表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
アントライオンダンジョン編
22/79

22話 ボス

あらすじ

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは相棒の牛侍、ベテラン冒険者のレガと共にダンジョンへと挑んだ。しかしあり地獄に捕まり、3人は離れ離れになってしまう。それぞれダンジョンからの脱出を模索する中で、新たな仲間に出会う。そしてチョップとレガは再会し、ダンジョンのボスを討伐するために最下層へと進むのだった。






「ギリギヤオォォ!!」


ダンジョンのボス、クイーンアントライオンが甲高い声で鳴き叫ぶ。


「おいおい…デカすぎんだろうよ…」


と、アバラキが声を漏らす。


「でもやるしかないよ!」


ルーが気合を入れて


「こいつを倒して、ここから出るんです!」


ハルが皆の気持ちを引き締めた。


「こいつを倒してここから出るぞ!!」


レガのかけ声に


「おぉー!!」


チョップ達は声を揃えて叫び、クイーンアントライオンへと、走り出したのだす。


付け焼き刃とは思えぬほどの一糸乱れぬ連携で、攻撃を仕掛けるチョップ、レガ、トギロ、アバラキの4人。後方ではルーが矢を放ち、ハルが回復魔法ヒーリングをかけ続けてくれていた。


「ギリギリヤァ!!」


クイーンアントライオンは次々と来る攻撃に怒り、自らの腕を振り回していた。

その腕は鋭利な刃物のように輝いていて、巨大な鎌のようだった。

その鎌は危険だと思った4人は、鎌に集中攻撃を放つ。


クイーンアントライオンは怒りで我を失っていて、構わず腕を振り回し続けた。

トギロは迫る腕を器用に交わしていたが、左腕を右に避けた先から右腕に挟まれてしまった。このままではトギロが挟み撃ちで詰んでしまったように見えた。


「トギロ!」


チョップは叫んだ。しかし、当の本人は笑っていた。


トギロ

「待ってたぜ、この瞬間をよお!!」


トギロは、迫り来る両腕を自らの斧で受け流し


トギロ

「反射鉄槌!!」


受け流した勢いを利用して、斧を回転させたトギロの一撃が、クイーンアントライオンに炸裂した。

トギロが30年、ダンジョンで彷徨い続けた故身につけた渾身の一撃はクイーンアントライオンの両腕を見事に粉砕したのだ


ハル

「やった!」


ハルが勝利を確信してそう叫んだ。

しかし、その判断はどうやら早すぎたようだ。


クイーンアントライオンは腕を壊された事で、怒るのでは無く、返って冷静になった。

そしてまず仕留めなければいけない敵を選んだ。選ばれた相手は…


アバラキ

「ハル!逃げろ!」


6人の中で、唯一回復魔法が使えるハルだった。

クイーンアントライオンはハルを視界に捉えて走りだす。


ルー

「ハル!逃げて!!」


ルーがハルを涙目で呼ぶ。

しかしハルは腰を抜かしてしまい、動けなかった。

その間にも、クイーンアントライオンはハルへと近づいていく。


「やめろ!やめてくれ!!」


アバラキが走り出したが、アバラキのいた位置からでは追いつかない。


「やめろぉおおおおおおおおお!!」


アバラキの声がダンジョン内に響き渡るが、クイーンアントライオンはその巨体でハルを踏み潰した…




はずだった。






ハルは迫り来る巨大な蟻を見て、「自分の命はここで終わるのか」そう確信していた。

「せめてお母さんにもう一度会いたかったな…」そう願い、自らの母を思い出すかのように目を瞑った。

しかし、ハルには衝撃が襲わなかった。


不思議に思ったハルが目を開けたハルが見たものは、

クイーンアントライオンの巨大な体を自らの剣一本で食い止める一人のベテラン冒険者レガの姿だった。


ハル

「レガさん!?」


ハルは目の前の光景に目を疑った。

ビルのように巨大なクイーンアントライオンの攻撃を一人の人間が受けきれるわけがない。

ハルの考えは当たっていた。

レガの足、腕、口からは、衝撃に耐えきれず血が吹き出ている。レガは血を吐きながら


「家に…帰るんだろ…」


そうハルに語りかけていた。

ハルは大急ぎで詠唱を唱え、レガにヒーリングをかけはじめる。

しかし、ダメージの方が遥かに大きくレガが押し潰されるのも時間の問題だった。


だがレガは諦めなかった。

心の中で「早く来い」そう強く叫びながら何かを待っていたのだ。

レガが待つものは中々来ない。

そうして・・・ついにレガの体力が限界を迎えた。


レガ

「すまねぇ…皆…!」


最後の体力を使い果たし、剣を持つことすら叶わなくなったレガはゆっくりと倒れていく。

クイーンアントライオンがそれを躊躇なく踏み潰そうとした。

その時


「ドゴォオオン!」


もの凄い轟音と共に壁が崩れ去った。


轟音と共にクイーンアントライオンを何かが撥ねとばす。

壁に出来た穴の中にいたのは1匹の白いゴリラだった。


その後ろ、白いゴリラに負けず劣らずの巨大を持った黒く、炎のように赤い毛を持った一頭の牛がいた。


レガ

「遅ぇんだ…よ…」


レガは潰れた喉で


「牛侍」


そう呟いた。


牛侍

「後は私に任せて、少し休憩してなさい」


優しくレガに囁く牛の名は


「黒炎牛」牛侍。


進化を果たした、盟友の姿であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ