『鏡の怪談』
貴方は背後に視線を感じたことはあるだろうか?誰かに見られているという予感や直感、もしくは″妄想″でもいい。
人は視線を感じると振り向く。自分の直感が間違っていないか確認するために、
大半は気の所為で終わる。誰もいない。
そして忘れるだろう。
ただし、1つ忠告しておこう。視線を感じた時に
『鏡を見て背後を確認してはならない。』
とだけ。
下校の帰り道
女子高生「はぁ…今日の試験もダメだったな…
最近、全くついてない…」
友達「元気だしなよ!試験がダメでも人生が終わる訳じゃないから!」
女子高生「そうは言ってもさ…最近、物はよく無くなるし、テストは上手くいかないし、好きなアニメの抽選は外れるし、SNSのDMには変な連絡が届くし…」
友達「変な通知って?」
女子高生「『怪談に興味ありませんか?』って内容のDM、アカウントも新規アカウントで怖くて開いてない。」
友達「あ!聞いたことある。なんかね。
変なアカウントからDMで怪談が送られてくるんだけど。その怪談を見てしまうと、自分がその怪談に巻き込まれるんだって」
女子高生「こっわ…まじでやめて欲しいんだけど。後でブロックしておこ…」
友達「見たら巻き込まれるらしいし、ブロックするのはいいかもね!」
(突然、女子高生が何かを感じて背後を振り向く)
友達「どうしたの?急に」
女子高生「…なんか最近ね。誰かに見られてる気がするの…特に1人になるとずっと…今だってほらそこ…」
(彼女が指さした曲がり角には、一瞬だけ黒いモヤが見えた気がする。)
友達「え?ストーカ-?警察相談した方が良くない?」
女子高生「相談はしたんだけどさ…姿を見たことがなくて…だから通報しようにも誰か分からなくて相手にして貰えなくて…本当スト-カ-なんて
″消えてしまえばいいのに″」
友達「容姿さえ分かればいいんだね?それならさ。″鏡″を使うのはどう?」
女子高生「鏡?」
友達「うん。だって、振り向いても警戒されて逃げられるでしょ?それならさ、鏡を使えば後ろを見なくても背後が確認できるじゃん?ほらカ-ブミラ-とか、商店街のガラスとかさ。」
女子高生(確かにとは思った。スマホを見てる振りをして背後に映りこんだストーカ-の写真を撮れば、警察が対応してくれる。何もいないなら自分の気の所為で終わるから。)
友達「んじゃ、私の家こっちだから帰るね。ばいばい!」
女子高生(気づけば友達の家近くまで歩いていた。ここは十字路になっており、友達の家は右側を進んだ先にある。自分はここから真正面にしばらく歩かないといけない。付近には建物もあるが、ほとんどがシャッター街であり、人の気配ははない。この道を私は一人で帰らないとならない。)
女子高生「ビクッ…まただ…視線を感じる…何かが見てる」
(ふと友達のアドバイスを思い出した。鏡を見ればいいと、私は付近にあったカ-ブミラ-で背後を確認した。そこには″何もいなかった″)
女子高生「ふぅ…なんだ気の所為か…」
(私は何事もなく家に帰った。後は普通の日常である。飯を食べ、風呂に入り、ベットで寝るだけ。ただ、いつもと違うことが一つだけ起きた。)
スマホ「ピッ(通知音)」
女子高生「ん?誰だろ?」
(そこにはブロックしたはずのアカウントから、なぜか″通知″が来ている。
女子高生「なにこれ!?」
(私は怖くなってスマホの電源落とした。
怪談を見たものは同じ目にあう。
絶対に見てはならない。そう聞かされたから。)
(その直後だった。プルルルル…
スマホの電源は切れてるはずなのに、自分の携帯が暗転した画面のままどこか分からないところに電話をかけている。)
女子高生「なんで!?なんなの?」
(いくら電源ボタンを押しても反応しない。操作を受け付けない。そして…電話は誰かに繋がった。)
???「鏡の怪談をご存知でしょうか?
鏡は古来より魔除け、真実を映すものとして扱われてきた。しかし、現代では彼らは怪異として存在している。その怪異は…」
女子高生「うわぁぁ!(バゴン)」
(私はスマホを投げて壊した。音は止んで、壊れたスマホだけがそこにあった。
恐怖と、冷たい汗、嫌に早い心臓の鼓動を覚えている。聞いてはならないと直感が警告を出していた。)
女子高生「もうやだ…」
(私は不貞腐れながら寝ることにした。もうたくさんだ。)
翌日
(朝を迎えた。酷く気分が悪い…)
女子高生「あ…スマホ壊しちゃったどうしよ…」
(そう思って昨日投げつけたハズのスマホを見た。そこには何も無かった。強いて言うなら机の上に壊れる前のスマホがあった。)
女子高生「え?でも昨日、確かに…」
(私は気になってSNSと電話の通知を見た。そこには何も無かった。嫌な夢でも見たのだろう。」
女子高生「夢だったのかな…痛っ…」
(床に何かが割れたガラスのようなものが落ちており、踏んでしまった。血が出ている。)
女子高生「これって…」
(嫌な予感が頭をよぎったが忘れることにした。学校に行こう。)
(その日はなぜか、登下校でいつも感じていた不思議な視線は感じなかった。)
学校にて
女子高生「あれ?あの子が来てない」
(登校の時間になっても友達の姿が見えない。
どうかしたのだろうか?気になった私は連絡してみることにした。)
女子高生LINE「どうしたの?体調不良?」
(ピコン!友達から返信が来た)
友達LINE「……あのね…私見ちゃったの…」
女子高生LINE「何を?」
友達LINE「『鏡の怪談』」
(心臓を掴まれるかのような恐怖だった。自分が夢で見たものと同じ名前だ。あれはもしかして現実…そんなわけが無い…そんなものはない。認めない。)
女子高生LINE「じょ…冗談やめてよ?ズル休みかなんかでしょ?」
友達LINE「違うの…本当かどうか知りたかったの…それで見ちゃったの…だからもう…」
(それ以降、彼女からの返信は無かった。)
女子高生(私は怪異なんて認めない。存在し
ない。全て嘘だ。じゃなきゃあれは…)
(その日は1日中、集中出来なかった…)
下校時刻にて
女子高生「あの子のせいで今日は何も集中出来なかった…」
(ふと、帰り道の鏡を見つめた)
女子高生「あの子が嫌いだ…きっと私をからかってるんだ。妄想で怯えてる痛い子だって、私をバカにしてるんだ!嫌いだ!消えてしまえばいいのに…」
(ストレスが限界でつい思ってもいないことを口走ってしまった。鏡には相変わらず自分の姿だけが写っている。)
???(クスクス)
(背後から女性の笑い声が聞こえた。
振り返ったがやはりそこには誰も居なかった。)
女子高生「嫌だ…もう嫌だ…怖い…誰か助けて…」
(私は走って家に帰った。)
(家に着くとまた携帯の通知が届いていた。
例の怪談の通知だ。)
女子高生「元あといえばいつのせいだ!こいつのせいで変なことが起きてる!文句言ってやる!」
(私は我を忘れて怒りでDMを開いてしまった。
友達の発言が気になっていたのもある。彼女は何を見たのだろう?)
???「鏡の怪談をご存知でしょうか?
鏡は古来より魔除け、真実を映すものとして扱われてきた。しかし、現代では彼らは怪異として存在している。その怪異は、
″人の見たくないものを消してしまう″
鏡は真実を映すが、怪異と化した鏡は虚実を映す。居ないはずの化け物を見せ、見たくないものを現実から消し去る。彼らに願ってはいけない。虚像のように歪んでしまうから。
同時に鏡は彼らの目である。彼らは鏡を通してずっと私たちを見ている。」
(翌日のニュースで、中年男性1人と、女子高生1人が行方不明になったと報道された。中年男性の部屋からは女子高生の私物と思われる道具が見つかっており、事件性が疑われている。)
鏡は真実を映すと言いますが、一方で吸血鬼は映らないとされていますね。その違いはなんでしょう?
私はこう考えます。
『人は見たいものだけしか見ようとしません。』
居ないものは存在しない、要らないものは要らない。
″彼ら″はとても優しい。人の願いを叶えてるに過ぎないのですから。例え歪んでいたとしても




