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49話 黒い鎧

あらすじ

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは元人間で今はモンスターのゲル、モーモウ村の少年コウタと出会う。3人はモーモウ村のボロ小屋で、夜遅くまで語り合い眠りについたのだった。






次の朝


空が明るくなり始め、小鳥が鳴く声が優しく耳に入ってくる。チョップは体を起こしてめいっぱい伸びをした。


「気持ちのいい朝だ」


チョップは久々の休息を満喫していた。思えばこの世界に転生して次から次へと災難に襲われたチョップ。これまでの旅を振り返り、チョップは自分が異世界にいるんだと改めて実感した。ゲルを軽く叩いて起こすと


「なんだよ…いい夢見てたのに!」


と起こされて不機嫌そうだ。

2匹は近くを流れる川に向かった。そこで顔を洗いついでに体も洗った。ゲルの体はスライムなので溶けて流されるんじゃないかと心配もしたが、大丈夫なようだ。


2匹はそのまま静かなモーモウ村を眺めながら、コウタの家へと向かった。家に着き、軽くトントンとノックをするチョップ。しかし反応が無い。


「あれ、いないのかな」


もう一度ノックをするが、まるで人がいないかのように静かだった。


「なぁ、チョップ。今日はやけに静かすぎねぇか?」


「言われてみれば…」


今日の村はとても静かで、村には人の姿が見えなかった。


「嫌な予感がするぜ…」


ゲルは顔をしかめてそう話した。

仕方なくボロ小屋に戻ることにしたチョップとゲル。何をするわけでも無く話していると、何か動物の足音が遠くから聞こえてきた。


「なんだ?」


チョップはボロ小屋の欠けた壁穴から様子を見てみると、黒い鎧を纏った人々が悪魔のような角が生えた馬に乗りこちらに向かっていた。


「まずい!」


「な、なんだ!?」


ボロ小屋の藁で遊んでいるゲルを掴み、チョップは走り出す。出来るだけ遠くに。黒い鎧に見つからないように。チョップの本能が叫んでいた。あれは危険だ、と。






「目標を捕捉。指示を」


黒い鎧が走り去る豚とスライムを双眼鏡で見つけていた。


「殺せ、それが主人の命令だ」


「ハッ!!」


一人の男の命令に、全ての黒い鎧が了解の意を示した。他の鎧より、一際大きく光沢を放つ鎧を纏った男。その名をダマイモン。

ダマイモン、黒い鎧。

彼らは一体何者なのか。

何故チョップを襲うのか。

こぶたとモンスターはそれが分からなくても、ただ逃げるしかなかった。

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