59話 宝箱の祝福
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは戦いの末に傷ついていた。そんなチョップを助けるためにコウタ、金髪ルーキーとその仲間達はトライアングルダンジョンに挑むのだった。
第一の試練をクリアした金髪ルーキーのギラバス達。嬉しいことにゴーレムが崩れた場所には宝箱が置かれていた。
「た、宝だ!」
「おー!やったのねん!」
ゴンダスとナマリンが宝箱に飛びついた。
「宝箱からモンスターが出てきたりして…」
「それは無いだろう。宝を見るのは初めてだが、モンスターを倒した報酬といったところだろうよ」
コウタとチームも近づいていく。
「さてさて、お宝の正体は〜?」
ギラバスが宝箱に手をかけると、宝箱から眩い光が溢れ出した。どうやらコウタの心配は杞憂に終わったようだ。
ギラバスは宝箱に自らの手を突っこみ、何かを取り出した。
「これは…杖か?」
「おぉ〜!何だか凄そうなのねん!」
「杖か…それならば」
ゴンダスがチームをつついた。
「うん、俺が使おう」
ギラバスはチームに杖を渡した。
チームが杖を手に持つと、新たな主人を見定めるように杖が淡く光り、やがて収まった。
「どうやら、杖に認められたらしい」
チームは杖から伝わった情報を、仲間達に教えた。
妖精の守護杖
効果・回復力upレベルII
妖精の祝福(回復魔法)
特殊効果・死抗い(回数制限・1)
「すごいじゃねぇか!回復魔法に回復力up!Ⅱ、どこの武器屋でも見たことない高性能だ!」
「あぁ、だが俺に使いこなせるだろうか」
「大丈夫、俺たちゃ牛先生に散々しごかれたんだ」
「そうなのねん!チームに僕たちの守護は任せたよん!」
「おいおい、守護者は俺だぜ?ガハハハハ!」
そう言ってコウタを含めた4人は笑った。
チームも少しだけ笑い、ナマリンの言った言葉を受けて
『仲間は、私が必ず守る…!』
と気持ちを引き締めたのだった。
その後も、牛侍に鍛えられたギラバス、ゴンダス、ナマリン、チームはダンジョンに苦しみながらも、なんとか進みコウタも4人について行った。ゴンダスが傷を負った時も、チームが授かった魔法、妖精の祝福を使い傷を癒すことが出来た。
そしてついに、5人は3日をかけてトライアングルダンジョンの攻略に成功した。
「遅かったじゃない?待ちくたびれたわよ」
「ウホッ!」
牛侍と白ゴリは半日でダンジョンをクリアしていたようで、巨大な空間で寝っ転がっていた。
「これでも頑張ったんですよぉ!」
ギラバスは2匹には頭が上がらないようだ。
牛侍は眠ったままのチョップを見ると
「待ってなさい、今度は私があなたを助けるわ…」
と呟いた。
「いや〜!本当にクリアしちゃうなんて!びっくりですよ〜!」
だだっ広い空間に、陽気な少女の声が響き渡った。姿は見えないが、変人のご登場だ。
「どっちのダンジョンも攻略したわよ。さぁチョップを治」
「慌てない慌てな〜い!まだまだ戦い足りないでしょう?特にそこのでっかい牛!」
「な…」
牛侍は見抜かれたのか!?と驚いたように声を出した。
「大丈夫、ちゃんと治すわ…そこのスライムも一緒にね。でも…まだ」
「…足りない!貴方達がこの変人の技を受けるに値するか…まだまだ足りないのよ!」
「だったらどうしろって言うんだ!」
ギラバスが叫ぶ。その問いへの答えは怖いほどに透き通る声。
「証明なさい。私を倒して、力づくで技を奪って見せなさい」
いつ現れたのか分からない光の繭。その繭が輝き出し、割れて中から現れたのは白い巨体に金の髭を蓄えた竜。
「出し惜しみは許さない。殺す気で…来い!」
「面白いね…本気で行くよ!あんたたち!」
「ウホッ!!」「まじかよ…」「いくぜぇ!」「やってやるのん!」「あぁ」「おー!」
牛侍の声に、1匹と5人全員が応じた。
竜…いや、変人は舞い上がる。
「我は七人が一人。変人。汝らの変わらぬ信念を示せ」
チョップとゲルを救うため、戦いが始まる!




