表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【超短編歴史】関ヶ原の男たち-石田三成編-

 天下分け目の関ヶ原……

 その時男たちは……!


 テンパる石田三成。

 死にたがる島津義弘。

 働かない吉川広家。

 無駄に大活躍の宇喜多秀家。

 切れっきれの大谷吉継。


 こんな歴史小説見たことない!

-石田三成の物語-



 いやいやいやおかしいでしょ、なんで動かんのよ。どいつもこいつも、もう戦が始まって半日経ったんだよ?今天下分け目の一戦なんよ?これで負けたら豊臣滅亡確定っしょ。

 いや、確かに滅亡フラグは立ってた、それは認めるよ?うん、五奉行筆頭の俺が言うんだから間違いない。

 まず偉大すぎる秀吉死んだよね?そして後継はまだ幼いときたよね?そんでそれを後見するためとかいう名目で家康は結婚の仲人し放題だしね?確かに滅亡フラグビンビンですよ。確かに歴史の流れを変えるかもだし厳しいとは思ってたけど俺は空気ブレイカーしたいわけよ。一応秀吉様から見込まれた男なわけだし、最後まで豊臣家のために働きたいんですよ。だからお前らも頼むから働いてくれ!!

 そうお前だよ吉川、小早川、毛利、島津、長宗我部!


 あぁー、そうか、根に持ってんだな?そうそう、軍議の時に

俺 「この天下の大戦に千人とか……ブッ」

島津「イラッ」

 ってことがあったもんな!


 刑部が俺に言ってたよ、お前には魅力がないって。んなことわかってんだよ。だから俺はあえてでしゃばらずに、宇喜多っちに実戦指揮、輝じじいには総大将を任せて自分は参謀になって補佐する形にしたかったのにふた開けてみりゃどうだい、輝じじいは関ヶ原にこねぇし淀殿はムスコンだしで結局俺と家康のタイマン戦になってんじゃないか。

 ん?なんだ、何か陣営が騒がしいぞ?松尾山?あーあーあー、やっと小早川が動き出したんだな。ったく、ほんとにじれさせやがる。


 ……ってあれ?秀秋のやつこっちに向かって駆け下りてないか?いや、違いない。刑部の方に向かっておりてきとるよ。ふーむ。





 ってあええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??ここでまさかの裏切りいぃ!?

 いいいやっ、確かに可能性として考えてなかったわけじゃない!ないよぉっ?

 しかしこれでやっとわかったよ、刑部。あんたがこの戦いの前になぜあんなにも秀秋のことを気にしてたのか。再三再四秀秋を松尾山に配置するのに反対してたからあんときは「あぁ、刑部ももうろくしたか」なんて思ったがもうろくしてたのは俺じゃねぇか!!今だからわかるわ刑部、あんたまじ天才だわ。いやぁー、ずっと前から思ってたんだけど俺正直戦いのセンスにありあふれたお前をずっと前から羨ましいと思ってたんだよなグスン……。

 って、感心したりひがんだりしてる場合じゃねぇわな。秀秋が裏切ったのは痛いけどまだ負けたわけじゃない。大谷刑部勢は今藤堂勢に勝ったばかりで意気盛ん。に対して小早川勢は数は多いけど、戦闘中の裏切りで兵も浮き足立ってるはず。

 石田コンピュータの出した結論:大谷勢は持ちこたえられる。


 そうして形部が持ちこたえてる間に……いい加減吉川も毛利も長曾我部も動いてくれや!!

 和田竜さんの「のぼうの城」に出てくる三成が好きでした。計算高いのに特殊な理想を持つ人間像に惹かれます。石田三成という人物、非常にポピュラーな人物であるにも関わらず書く人によってかなりイメージが異なる、そんな三成が好きです。


 ある人は冷酷な官僚型の人間という書き方をし、またある人は、実はいいやつだった。またある人は、心の中では秀吉に反骨していたなんて書き方をする人もいます。


 次に読む彼は一体どんな人間なんだろう、そんなことを考えながら歴史小説を読むときの密かな楽しみにしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「ぎょうぶ」 形部→刑部 [一言] 初めまして、こんばんは。 ミツナリスト……とまで言えるかわかりませんが、三成好きです。そして、『のぼうの城』の三成ファンでもあります。なろうで書いて…
[良い点] コミカルな三成 [気になる点] 短ぇッ!? [一言] 私も三成の出てくる小説を書いていますが、本当に人によって違いますね。 島津、大谷、広家編も期待していますよ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ