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うーざーはラムネ瓶の中  作者: スカート保存委員会
6/12

旅立ち アッキーナンバーワン

ヘルド村を後にした俺たちはダーゲンの勧めでモミジ山に向かった。

モミジ山では紅葉が見頃。ちょっと爺臭いけど紅葉狩りでもするとしよう。

赤と黄のコントラストが見物。


「うーん。来てよかったぜ。絶景さ」

つい普通の感想を述べてしまう。

詩人で夜のポエマーらしからぬ発言。もっと激しくするべきだった。

しかし今更やり直せない。


「ははは! うーざー格好よく頼むぜ」

ダーゲンが調子に乗る。

あれ…… 村と態度が異なる。慣れ慣れしいと言うかワイルドだ。

「だったらダーゲンも一緒にやろうぜ」

実際はもう恥ずかしくて一人では嫌。仲間さえいればどうにかやれる。

「おおいいぜ。任せろよ! 」

明らかに弾けてしまったダーゲン。彼こそ夜のポエマーに一番ふさわしい。


♪イエイ トットト ソウタロウ オレタチ カッコウ カッコ カッコイイ

カワイイアンドカッコウイイ イイ イイナズケ ダンス ダンス ダンス

ホレイチド モウイチド イエイ オレタチトラベラー エラ ベラ ベラ―


ダーゲンのお陰で盛り上がる。

最初は遠慮がちだった仲間も合わせて踊り出す。

もう一度と計三回繰り返す。

もはや最高潮。気分は最高だぜ。


「うるせい! 静かにしやがれ! 」

つい調子に乗って地元の者に叱られてしまう。

騒ぎ過ぎてしまった。これは反省しないとな。

「あれ? 腹ペコ魔人のタケは? 」

踊りの最中に抜け出したらしい。世話が焼ける。

「ああそれなら団子を食い尽くすって張り切っていたぜ」

ダーゲンでもタケのコントロールは難しいらしい。

「ならツー爺は? 」

「一緒に茶でも飲んでるんだろう。若い奴にはついて行けないだとさ」

「ネコは? 」

「タケの余りを貰おうと追いかけて行った」


結局一緒に旅をする仲間は集まらずに腹ペコ魔人のタケとツー爺がメンバーに。

いわゆる標準メンバー。

「栗さんは? 」

「ああ…… 何かあった時に代打で出るってさ」

栗さん帯同せず。まあ無理もないか。

しかし奴らのレジェンドを探す旅のはずなのにどうしてこう集まりが悪いんだ?


仲間が戻ってくるまで仕方なくダーゲンとダンス。

繰り返し踊る。夜のポエマーの本領発揮だぜ。

「だからうるせい! 静かにしろ! 」

懲りずに騒いだので注意される。

しかしここで怯んでやめたら夜のポエマーじゃない。

最後まで己を通す。それが俺の生き様。


文句をつけて来たのは赤い帽子被った男。俊敏で頭も切れる。

何者だこいつは? 敵か味方か? ただのマナーにうるさい人か。

誘っても一緒に踊ることを拒絶する赤い帽子の男。

「どこのどいつだ? 静かに寝ていたところを起こしやがって! 」

「まあまあ」

「うるせい! 」

まずい。ダーゲンの態度が男を激高させる。

仕方なく俺が間に入ることに。


「ちわっすアッキー! 」

「おおダーゲンじゃないか? 」

どうやら二人は面識があるらしい。

と言うことはまさかこの男が俺たちの求めていた人物の一人。

まさかこんな山の中で会えるとは思いもしなかった。


「アッキーどうです? コンビ復活させましょうよ」

ダーゲンと男は仲が良かったらしい。

「ダメだな。俺はもう少しここでゆっくりしていたいんだ」

アッキーは戻る気はないらしい。名コンビ復活ならずとダーゲンは嘆く。


「あんな山賊みたいな真似できるか! 」

「いやまんま山賊だって。一年でいいから戻ってくださいよ。俺は居づらいんだ」

「それは自業自得だろうが。俺はもう外の世界の人間だ。お前の頼みは聞けない」

アッキーは頑固で首を縦に振らない。ダーゲンでは難しい?


「でしたら走りで勝負するのは? 」

どうやらダーゲンは本気らしい。俺としても早く集めないと。

でも俺何でこんなことをやってるんだ? 人助けしてる時ではないはずだが。

「いいだろう。その勝負受けて立つ! 」

「では先にこの山の頂上にたどり着いた方の勝ちに。うーざーよろしく」

まさかの人任せ。俺はただの夜のポエマーだっての。鍛えてないっての。


「スタート! 」

いきなり始める。勝算ないのにどうしろってんだ?

こうして頂上を目指してかつてない戦いが始まる。

俺は無理だってのに…… タケよりはマシ程度。勝負には無理がある。

規定により百万ピッチクロックが副賞として贈られる。

だからって無理なのに……


アッキーが序盤から快速を飛ばす。もう見えなくなった。

「うーざーこっちこっち。急いで! 」

ロープウェイに案内される。

まさか…… もう禁断の手に? しかし勝つにはこれしかないか。

何も考えないで乗ることに。

あの人冗談通じそうにないけどいいのかな? 

ボックスでもマウンドでもふざけづらい空気。


それから二時間後。

快足を飛ばしてアッキーが頂上へ。

俺は八合目から一歩一歩踏みしてめて登り余裕で登頂。

パチパチと自力での登頂に敬意を表す。

「お前ら…… どうやって? 抜かれた覚えはないが」

不思議そうなアッキーに真実を話す。


「汚ねえぞダーゲン! そんなのありかよ? 」

「ですがうーざーは俺たちみたいな能力ありません。これくらい読まないと」

「だからお前は勝負を避けたんだな? 」

「はい。ズルはできませんから。やっぱりアッキーには敵いませんよ」

煽ててどうにか頼んでみるが果たしてどうか? 

それにしてもダーゲンは頭が切れると言うかズル賢いと言うか。呆れるぜ。

見た目と中身があまりに違い過ぎる。草食系かと思いきや肉食系だし。


「まったく分かったぜ。山賊に戻れってなら戻ってやるさ。

その代わり一年だけだからな。それからはもう知らねえ! 」

こうして百万ピッチクロックを副賞として贈呈する。

あれ勝った方じゃないのか? いや俺たちは反則負けか。

急いで仲間の元へ。


「おおアッキーよ。戻って来てくれたか! 」

ツウ爺の目には涙。嬉しいんだろうな。

タケは食べ過ぎによる腹痛で涙。猫と落ちたものを取り合ったのが原因だろう。


こうしてうーざーは新たな仲間を求めて再び旅立つのだった。

                

                   続く

また来週!


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