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異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
アントライオンダンジョン編
18/79

18話 チョップの戦い

あらすじ

こぶたとして異世界に転生した元人間、チョップは相棒の牛侍、ベテラン冒険者のレガと共に旅を続けていた。チョップ、牛侍は旅の途中言葉を手に入れることができた。立ち寄ったモスイ村の村長にダンジョンに行ってほしいと依頼されるチョップ達。一行はダンジョンに入ったが、あり地獄に捕まり離れ離れになってしまう。






謎の大男

「歯ぁ、食いしばれ!敵はまだ多いぞぉ!」


チョップ

「言われなくても…!」


チョップは次々と押し寄せる巨大蟻のようなモンスターと戦っていた。

一体一体の動きがは早く、攻撃が止むことは無かった。


今、チョップと一緒に戦っているのはチョップの真上から現れた大男である。

体は筋骨隆々で2メートルあるんじゃないかと思うほどだ。その巨大な体で、敵の攻撃を交わしている。

それだけではなく交わした後に手に持つ巨大な斧で敵を粉砕していく。

チョップは自分も負けていられないと、一生懸命に攻撃をするのだった。



戦い始めて2時間ほど経った頃だろうか…


謎の大男

「敵はもうこねぇみたいだな、立てるか?こぶた」


巨大蟻のようなモンスターは数を減らし、残っていた残党も戦いをやめて逃げ始めた。

チョップは生き延びたのだ。


「助けてくれて・・・ありがとう。だけど、あなたは一体・・・?」


ダンジョンにさっそうと現れた大男の正体を訪ねるチョップだったが、


謎の大男

「ここじゃ場所が悪い、俺の住処に連れてってやる」


と、大男に諭された。



大男の背中に乗って移動すること約30分、獣の皮が垂らされた岩と岩の間を通り、少し開けた場所に出た。モンスターの気配は無く、ここが大男の言っていた住処だろうか。


「ついたぞ、ほら足出せ」


大男にそう言われ、チョップは出血している足を出した。

大男は包帯を持っていて、チョップの足に巻いてくれた。


「ありがとう」「気にすんな!」


大男は気さくに笑った。

それから大男は自身について教えてくれた。


トギロ

「俺の名はトギロ。ある人に言われてこのダンジョンに入った。それからここで30年は生きている、ただそれだけの男だ」


「ブヒ!?」


チョップは驚いたあまり、久しぶりに豚声をあげた。


トギロ

「ずっと出口を探してるんだが、ここは一度入ったら出られねぇみたいでよ。仕方なくここで暮らしてる」


トギロはもう慣れているという風に、そう話した。


「30年もこんな暗闇に・・・。辛くはないんですか?」


チョップがそう訊くと、トギロは笑った。


トギロ

「そうでも無いぜ、この前にも若い奴と出会ったしな。だが・・・そうだな。1つ気がかりがあるとすれば」


何かを思い出し、顔を曇らせたトギロ


トギロ

「ダンジョンに潜る前、娘が生まれる予定だったんだ。だけど話した通り俺はこの30年間。一度もここから出られなかった・・・」


トギロ

「自分の娘に30年も会えてないんだ!だから・・・心配なんだよ・・・!」


そういって涙を流したトギロ。

しかし、チョップはトギロの娘に1つだけ心当たりがあった。



「ここに来る前に、武器屋の女店主が30年前に死んだ父親のことを話してたんだ」


そう言った瞬間、トギロはガバッと立ち上がり「それは本当か!?」とチョップを問い詰めた。


「あぁ!男勝りで優しかったよ。俺の仲間には大切にしていたあんたの形見の剣をくれたくらいだ」


チョップがそう話した途端、トギロはぴんと張っていた線がプツンと切れたかのように、わんわんと泣き始めた。


「そうか…そうなんだな…良かった!良かった…」

30年間会えなくっても、ずっと娘を思っているなんて、トギロは凄い父親だな。

チョップはトギロの事がとても好きになった。

その後、泣き止んだトギロに自分達がダンジョンに入るまでの事を説明した。


「なるほど、お前さんにも仲間がいるんだな」


「うん、今も生きてるかどうか・・・。心配だな」


心配するチョップを、トギロはガハハと笑い飛ばした。


「そいつらならきっと大丈夫だろう!話を聞くだけでも牛侍とレガってやつは相当なタフガイに見えるぜ!?」


「そう・・・か。それもそうだな!」


トギロと話していると、根拠は無くても大丈夫という気がした。

チョップが元気を取り戻したのを見て、トギロも満足したようだ。

そして


トギロ

「やっぱりあいつは黒だな」


と呟いたのだ。


「あいつって?」


一体トギロは誰のことを言っているのだろう。

トギロの思う黒幕は、驚くべき人物だった。


「モスイ村の村長の事だ。実際俺も、この前会った若者でさえ、あいつにいいように騙されてこのダンジョンに入ったんだ」


チョップは驚いた。

一体何故そんな事を…そう考えても、ダンジョンの中では分かるはずが無かった。

取り敢えず今はダンジョンを出るしかない。

そうやってチョップは頭を切り替えた。


「このダンジョンの出口に心当たりは無いの?」


チョップはトギロに聞いてみた。するとトギロは渋い顔をして


「あるにはある…、1つだけな。このアントライオンダンジョンの最下層だ」


と言った。

チョップは希望が見えて「それならそこに行けば!」と話した。しかしトギロは首を横に振り、


「それは厳しいんだよ。一度行ってみたんだが、出口の周りに超特大のモンスターが住んでやがった、恐らくこのダンジョンのボスってことなんだろうよう」


「俺だけでは倒せそうにも無い」


トギロは、話をそう締めくくった。

チョップは「自分が協力する!」と言いたかったが、自分は弱いから変わらないかと思った。

だが代わりにある事を思いついた。


「トギロ」


チョップはトギロの前に立った。

トギロは「なんだなんだ」と興味ありげにこちらを見ている。

チョップは息を吸い込み腹の奥から声を出した。


「俺に戦い方を教えてくれ!!そして強くなった俺とダンジョンのボスを倒そう!!」


馬鹿みたいに真剣なチョップ。その姿をトギロはやはりガハハと笑った。


「やっぱりてめぇは面白ぇわチョップ!やってやろうじゃねぇか!倒そうぜ!ここの親分を!」


そう言って立ち上がり、拳を高く掲げた。

トギロによるチョップのダンジョン修行が始まる。


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