ACT:1-6/公開されていくスタイル
「……で、絶対王君はこの島にどうして来たんだぞな?強いお嫁さんが欲しいぞなか?」
「え、そうなの?ワガハイ達としては大歓迎だよー、クアールの家系は女の子ばっかりだからねー。ホロロもヌーもいい子だよー」
「くしゅん……しかし、その……へくしっ!龍人とヒトの子とはどうなのでしょうか……びぇっくしゅん!!」
「クロトぉ……クウははやく帰りたいよ……」
それはこちらのセリフである。縁側で龍人3人に囲まれ、ボク達は出されたお茶も飲まずに頭を悩ませていた。
「……ボクは女だよ……」
「またまたー、ご冗談をー」
なんで初対面の人は皆こんな事を言うんだ!!証明したいならば脱げと!!脱げと言うのか!?
「……いや、待つぞな。ちょっと失礼ぞな」
怒りのあまりコートのボタンに手を掛けそうになったボクに、ヌーの腕がすっと近づけられる。
そしてほんの一瞬だけ、ボクは一糸纏わぬあられもクソもない……つまり、生まれたままの姿になっていた。
「ほーん、お子様ぼでーのおにゃのこぞな。マム、ぞな達お嫁に行けないぞなよ」
「……あの、一瞬でも全裸にされたら恥ずかしいんだけど、ボクを殺すつもりなのかな」
「いや、ぞなは失礼するって言ったぞな。そう言ったら大丈夫ぞな」
ボクはみっちり三賢龍に教育を施し、ついでにここに来た目的も話した。
「……キルカ君に会うのかい?そりゃあマズいよー、やめておいた方がいいよー」
「うわあっ!?」
イサキはむっとしてまた抱きついてきた。この脂肪は大変邪魔だ、この世界に最も不必要なモノだ。牛脂代わりにしてすき焼きでも作って、まっ平らのさら地にしてやりたい。いや、してしまえ。胸があって許されるのは乳牛だけだ。
「クロトおぉぉ!!」
「やめるんだクウ、まだ別れるには早いよ……はあぁっ!!」
胸を吹っ飛ばす勢いで無理矢理ホールドを解いた。
「ありゃー、龍人のおっぱいはお嫌いかねー?」
「ああ、獅子唐の次ぐらいには大嫌いだよ……」
そりゃ残念、とイサキは肩をすくめる。たんこぶを無数に生やしたヌーがやれやれとため息をつき、ずいっと顔を近づけてきた。
「……キルカはアブナイ奴ぞな、気をつけた方がいいぞなよ?」
「そ、それぐらいは分かってるさ」
……アブナイ、に別のニュアンスを感じた。
「キルカさんのお宅は……びぇっくし、ここらで最も目立ちますからすぐ分かりますよ……くしゅんっ、でもどうかお気をつけて……へくしっ!」
「……ありがとう」
相変わらずくしゃみしてばかりなホロロの言葉に感謝して塀を越えようとすると、
「……やっぱりもうちょっとクロトちゃんと遊ぶよー!!」
「やめろおぉぉ!!」
「びゃああああん!!」
脂肪の塊が再びボク達に襲い掛かった。