51話 とっておき
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは元人間のモンスターゲルと出会う。2匹は黒い鎧から逃げるために村を走り森へと向かった。しかし後一歩の所で追いつかれ、戦闘になるのだった。
チョップは放たれる矢を小刀・闇雲で打ち落とし続ける。チョップは傷だらけになりながらダマイモンの斬撃を受け続け、まさにボロボロになっていた。
「早くくたばれ豚がぁ!」
「死ね!死ね!」
黒い鎧から罵声が浴びせられる。しかしチョップは倒れなかった。希望はすでにゲルに託していたから。
「いい加減倒れやがれ!」
ダマイモンの衝撃波がチョップを吹き飛ばした。
チョップは地面に叩きつけられ、動けなくなってしまった。
「ゲル…」
「おう…待たせたな!とっておきを見せてやるぜぇ!!!」
チョップが力を使い果たすと同時に、ゲルのとっておきの準備が整った。
「お前ら全員まとめて…痺れろやぁ!」
ゲルは体の中で作り出した毒を一斉にまき散らした。その技の名を撒毒液体。
辺りは毒に包まれ、黒い鎧達は次々に倒れていった。
ゲルはその隙に倒れたチョップを担ぎ上げ森の中へと走った。しかし倒れていない者がゲルの他に一人いた。ダマイモンは息を切らしながらゲルに向かって魔法、死炎を放った。
「な、なんだこの炎!消えねぇ!!」
ゲルはチョップを手から離した。
次の瞬間、ゲルは炎に包まれて消えた。
「ざまぁ…みろ」
ダマイモンはそう言って倒れた。
次第にゲルの毒も消えていき、そこに一つの人影が現れた。
少しぽっちゃりとしたその人影は、こぶたとスライム状の小さな何かを持った。
そして森の中へと、姿を消した。




