42話 新しい仲間
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは涙の洞窟で1匹のモンスターと出会う。モンスターを倒すことを辞め洞窟を去ろうとした時、モンスターに引き止められる。驚くことに、龍の杖が当たったモンスターは言葉を話しはじめたのだった。
「俺を…あんたの仲間にしてくれぇぇ…!!!」
「モンスターが喋った!?」
チョップは自分の事など忘れ、驚いたのだった。
洞窟の少し開けた場所に戻ってきたチョップとモンスター。チョップは何故言葉を話せるのかをモンスターに聞いてみた。
「俺はこの洞窟に住んでるスライム…のような者だ。何故言葉が話せるかは、俺が昔人間だったからなんだ」
「お前もそうなのか!?」
「お前もってことは…あんたも人間なのか?」
チョップは、どうやってこの世界に転生したか、何故言葉が話せるかなどをモンスターに伝えた。
「そうだったのか…お前も災難だったな」
モンスターはチョップの肩を叩いた。凄くドロドロしているが、モンスターの気持ちが伝わりチョップは次第に心を開くようになっていった。
それから、この世界に来てからの旅をモンスターに話した。
モンスターはある人物について興味を持ったようだった。
「龍人…そいつはどんな姿だった!?」
「あの時は龍人からの光が眩しくてよく見えなかったけど」
「そうか…」
「龍人がどうかしたのか?」
チョップが聞くと、モンスターは嬉しそうに話しはじめた。
もう何年も前のこと。モンスターが涙の洞窟にいた時、狼が洞窟を奪おうとしてきたそうだ。追い返しはしたものの、その時にかなりのダメージを受けたらしい。
このまま死ぬかもしれない。モンスターはそう思ったが光を纏った女に助けられたと言う。
「龍人は傷を癒してくれたんだろ?何か関係があるのかと思ってな」
そう言ってモンスターは話を続ける。
「俺はあの人に会ってちゃんと礼がしたい。あの人は俺に名前もくれた…!恩人なんだ!」
「なぁ、チョップ!俺もその旅とやらに同行させてくれ!」
チョップは少し考えた。
ファイアやボス、カエンは分かってくれるだろうか…と。
だがチョップはモンスターの事をとても気に入った。仲間達もきっと分かってくれるだろう。だからこそ
「分かった!歓迎するぜ!えーっと名前は…」
「俺はゲル!よろしくなチョップ!」
新たな仲間「ゲル」を歓迎したのだった。
ミニストーリー
逃げる親子
11話にてチョップ達と出会った親子、ジンとユンは逃亡生活を送っていた。34話にて襲ってきた冒険者を斬り伏せ、今は名もない森で野宿をしていた。
「お父さん、ご飯出来たよ!」
「あぁ、ありがとう」
ユンが食べられる植物を水に入れ、温めたスープをジンに渡しながらそう言った。
ジンは嬉しそうに受け取るが、目の奥には以前のような光は無かった。
ユンはそんな父、ジンを元気づけようと話しかける。
「お父さんと一緒なら寂しくないね!」
「あぁ、そうだな」
「気にすることないよ!逃亡生活になったのも冒険者達が、少しの傷を大げさに話したからでしょ?お父さんは悪くないよ」
「あぁ、ありがとう」
「お父さんは…」
ユンがそう言いかけた時、ジンは立ち上がり剣を取った。
「何者だ」
ジンが木の陰に向かって話すと一人の男が出てきた。
「そう構えないでください。怪しいものではございません、むしろ貴方達にチャンスを与えようかと」
男は君の悪い笑顔で話し始めた。
「チャンス…だと?」
「えぇ、貴方達の大切な家族を奪った者達に復讐をする」
「チャンスです」
男は興味があるなら来い、と手招きをした。
「お父さん、あの人怪しいよ…付いて行ったら…」
「ユン、少しここで待っていなさい。ここから離れたらダメだよ?」
ジンはユンに笑顔を見せてから、男が消えた森の奥へと姿を消した。
だがユンは安心出来なかった。
見てしまったのだ。
ジンの笑顔の後に見せた目が、
希望への光ではなく
復讐の炎に輝いていたことを。




