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ぼくの詩集

ナイフ

作者: 桜井あんじ

こんな日は

ぼくのふるい傷口から 膿がにじみでてきます

ドロドロと

血が流れます

ダラダラと


それはもう ずっとずっと前のことなのです

なのに ふさがらない 傷口

それもそのはず

そこにナイフが ささったままだから


阿呆のようにつっ立って

それをながめるばかりの ぼく


時間というものが 突然 意味をなさなくなり

ぼくを 連れもどす

あの時へ あの場所へ



ぼくの傷口に ささったナイフ

愛おしきもの


これが ただひとつ

あなたから

もらったものだから


流れる血さえ

愛おしいのです



きっとぼくは

エゴイストなのでしょう

マゾヒストなのでしょう

病んでいるのでしょう

それでも


それでも

それでも


ぼくはこのナイフを

だれにも渡したくないのです


だあれにも

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