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うーざーはラムネ瓶の中  作者: スカート保存委員会
8/11

ヘルド村の異変

ヘルド村。

帰郷。遠征を終える。

ヴィジターからホームへ。


その頃ヘルド村では目に見えない異変が。

「お帰り。どうだった? 」

トノサキと栗さんが出迎える。

「それが一人だけ…… 」

そう言ってアッキーを引き渡す。

「おおアッキー! 皆アッキーが戻って来たぞ! 」

いつも冷静な栗さんが騒ぎ立てる。

「うおおお! それはすげえ! 」

熱狂的な歓迎を受けるアッキー。

俺たちもいるんだけどな。決してオマケなんかじゃない。


元山賊の先頭を率いたアッキーだけにさすがに人気がある。

ベテランや中堅からだけでなく若手からも熱烈な支持があった。

もはや伝説の山賊の一人。

アッキーとダーゲンのコンビ復活か?


「フォフォフォ…… 森の妖精にも声を掛けたんだがまだ無理だそうだ。

だが必ず戻ると約束してくれた。その言葉を信じて待とう! 」

ツー爺の一言で再び熱狂するヘルド村の面々。単純だぜ。ただ騒ぎたいだけでは?


「しかしツー爺。なぜまた戻ってきたのですか? 」

そう。俺たちは元英雄の伝説の山賊をかき集め再び偉大な村にしようとしていた。

その途上でヘルド村に戻るとはどう言うつもりなのか?

「ああそれをポエムで頼むよ」

ツー爺まで無理難題を吹っ掛ける。こっちの身にもなって欲しいぜ。

せっかく封印しようと思ってもこれだ。真夜中のポエマーを早く卒業したいよ。

それではせっかくなので名もなき者たちにも披露してやろう。


「ほら拍手! 」

勝手に振って勝手に始める。マイペースなツー爺。

こっちにも準備があるんですけど…… 

即興で披露する羽目になる。まあいつものことさ。

どこまでもクレイジーだぜ!


♪ヘイザコドモオレノタマシイノサケビヲキケ!

ヘル・ヘル・ヘルナンデス キケヘルナンデス!

フリ・フリ・ フリオヘルナンデス イエー! 

ヒル・ヒル ヒルナン ヒルマン デス!

イエーイ! オレオレ オレダッテ 

オレタチ チャンピオン チャンピオン チャンピオンダ!


どうにか夜のポエマーをやり切ったぞ。

だが唖然とするばかりで誰もノッテくれない。

これはどこかでミスったか? 

沈黙が続く。


「ほら拍手! お前たち拍手だ! 」

ツー爺が強引に騒がせる。

危ない危ない。引かれたかと思ったぜ。


「それでツー爺たちはなぜ戻って来られたんですか? 」

「うむ。虫の知らせじゃ」

「嘘をつかないでください。ただ居所を忘れたからでしょう? 」

「違う! ちょっと本調子でなかっただけだ。二人を説得し疲れ果てたわ」

ダーゲンに指摘されるが頑なに否定。そして自分の手柄にする。


「それと…… どうも嫌な予感が。どうだこのヘルド村で異変はなかったか? 」

「はい。それでしたら戻って来た者が一名。いきなり消えた者が一名。

それとオオカミが活発に。村に被害が出ております」

ただごとではない。ここはのんびり茶でも飲んで詳しい話を聞くとしよう。

 

「うん。落ち着くわ。それどこまで話したかな? 」

「どうやってアッキーを説得したかですよ」

「ああそれは言えん。アッキーに悪い。そんなことよりも戻って来たとは? 」

「へい。ロン毛兄弟の兄の方が戻って来ました」

「ほお。それは意外」

「実は外国の商人とどうも揉めたようで。弟の方はそのまま遠くへ」

事の顛末を語るが話を聞いていてもよく分からない。

何と言っても俺は最近来たばかりの部外者だから。


「大体分かった。それで消えたと言うのは? 」

ツー爺も疲れてるので頭が回っていないよう。

「へい二日前。忽然と姿を消したんです」

ヘルド村から突然人が消え失せた。見事な神隠しトリック。


「人が消えたと? その日何か変わったことは? 」

ツー爺の代わりにダーゲンが話を聞く。

「そうなんだよダーゲン。そう言えばその日はちょうど骨董市が行われていて。

皿や絵画や器などが売られていた。それが終わったと思ったら仲間までどこかに」

どうも話が見えて来ない。ダーゲンによると骨董市はたまに開催されるそう。

ただ売りに来た奴はもちろんそんな人さらいではないと。

異変は数日前から始まっていたのだろう。

「恐らくそいつらはきっと港から…… 」


「それで狼はどうしたんだ? 」

ツー爺はもう狼に関心が移ってしまったよう。

消失した彼には悪いな。でもそれも仕方ないか。

「へい。どうも狼どもも悪さしようとしてるみたいで」

狼たちにも不穏な動きがあるらしい。

「それは俺に任せろ! 」

俺が一番狼問題に詳しい。奴らが俺に逆らうとは到底思えない。

丁寧に話を聞くとしよう。それにしてもどうしたのだろう奴ら? 

心配と言うか突然の変化に驚いている。


「それでツー爺たちはいつ出発なさるんで? 」

「ああできるだけ早く。明後日には。できればそれまでに一つでも解決したい」

こうして再開まで時間があるのでヘルド村でのんびりすることに。


それにしても今回集めようとしているレジェンドは後どれくらいで完成なのか?

ツー爺は残り三名だと言い張るがいい加減だからな。果たしてうまく行く?

北の方に一名。南に一名。それから…… 


夕方。例の狼集団が会いにやって来た。

「うーさー。俺たちの件を聞いたか? 」

何だからしくない。元気もない。一体奴らが何をしたと言うのか?

言い辛そう。まさか本当に対立が起きた?

「まさかお前ら人間を襲うつもりか? せっかく共存の道を選んだはずなのに」

狼はキツネ同様に知能が高い。だから人間の言葉も分かる。

今狼たちを仕切っているのはその中でもとびきり優秀な狼。実質的なリーダー。


「ふざけるな! あれは奴らから先に手を出してきたんだ! 」

「奴らってヘルド村の連中か? 」

「知らねえよ! でも人間だ。それは間違いない! 」

手を出したのは人間からだから悪くないと。巻き込まれただけだと主張。

うーん。どうもよく分からない。


ここヘルド村で何が起きている? 起きようとしている?

ヘルド村の異変は目に見える形で徐々に徐々に。

こじれ始めると厄介だぞ。


                   続く

また来週!

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