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異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
流離いのミュージシャン編
30/79

30話 ギルドで演奏



あらすじ

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは売れないミュージシャン、ファイアと出会う。チョップは逸れた仲間を探すために、ファイアと共にミュージシャンとして旅をすることになった。







「昨日飛び込みで申し込んだ新人バンドの登場でーす!その名は〜」


チョップの心臓がバクバクと動く。


ファイアは花屋の店員から貰った花を髪飾りにしていた。


「ファイア&チョップー!」


自分達の出番がついに来たのだ。会場のボルテージが上がっていく。先程演奏した人たちのおかげだろう。その演奏者たちはすれ違い様に「頑張って」と声をかけてくれた。


「行くよ!チョップ!!」


「あ、あぁ!」


2人は、手を繋いでステージに駆け上がった。






チョップはステージに立って、辺りを見渡した。

ギルドの中は大勢の人でごった返している。

観客は突然出てきたこぶたに少し驚き、ざわめいていた。


「っ!思ったより多い・・・」


チョップは小声でファイアに話しかけた。


「大丈夫…!大丈夫…!」


ファイアは緊張で震えていた。


「そのとおり大丈夫!思いっきりかましてやろう!」


チョップはマカラスを振って話しかけた。

ファイアはチョップを見つめ、


「うん!」


と、頷く。


「聞いてください!!」


観客がファイアの声を聞いて、ステージに注目する。


2人の演奏が始まった。







パチ……パチ。


ちらほらと拍手が聞こえる。


「あ、ありがとうございました〜、どうぞこちらへ〜…」


声の張り方がガクッと下がっているギルドの受付に案内されて、チョップとファイアはステージを降りた。


ギルドでの初演奏

一言で言うならば、大失敗だった。


ファイアは心を込めて一生懸命歌い、チョップはそれをサポートするようにマカラスを振った。

しかし、観客の反応は残念ながら良くなかった。

演奏を終えた後、ちらほらと拍手をしてくれた人がいた。とても嬉しいが、心には響いてなかったようだ。


「ま、またのお越しをお待ちしてま〜す!」


ギルドの受付は苦笑いで送ってくれた。

2人は、トボトボと帰路に着いたのだった。






「何が…足りないのかな…」


ファイアがギルドからの道を引き返す途中でそう言った。


「足りないことが多すぎて、わかんないよ…」


「そうだな。いや・・・ごめん」


2人はまた無言で歩き始める。

だんだんと日が暮れ始めた時


「やっぱり私、才能無いんだろうな…」


ファイアが立ち止まった。


「もう辞めちゃおうかな…」


チョップは胸が締め付けられた。


「そ、そんなこと無いよ!ファイアの歌には心がこもってるんだ!」


チョップはファイアを励ますが、ファイアは少しだけ笑って


「ありがとう」


と言うだけだった。




「何を…しょぼくれているのですか?」


2人の後ろから声が聞こえた。


ファイアが後ろを振り向くと、一人のご老人が佇んでいた。


「しょぼくれる必要なんて無いですよ?」


ご老人は不敵に笑った。

その時のご老人の目は、怖いほどに輝いていた。













遅れました!申し訳無いです!

最近忙しいです!w

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