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異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
トライアングルダンジョン編
58/79

58話 悪夢

あらすじ

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは戦いの末に、謎の黒い鎧の襲撃に遭い、傷ついていた。チョップは意識を失っていたが、その時見たくも無い夢を見たそうだ。この話はチョップが見た夢の記憶だ。





いつから走っているんだ…。


………


みんなはどこだ…。


………


ここは何処なんだ…。







58話 悪夢







燃え盛る森林。立ち昇る黒煙。響き渡る絶叫。降り注ぐ黒の雪。

そんな景色に目を止めるわけでも無く、唯走っていた。おぼつかない2本の足で、大きく振る2本の腕で。失いたくない何かを、必死に守ろうとするように。


1つまた1つと灯りが消える様な気がした。その感覚が嫌で、堪らないほどに怖くて。


「!」


何かに気づいたのか声をあげた。

それを抱えあげ、もう一度地面に置いた。


「*」


何者かに声をかけられてまた走り出す。

すると、また立ち止まった。


「…か」「…」


何と言っているか分からないが、聞き取れる言葉もあった。しばらくしてまた走り出す。

少しずつ、視界がはっきりとしてきた。足元には弓や盾が無造作に置かれている。

先ほどより聞き取れる声が聞こえた。


「お…で…う…い」


その言葉に驚き、また走り出す。

走るにつれ、視界も完全に良くなってきた。

この夢もそろそろ終わりだろうか。

そう思っていると、目の前の丘に2つの人影が見えた。

1人は黒色の髪を束ねた男。

もう1人は紅い瞳が美しい女。

女はこちらに気づいてほんの少し、笑みを浮かべ、


「…遅いよ」


と言った。男が剣を振り下ろし、女の体から血が吹き出して、悪夢は終わった。






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