62話 人の姿へ
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは相棒の牛侍、元人間のモンスター、ゲルと共に変人の祝福を受けて人の姿を手に入れようとしていた。しかしチョップは変人の「あ、やべ…」と言う言葉を聞いてしまい、心配しながら変化を迎えるのだった。
「お、終わったわよ…」
変人の自信無さげな声が辺りに響いた。
まず最初に光から現れたのは牛侍。
真紅の長髪、同じように赤い眼、頭には牛の頃の名残か小さな角が生えていた。スタイルも良くとても美しい女性へと変わっていた。
「おぉー!!」
鼻を伸ばす男性陣。
「中々良いじゃないか」
牛侍から発せられた声は、先ほどよりも透き通っていた。
「次が心配なんだけど…」
変人は落ち着かない様子で、残っている2つの光を見つめていた。
「よっし変身完了!って…何じゃこりゃああ!?」
次に出てきたのはゲルだ。
黒い短髪に紫色の眼、スラッと伸びた身長。体にはスライムの名残かチラホラとスライムの部分が見えた。
「これ!チョップが描いた方じゃねぇかああ!」
「うるさいなぁ…ってなんだこれ!?」
最後に出てきたのはチョップ。
桃色の長髪に、大きく茶色の眼。こぶたの耳がピョコッて生えていた。いかにも美少女という見た目で男性陣は涙を流して喜んだ。
「おいいい!変人!これはどういうことだぁ!?俺の描いた絵がチョップになってんじゃねぇかあ!」
「い、いやぁ〜…これは不慮の事故と言いますか…2人の描いた絵を間違えて再現してしまったと言うかぁ…」
「も・ど・せ!今すぐ俺を美少女にしろぉ!」
「む、無理ですよ〜!一度姿を手に入れちゃったら最後までその姿ですって〜」
涙を流しながらを変人を揺らすゲル。
「まぁ、仕方ないじゃないか。イケてると思うぞ!」
牛侍がゲルに肩を回す。
「そ、そうだよ〜!ゲルかっこいー」
チョップも肩を回した。
「そう…そうか?それならまぁ納得しないでおく事も無いか…」
変人もゲルの肩を揉み
「うんうん!この事は綺麗サッパリ忘れて…」
「忘れる訳無いだろうがああ!!」
ゲルが変人をぶっ飛ばしたのだった。
「ん?白ゴリ。どうしたんだ?」
牛侍が手で眼を隠しているのを、気になった牛侍が質問した。
すると、白ゴリは牛侍とチョップ、ゲルの体を指さした。
3匹は自分の体を見る。
スッポッポーン…
「いやーん!!!」
3匹の哀れな声がこだましたのだった…。




