65話 昔話
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは牛侍、ゲルと共に人の姿を手に入れたのだった。
変身したものの、服を着ていなかったチョップ達。
鼻を伸ばした男性陣を牛侍がゲンコツで地面に埋めていった。どうやら牛侍の力は人の姿でも変わらないようだ。
「服は無いのか?変人」
「服だね〜!ちょっと待ってて…」
そう話した変人は3本の糸を取り出した。
変人は糸をチョップ、牛侍、ゲルに飛ばした。
すると、糸は光り始めてあっという間に3人の体に合う服へと変わった。
「おおお!これはすごい!」
「変人の力は便利だな〜!」
チョップが歓喜し、ゲルがそう話すと、
「便利だけど…あまり使いたくは無いかな」
変人は下を向いてそう言った。
「でも!君たちは特別!白ゴリもその図体じゃ不便でしょう?」
そう言うと、変人は白ゴリにも光を放った。
10m近くあった白ゴリの体は2mほどの一般的なサイズになった。
「ウホ!!」
「良かったですね!白ゴリさん!」
ギラバスが白ゴリを撫でると、白ゴリはギラバスを投げ飛ばした。こちらも力は変わらないようだ。
「ありがとう、助かったよ変人」
チョップが感謝をすると
「いえいえ!君たちは自分の力を証明して見せた!だからこそ、君たちに頼みたい事があるんだ」
と、変人は言ってきたのだ。
「頼みたい事?」
ギラバスがそう聞くと
「そこからは我も話そう」
突如、光の繭が現れた。現れたのは、かつてチョップと牛侍を助けた「龍人」だった。
「貴方はたしか…龍人ね」
「左様、そしてチョップよ。お前に詫びないといけない」
龍人はそう言うと、チョップの方を向いた。そして
「君と音楽家の3人を引き剥がしたのは、我なのだ」
「あぁ、それって紙切れのことか?切り株にあったやつ」
ゲルがそう言うと龍人は頷き
「あぁ、あれは我が置いた物…だが許せチョップよ。君には急ぎ変人と会い、人の姿を手に入れて欲しかったのだ」
「今この世界はとても危険な状態にあるんだよ」
この世界には昔、七人と呼ばれる強大な力を持つ冒険者がいた。その7名は龍人、変人、怪人、古人、闇人、旅人、巨人と呼ばれ、七人はその力を使い多くの人を助けていた。しかし怪人と巨人は七人を裏切る事になる。龍人、変人、古人を殺したのだ。
「殺しただって?じゃああんたらは…」
「話には続きがある」
怪人と巨人が裏切った事を知った旅人は七人の中でも最強と呼ばれる存在。怪人と巨人をディラストル大陸の西まで追い込んだのだ。怪人と巨人を後一歩の所まで追い込むと、旅人は突然姿を消した、と言うのだ。
「君たちには、旅人をディラストル大陸に向かい、龍人を見つけ出してほしいのだ」
龍人の言葉で話が終わった。
「ちょちょちょ!ちょっと待てよ!なんで俺たちがそんな面倒な事を!やる理由がねぇ!」
ゲルが声を荒げてそう言った。
すると龍人は目を細めて
「相手はすでにお前達を敵視しているぞ。ここに来る途中に襲われなかったのか?」
と言った。
「げぇ!あの黒い鎧も関係あったのかよ…!」
「別に私は構わないぞ、誰がかかってこようと負ける気がしない」
牛侍が鼻を鳴らした。
「お、俺たちも協力するぜ!なぁ皆!」
ギラバスの声に、ゴンダス、ナマリン、チームが賛同した。
「おいおいマジかよ…」
「ゲル、皆やる気みたいだぞ?」
チョップはゲルにそう話した。
「分かった…分かったよ!俺も協力してやらぁ!」
「ふふ、ありがとう」
変人が笑うとゲルは顔を赤らめていた。
「それじゃ、追っ手も来てる事だし貿易都市コーネルまで送っていくよ!じゃーねー!」
変人はそう言って笑うと、チョップ達全員を光で包みこんだ。光が消えると、チョップ達の姿は消えていた。
「追っ手がダンジョン内にも来ているようだ」
龍人が話すと
「うん、このダンジョンともお別れだね」
変人は壁を触った。すると壁がボロボロと崩れ落ちていく。
「私たちも出ようか」
「あぁ」
変人、龍人は崩れ落ちるダンジョンを通り抜けて、その場を後にした。
トライアングルダンジョンは今日。地面に埋もれ無くなったのだった。




