57話 第一の試練
あらすじ
異世界に転生した元人間のこぶた、チョップと元人間のモンスター、ゲルは戦いの末に傷ついていた。かつてチョップを馬鹿にして、戦闘になったこともある金髪ルーキー、ギラバスとその仲間達。そしてモーモウ村のぽっちゃりとした少年、コウタはトライアングルダンジョンの攻略を開始したのだった。
トライアングルダンジョンへと続く扉を開けたギラバス達。初めてのダンジョン、警戒をしながら薄暗い1本道を歩いていく。皆が緊張して声を発さない中、1人の男がまぬけな声をあげる。
「ダンジョンなんてほんとにあるんですねぇ〜」
その声には緊張感が無く、ピリピリした空気が無くなった。
「おいらも始めてだよん!」
ナマリンが釣られて訛っている声を出した。
「ナマリンさんもですかぁ」
「うん!おいら達はそこまで強くないから、ダンジョンに来るなんて考えた事も無かったよん」
「へぇ〜」
「お前たち!少しは緊張感と言うものをなぁ!」
ギラバスが気の抜けた会話に痺れを切らして話に割って入った。
「そうだぞ、ここはダンジョンだ」
チームもギラバスに続いて注意をした。が
「あれ?チームさんの声、女の子みたいに高いんですねぇ〜」
コウタがチームの声を聞いてそう話した。
「な…!?」
突如放たれた爆弾発言に、チームは口を押さえた。
「ばかやろー、そんな訳無いだろ?ここまで旅してきてそれに気づかないほどアホじゃねぇよ」
ギラバスはやれやれと言った感じでコウタに話した。
「それもそうですねぇ」
コウタもその言葉に納得し、チームの秘密は守られたのだった。
「ガハハハ!そんな話もここまでのようだぜ」
一番前を歩いているゴンダスが1本道の先にある、開けた空間を見てそう話した。
「ダンジョンはここからって訳か!」
「緊張するのねん!」
ギラバス達は開けた空間に出た。
円形の岩で出来た地面、その周りには先が見えないほど深い溝で覆われていた。
一度落ちたら二度と帰って来れないだろう。
そして地面には、巨大な石がまとまって転がっていた。
「聞いたことあるぜ、ダンジョンと言えば…」
巨大な石は、全員が円形のフィールドに入った途端、ガラガラと組み立てられていく。石は体、頭、手、足を作り上げていく。
「ゴーレムだよな!」
「ゴアアアア!!!!」
ダンジョンの守り手、ゴーレム。
対ゴーレム戦の幕開けだ。
「よし!いつもの頼む!」
「おう!」
ギラバスが前、ゴンダス、ナマリン、チームが後ろに立ち、3人が詠唱を始める。
「アースプロテクトⅡ!」「大自然!」「アタッカーソード!」
3人の詠唱が同時に終わり、ギラバスに身体能力向上のバフがかけられる。3人の魔法は、牛侍と稽古をした事により力を増し、効果を上げていた。ギラバスは地面を力強く蹴りゴーレムに向かって一直線に飛んでいく。ギラバスは必死に稽古をし、身につけた初めての技を繰り出した。
「刈壊」
高まった身体能力で対象を乱れ切るその技は、ゴーレムの命を刈り取った。
「よっしゃあああ!」
汚い手を使わずに格上の敵を倒した。その事実が嬉しくてギラバスは叫んでしまった。後ろでは同じく喜ぶ3人の仲間達。第一の試練はあっという間に攻略されたのだった。




