと待っててね」
ユンが聞くと、老婆は水晶玉に手を当てた。
そして、数十秒が経った。
「分かったよ、その人物はどうやらエゾンマ大森林にいるようだね」
老婆はそう話した。
「本当にぃ?」
ゲルが疑り深い目で見つめた。
「あぁ、水晶玉が教えてくれたのさ」
老婆は微笑んだ。
「エゾンマはここから北に進んだ場所に広がる地域だよ、地図だと…」
ユンは地図を取り出した。
「ここかな」
ユンは北に広がる木が広がっている場所を指さした。
「行く当てもないし、行ってみるか!」
ギラバスが拳を合わせた。
「ありがとうお婆ちゃん!行ってみるよ!」
チョップがそう手を振り走り出した。白ゴリもお辞儀をしてチョップの後を追い、ゲル、ギラバス、ユンも走って追いかけた。
「ありがとねぇ」
老婆はひらひらと手を振り5人を見送った。
「さてと、一応占ってみますか…」
老婆は水晶玉に手を当てた。この老婆、実はかなりの凄者で水晶玉から声を聞くことが出来る。的中率は百発百中だ。老婆が今占っているのはチョップの身の回りに危険がないかを調べるもの。
数十秒が経ち、老婆は手を離した。
「いけない…このままじゃ…」
老婆は冷や汗を流した。
「あの子の周りで3人が死ぬ…」
チョップに運命の魔の手が迫っていた。




