表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

5(区切り)

 教室全体が息を詰めて、とにかく四ノ宮を刺激しないようにって。そりゃ自業自得かもしれないけど、意趣返しにしても怖かった。毎日、必ず誰か欠席してた。クラス全員が揃うことなんてなくなった。早退も多かった。そして荒木が動いた。勇気すごい。無謀じゃなくて、ほんとバカ。


 そういえば荒木のヤツ、今日はいなかったな。さすがに誰も責めやしないよ。別に強制でもないし。わたしだって安曇から連絡なかったら知らないままだったし、柳に誘われなかったら行かなかったと思う。今日のことは、まぁ有り体にいえば、区切りなんよ、わたしたち自身の。ゲームの。

 厄落とし? そうだね。身勝手でしょ。分かってるよ、だけどそれが何か? だね。

 で、荒木は四ノ宮と向き合った。で、荒木は重症……だったかな。肩の脱臼。揚げ句に骨折。ほらここの、首のところの骨、鎖骨がぽっきり。セーラー服の上からでも変に盛り上がってるの分かった。

 朝だった。教室にいたのは登校した生徒が半分くらいと、四ノ宮。

 物凄い悲鳴だった。キャーじゃないんだな。ギャァッって肺を一気に押し潰したみたいで、空気が窓ガラスをビリビリと震わした。幸か不幸か、荒木は気絶、そのまま病院送り。

 なんで荒木がそんなことしたのか、ぶっちゃけよく分かんない。荒木なりに何か思うところが合ったろうし、目論みだか算段だかあったかもだけど、ハタから見ればバカじゃなかろうかって。やっぱダメだよ、触らぬ神に祟り無しってね。

 はー、そっかそっか。神様ってのはわりかし近いかもなぁ。お願いするだけが神様じゃなくて、祟るのも神様だし、それを鎮めるために神社とか、うん、飛梅だ。あんたも変なこと知ってるね。何? 三つの赤い橋って。そんなんあったかなぁ。修学旅行で行ったのにねぇ。

 えっと話、逸れたな。

 荒木が病院送りになって、四ノ宮はまた学校に来なくなった。

 これでお終いならいいんだけどね。いるときよりもいない時の方が空気って重くなるんだ。だって次がいつなのか分からないんだもん。

 そんで、荒木も暫く欠席で、町村ってのがやって来たはそんな時。っていうか、放課後、わたしが掴まったってのが正しいな。

 違うクラスの子なんだけど、確か弟だか妹さんががあんたと同級生だったよね? ふうん、ヒロシくんっていうんだ? うん、そのヒロシくんのお姉さん。志しを織るって書いて、町村まちむら志織しおり。前髪が目にかかってるくらいめっちゃ長い髪の持ち主でさ、結んでないのは校則違反だよね、今もでしょ? 髪留めは黒か茶で。アクセ禁止。カラフル禁止。

 町村ってのはいわゆる痛い子でね。学年じゃ、メジャーな話だよ、知ってた? 幽霊が見えるだとか写真に映るだとか。ケータイ、デジカメ、シャッター落ちない。万事そんな感じ。アハ、いやマジだって。三年で同じクラスになった安曇がこぼしてたよ、修学旅行で同じ班になったヤツは思い出は心の中にって。かわいそうにね。ふへっ。卒業アルバムも二組だけ撮り直しだもん。結局、欠席しちゃった。ほら、あの集合写真の上にひとり、丸いヤツ。まぁ……笑えないかな。当事者的には。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ