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異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
アントライオンダンジョン編
16/79

16話 武器屋の娘

あらすじ

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは相棒の牛侍、ベテラン冒険者のレガと供に旅を続けていた。旅の途中、言葉を話せるようになったチョップ達。一行はモスイ村の村長マイから「ダンジョンに行ったっきりで帰っていない若者の救出」を依頼され、それを了承するのだった。






レガが取ってくれた宿屋でぐっすり眠ったチョップ達は、ダンジョンに行くための準備をすることにした。レガには木刀が折れて剣が無かったので村に1つしかない武器屋へと向かうことにした。


若い女店主

「いらっしゃい、よく来たね!あんたたちの事は聞いてるよ!」


武器屋に入ると、活発な女性店主が話しかけてきた。

どうやら昨日の一件が、武器屋まで届いてしまったらしい。

本当に気を付けようと思う。


レガ

「やぁお姉さん。俺は剣士をやっているんだが、剣が折れてしまってさ・・・」


頭をかきながら、照れたように話すレガ。

牛侍は、その様子を冷たい目で見ていた。


若い女店主

「ほぉん、そうだったのか?うちには剣がたくさんあるが者によってピンからキリだ。予算はどのくらいい持ってきたんだ?」


レガ

「予算か・・・。今は大体大銀貨が3枚と、銀貨が6枚しか無くってさぁ」


レガが全財産を暴露して、値切り交渉を始めようとしたとその時には、店主の姿は無く

「ちょっと待ってな」と言って、店の奥へ入ってしまった後だった。

値切らせる気は一切ないようだ。中々やりおる。

そう思っていたレガの目の前にいくつか剣が広げられた。


若い女店主

「今出せるのは、これくらいだ!」

「右から、大銀貨3枚、大銀貨2枚と銀貨5枚、大銀貨2枚ってところだね」


レガはそれらの剣をじっくりと見てみる。

どれも素晴らしい剣だと思った。

どれも丁寧に打ち込まれていて、刀身輝きが美しい。

この1本を打つのには、研鑽を重ねる歳月と生まれ持ったセンスが必要だ。

借りにもベテランのレガには、剣を触り感触を知ることでそれが分かるくらいにはなっていた。


しかし、レガにはずっと気になっていた剣が1つある。


レガ

「壁に掛かってる剣はいくらなんです?」


そう言って壁に掛かっている剣を指差した。

遠目から見るだけでも、その刀身は吸い込まれるように美しく。

長年培った剣士の直感が「これはとんでもない剣」だと、レガに囁いているからだ。

店主は


「ごめんね…、それは売り物じゃないんだ」


と、悲しそうに断った。

どうやら、あの剣は亡くなった女店主の父、その形見だったらしい。


「私が生まれてすぐにダンジョンで死んじまってよ…。私は、親父の顔を1度だって見たことがねぇんだ。だから親父の使っていたあの剣をあそこに飾ってしまうんだよ」


「そうだったのか・・・。知らなかったとはいえ失礼なことを聞いちまった。・・・ごめんな」


レガは店主に頭を下げた。

店主は「いいよいいよ!」と笑って、他の剣を持ってこようとしていた。

チョップにはダンジョンという言葉が引っかかって、女店主にもう少し話を聞くことにした。


チョップ

「もしかしてそのダンジョンは最近、村人が帰らなくなったってところ?」


若い女店主

「あぁ、そうだよ」


牛侍

「奇遇ね、私たちはそのダンジョンの準備で、武器を探しにきたのよ」


若い女店主

「あんた達!あそこに行くのかい!?」


と店主は驚いた。

それから「ちょっと待って」と私たちを引き留めた後、カウンターで考え事をする店主。

「よし」と言った後、店主は驚きの提案をするのだった。


若い女店主

「それならさ、お金はいらないからこの剣を持って行ってくれないかい」


そう言って、壁に掛かっている剣を下ろしてレガの胸に押し付けた。


レガ

「親父の形見なんだろう。・・・もらっちゃっていいのか?」


戸惑うレガだったが、



「あぁ。だけどその代わり、親父みたいにおっ死ぬんじゃねぇぞ・・・!」


という強い言葉を受けて「おう!」と力強く答えたのだった。






チョップ達はマイ村長や村人に見送られた後、ダンジョンに向かって歩き始めた。

レガの腰には、店主に貰った形見の剣がかかっている。

案内してくれているのは最近遭難した若者の妹だそうだ。

歩いてる最中も、妹から


村の少女

「お兄ちゃんのためにごめんなさい!絶対に帰ってきてください!」


と言われ、気が引き締まったチョップ、牛侍、レガ。

そしてついに3人は…


村の少女

「ここが…アントライオンダンジョンです」


地下へと続く巨大な遺物。アリ地獄迷宮・アントライオンダンジョンに到着した。





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