47話 コウタという少年
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは涙の洞窟で元人間のモンスター、ゲルと出会う。2匹は仲間が残したと思われる紙切れを頼りに旅を続けていた。草むらを歩いているとぽっちゃりとした少年が、蝿型のモンスターに襲われている真っ最中だった。
チョップは小刀を高速で振り下ろし、止めた。
衝撃波がモンスターを襲い、追い払うことに成功した。チョップの衝撃波は一つの技と呼べるほどに威力が上がっていた。チョップは技の名を畳刃と名付けた。
「た、助けてくれてありがとう、僕はコウタ」
「俺はチョップ、こっちはゲルだ」
「おっす!」
「うん?なんでモンスターが話してるんだろう…?」
コウタは少し考える仕草をして
「ま、いっか。良かったら僕の住んでる村においでよ!助けてくれたお礼をしたいんだ!」
と提案してきたのだった。
2匹とコウタは近くにあるという村に立ち寄るために道を歩いていた。
「えっ!君たち人間だったの?驚いたなぁ」
「元の世界で死んでしまって気づいたらこの姿だったんだ」
「へぇ、それなら変人様の元へ行くといいかもねぇ」
「変人様?」
「うん、変人様っていうのはね」
それからコウタは話をしてくれた。
変人様はあらゆる物の姿を変えられるという人間では無い神に近い存在だという。そしてコウタが住んでいる村から更に進んだ場所には変人様を模したお地蔵様があると言うのだ。
「そのお地蔵様には面白い言い伝えがあってねぇ」
「言い伝え?」
「一人の勇敢な青年、1頭の魔物を携え此処訪れる時新たなる道開かれよう、おばあちゃんがよく話してくれたんだ」
「へぇ、もしかしたら俺たちの事じゃないかって思ったけど、1頭なら違うな!」
ゲルがそう言うと
「僕は勇敢な青年でもないしねぇ」
「さっきも小さなモンスターに追われてたもんな!」
「言わないでよぉ…」
ゲルがコウタをからかっていた。
それでもコウタは、ゲルに対して心を開いてるようでしつこく話すゲルを叩いたりしていた。
「仲がいいなぁ」
チョップはゲルとコウタを見てそう思った。
それからも歩き続け、チョップ、ゲル、コウタはモーモウ村へと着いた。
畑ですくすくと育つ野菜や小麦。
広大な大地を満遍なく使っているモーモウ村の奥には、どこか懐かしい牧場もあった。「入らなくていいのか?」とゲルに言われ、無言でゲルの体をけるチョップ。
「いってぇな!?」
驚いた表情のゲル。そんな2匹を見て村の建物の隅では農具を構え、顔面蒼白の村人達がいた。
「逃げなさい!コウタ!」
泣き叫ぶ女性を男性が必死に抑えている。
「あ、おとーさんおかーさん」
泣き叫ぶコウタの両親に笑顔で手を振るコウタの姿が印象的だった。




