30話 ギルドで演奏
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは売れないミュージシャン、ファイアと出会う。チョップは逸れた仲間を探すために、ファイアと共にミュージシャンとして旅をすることになった。
「昨日飛び込みで申し込んだ新人バンドの登場でーす!その名は〜」
チョップの心臓がバクバクと動く。
ファイアは花屋の店員から貰った花を髪飾りにしていた。
「ファイア&チョップー!」
自分達の出番がついに来たのだ。会場のボルテージが上がっていく。先程演奏した人たちのおかげだろう。その演奏者たちはすれ違い様に「頑張って」と声をかけてくれた。
「行くよ!チョップ!!」
「あ、あぁ!」
2人は、手を繋いでステージに駆け上がった。
チョップはステージに立って、辺りを見渡した。
ギルドの中は大勢の人でごった返している。
観客は突然出てきたこぶたに少し驚き、ざわめいていた。
「っ!思ったより多い・・・」
チョップは小声でファイアに話しかけた。
「大丈夫…!大丈夫…!」
ファイアは緊張で震えていた。
「そのとおり大丈夫!思いっきりかましてやろう!」
チョップはマカラスを振って話しかけた。
ファイアはチョップを見つめ、
「うん!」
と、頷く。
「聞いてください!!」
観客がファイアの声を聞いて、ステージに注目する。
2人の演奏が始まった。
パチ……パチ。
ちらほらと拍手が聞こえる。
「あ、ありがとうございました〜、どうぞこちらへ〜…」
声の張り方がガクッと下がっているギルドの受付に案内されて、チョップとファイアはステージを降りた。
ギルドでの初演奏
一言で言うならば、大失敗だった。
ファイアは心を込めて一生懸命歌い、チョップはそれをサポートするようにマカラスを振った。
しかし、観客の反応は残念ながら良くなかった。
演奏を終えた後、ちらほらと拍手をしてくれた人がいた。とても嬉しいが、心には響いてなかったようだ。
「ま、またのお越しをお待ちしてま〜す!」
ギルドの受付は苦笑いで送ってくれた。
2人は、トボトボと帰路に着いたのだった。
「何が…足りないのかな…」
ファイアがギルドからの道を引き返す途中でそう言った。
「足りないことが多すぎて、わかんないよ…」
「そうだな。いや・・・ごめん」
2人はまた無言で歩き始める。
だんだんと日が暮れ始めた時
「やっぱり私、才能無いんだろうな…」
ファイアが立ち止まった。
「もう辞めちゃおうかな…」
チョップは胸が締め付けられた。
「そ、そんなこと無いよ!ファイアの歌には心がこもってるんだ!」
チョップはファイアを励ますが、ファイアは少しだけ笑って
「ありがとう」
と言うだけだった。
「何を…しょぼくれているのですか?」
2人の後ろから声が聞こえた。
ファイアが後ろを振り向くと、一人のご老人が佇んでいた。
「しょぼくれる必要なんて無いですよ?」
ご老人は不敵に笑った。
その時のご老人の目は、怖いほどに輝いていた。
遅れました!申し訳無いです!
最近忙しいです!w




