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異世界の豚〜異世界に家畜として生まれた男の成り上がり  作者: アフ 郎
アントライオンダンジョン編
15/79

15話 モスイ村にて

あらすじ

異世界にこぶたとして転生した元人間、チョップは相棒の牛侍、ベテラン冒険者のレガと供に旅を続けていた。なにかといちゃもんをつけてくる金髪ルーキーはチョップ、牛侍に罵詈雑言を浴びせる。それに激高したレガは金髪に決闘を挑み、見事金髪ルーキーに勝利したのだった。






レガが金髪に勝利すると、近くに人が集まってきた。どうやら村人や、村の冒険者のようだ。彼らは口々に


「あんたすげぇよ!」「あいつには手を焼いてたんだ…」「お前さんの動き…痺れたぜ…」


とレガを賞賛した。レガは


「こんな事初めてだぜ…」


と、嬉しそうだ。それを見たチョップは気分をよくして


「すごかったよ!レガ!」


と言った。その瞬間村の人々は


「豚が喋った!!??」


と声を合わせて、驚いたのだった。

折角、食事処でも喋らないでいたのに「やってしまった」そう思った。

牛侍の冷たい視線が、とても痛かった。


それからチョップ達は村の食事処「ムクイの飲み屋」に再度集まり、ご飯を食べることになった。

チョップにはカラフルな野菜を混ぜ合わせたご飯を、牛侍には新鮮な若い葉を、レガにはチーズがたっぷり乗ったピザが振る舞われた。


「うまいうまい」と食べるチョップ達の元には様々な人々が訪れた。

小さな子どもやお年寄り、強そうな冒険者から、怪しく「ウハハハハ」と高笑いする怪しい人まで。

その全員がチョップ、牛侍を珍しそうに眺めていた。

これからは人前で安易に話さないようにしよう。

チョップはそう心に決めて、大いに反省したのだった。



そういえば怪しい人から


怪しい人

「これを差し上げます…。貴方にきっとお似合いですよ…。ウハハハハ!」


と言われて小さな箱を貰った。

怪しいから開けていないのだが少し気になるな。そう思っていると貫禄のあるお爺さんが話しかけてきた。


お爺さん

「こんばんは、言葉を話すこぶたよ」


チョップ

「ブヒブヒ」


チョップは反省しているので、豚の言葉で返した。

お爺さんは気にせず話しかけてくるが・・・。


マイ

「私はこのモスイ村の村長をしているマイという者です。」


そう言ってゆっくり頭を下げたマイさん。


チョップ

「おぉっ村長さん、これはどうもどうも・・・」


お辞儀にお辞儀に返す「ジャパニーズお辞儀」を繰り出しながら、チョップは少しワクワクしていた。

なぜかと言うとチョップは人間だった時、RPGゲームを好み、何作ものRPG作品を遊んでいた。

そしてRPGでの村長と言えば、クエストを出してくれる存在。

この村長さんは何か頼みがあるのだろうか?

もっと言うと、その後の報酬とかはあるのだろうか?

そういう理由でワクワクしていたのである。

とても不純な動機ですね。


マイ

「実は、この村の近くには恐ろしいダンジョンがございまして、貴方達の力を見込んでお願いがあります…。」


予想的中!チョップが喜ぼうとした時、マイの弱々しい表情が迫真の表情へと切り替わる。


マイ

「若き村人が1カ月ほど前にダンジョンに行ってから帰らないのです…。彼らはとても優しく勇敢な青年でして…、どうにか探しふぁしてはもらえないでしょうか…!あぁ、可哀そうに!!」


そう言ってマイは、顔の見えなくなるほどの土下座をかました。

すぐにそれを起こそうとするチョップ達だったが、し村長は土下座をし続けるのだった。

泣きながら頼むマイを見たチョップは「仕方ない…」と立ち上がり


チョップ

「俺たちでいいなら・・・協力させてください」


そう言ってしまったのである。後ろで見ている牛侍は


牛侍

「退屈だし、いいわよ」


と言っている。やれやれと両手を振るレガも


レガ

「チョップ、勝手に決めんなよ…、だが俺も行くぜ!何せ俺は今、絶好調だからな!」


と、行く気満々もようだった。

行く気しかない3人は、お互いに馬鹿だなぁと笑いあった。


マイ

「ありがとう…、本当に!」


村長は、その光景を見て泣きながらありがとうと連呼した。


しかしチョップ達はこの時知らなかったのだ。

アントライオンダンジョンの恐ろしさを。

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