23話 決着
あらすじ
異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは相棒の牛侍、ベテラン冒険者のレガと共に旅を続けていた。道中、言葉を手に入れたチョップと牛侍。一行は村の遭難した若者を助けるためにダンジョンへと向かったが、あり地獄によって閉じ込められてしまう。ダンジョンから脱出するために、最下層に住むボス、クイーンアントライオンに戦いを挑むのだった。
牛侍
「後は私に任せて、少し休憩してなさい」
牛侍はレガにそう語りかけ、レガを破壊した強敵クイーンアントライオンを睨みつける。
牛侍
「ただじゃ済まさないわよ!」
そう言い放ち、クイーンに突進をかます牛侍。
クイーンは突進を受けて、後方に向かってぶっ飛ばされた。
その後も牛侍はシンプルに突進をかまし続ける。
トギロ
「なんなんだあいつは、化け物じゃねぇか・・・。これじゃあ脱出なんて・・・」
牛侍を、目が飛び出るほどに凝視するトギロが呟いた。それを見て
「大丈夫、牛侍は俺の友達だ!」
チョップは誇らしげに、そう叫んだのである。
クイーンアントライオンは混乱していた。突如現れた巨大な牛。
その体から放たれる強烈な突進にクイーンの体はもうぼろぼろだった。
一方、相手の牛は息1つ切らしていない。
クイーンアントライオンはひさしぶりに現れた最強の「敵」に対して、奥の手を使うことにした。
「ギリギリヤァア!」
攻撃を受け続けていたクイーンが、突如鳴き叫んだ。
牛侍はそれに驚き、一瞬攻撃をやめてしまう。
その隙を突いてクイーンは動かなくなった。倒したのか…?そう思ったがクイーンの体がパリパリと割れていく。クイーンは脱皮を開始した。
クイーンアントライオンはダンジョンを守るため、強さを貪欲に追い求めていた。
その結果、生み出された奥の手が1つある。それは脱皮。
自らの硬く頑丈な皮を捨て、スピードと攻撃に特化した体長2メートルほどの蟻になったのである。
牛侍は脱皮したクイーンに向かってもの凄いスピードで、突進を放つ。
まさに目にも止まらぬ速さだ。
しかし蟻は脱皮をしたことで、いとも簡単に突進を避けてみせた。
すかさず、牛侍に麻痺毒を持った自らの歯を食い込ませる。
牛侍が突進をしてクイーンがそれを交わし、噛みつく。
その動作が3回ほど繰り返された時、牛侍の動きがだんだんと鈍くなってきていた。
チョップ達も応戦しようとするが、いかんせんクイーンの動きが早すぎて少しのダメージも与えることが出来ない。
クイーンはトギロ、アバラキ、ルーにも麻痺毒を与え、一瞬のうちに3人は動けなくなってしまった。
レガ、ハルは怪我をして動ける状況ではない。
今まともに戦えるのは、チョップ1匹になってしまった。
チョップは自分の弱さを嘆いていた。
「俺がもっと強ければ!俺がもっと戦えたら!」そう思いながらクイーンに向かって攻撃を繰り出す。
その攻撃は届くはずもなく、クイーンは倒れている牛侍を必要に攻撃していた。
目の前に広がるのは、出会った仲間達が次々と倒れ伏せる姿。
チョップは絶望し、泣き叫ぶ寸前だった。
しかしチョップは諦めずに頭を働かせた。
「何か!何か無いのか!!この状況を打破できるような何かが!」
頭をフル回転させて何か無いかと考える。
思い出されたのはユキさんに貰った魔道書、レガが見つけたという卵、怪しい商人に貰った小さな箱だった。
魔法を覚えるには、まだ時間が足りない。
卵はまだ産まれない。
チョップが残された選択肢は消去法で1つになっていた。
レガの横で、必死にヒーリングを唱えるハルに
チョップ
「レガのバックを投げてくれ!」
と叫んだ。ハルは戸惑っていたが、チョップの真剣な眼差しを見て
ハル
「分かりました!頼みます!」
そう言ってレガのバックをチョップに向かって投げた。
チョップは投げられたバックに向かって走りだしバックから1つの箱を探し出した。
チョップ
「お願いだからびっくり箱なんてやめてくれぇ」
祈るように小さな箱を開けるチョップ。
チョップは箱の中身を蹄で取り出した。
視界の端でチョップ見ていたクイーンはチョップが取り出した「何か」に対して身の危険を感じた。
本能的に後方へ飛び退く。
しかし、それを上回るスピードでチョップはクイーン目掛けて飛び跳ねた。
「ギリギリィ!?」
クイーンは自らの判断を後悔した。
一番雑魚だと思っていたこぶたが、自らの奥の手を上回っている。
次の瞬間、クイーンアントライオンの体は真っ二つに割れ、消え去った。
チョップはサッと地面に降り立ち
チョップ
「この刀は一体・・・」
そう言って短刀をまじまじと見つめた。短刀には文字が彫られていた。
小刀 闇曇
チョップはこの闇雲と共に様々な冒険を乗り越えて行くのだが、それはまた別の話である。
小刀 闇曇
効果・職業付与・忍び
スピード大幅up(回数制限あり)




