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うーざーはラムネ瓶の中  作者: スカート保存委員会
3/11

ヘルド村滞在記

ヘルド村。

セーブマンのトノサキに村を案内してもらう。

中はボロボロの藁の家で狼に襲われたらひとたまりもない。

ほとんどが空き家で五軒ほどが今も住居として使われている。

奥まった一角に店が立ち並ぶ。


「ほらユニフォームに着替えてください」

そう言って一万ピッチクロックを請求される。

大体俺たちの世界とほぼ同じ。ちょっとだけこっちの方が高いかな。

何だか請求されると落ち着かないしモヤモヤする。


「時間がありません。買わないなら返してください」

せっかちな村の者。しかしないものはない。

「ははは…… 何だあるじゃないですか。一つで結構ですよ」

狼からお近づきの印に貰った銀の玉一個を勝手に奪っていく。

まずいぞ。どうしよう? このままでは身ぐるみ剝がされるぞ。


「ほいこれサービスね」

帽子にスパイクに宿泊券。これは大助かり。

後は武器と行きたいが武器屋はやってない。

何でも武器屋の親父が腰を痛めたそう。


装備を終え村の偉い人のところに挨拶に連れて行かれる。

ボロい藁の小屋には爺さんたちが三人。

笑顔で迎え入れてくれた。


「こちらがツウ爺で隣が銀爺で後ろで控えてるのが栗さんです」

「フォフォフォ…… 旅の人儂らの頼みを聞いてくれんか? 」

挨拶を済ますとさっそく依頼を受ける。


クエスト発生!

「待ってくれ! 俺はただの夜のポエマー。ここでは吟遊詩人をやっている。

だから人探しはちょっと。記憶だって曖昧で…… 」

断るもただ不気味に笑うだけ。承諾するまで許してくれそうにない。


「私からもお願いする。もし頼みを聞いてくれれば銀の玉を五つ差し上げよう」

乱入して来たのは食い意地の張った男で片手には茶碗が。

足りずにお代わりを要求する不届き者。どうも動きが鈍い。

「分かったよ。どうせ記憶が戻るまで暇だからいいぜ」

こうして訳も分からずに引き受けてしまう。


「ではシャンパンでもどうぞ」

そう言うと過去の栄光に縋ってシャンパンファイトをする。

俺も夜のポエマーだから弾ける。おっとここでは弾けるは禁句だったな。

うおお! 行くぜ!

盛り上げ役に徹する。


翌日。

仲間を集めて旅に出たいのだが仲間がどこにいるのやら。

とりあえずこの村から二人は連れて行ってくれと言うので選ぶことに。

だが村人はバラバラで村を離れてる者まで。だから自力で探すしかない。

ちなみにトノサキはユーティリティなので村から離れられないそう。

器用で使えそうに見えるがそれなら別を当たることにするか。


うーん。どこを見回しても人っ子一人いない。

たまたま来たヘルド村は地道に人探しから始めるしかなさそう。

「ねえトノサキ。あの話は本当か? それとも俺を試した? 」

信じられない話。人探しをしろと言われてもたぶんこの世界は一日目。

初心者で素人だ。そんな奴に任せていいものか? 無茶な要求では?

「冗談ではありませんよ。あなたにこの村の復興が懸かっているんですよ。

シュワシュワと消失する者もいるが彼らは必ずこの世界のどこかにいます」

トノサキは断言する。これなら大丈夫か。


「しかし…… この村の者は山賊だったとか? 」

「ははは…… お恥ずかしい。事実です。俺も一員ですので」

そう言って笑い飛ばす。

いや…… 笑いごとじゃない。いつ身ぐるみ剝がされるか分かったものではない。

「はい。話はそれくらいで。いましたよ」


裏門から出て行こうとするロン毛ブラザーズ。

兄は操るのが上手い。最近調子が良くないと。

弟は力強くスピードも本物。ルックスも悪くない。

二人はもう出て行く決断をしたとか。


「あの…… 」

「済まない。もう決めたんだ。俺たちはここを出て行くよ」

「そんな…… あんたらも仲間でしょう? 」

「済まない。許してくれ。このピッチクロックで村を立て直してくれ! 」

そう言うと二人は振り返ることもなく村を出て行った。


引き留めようとするもトノサキに止められる。

「無理ですよ。別の方を当たりましょう」

トノサキは心当たりがあると言って案内してくれた。

だったら早くしろっての。


村外れの一軒家で冷や飯を食っている男。

食事を終えてから挨拶。

彼も門番だそうで第四の門を守っている。

「うん? 何の用だ? 」

「それがこの方が人探しをするので協力して欲しいんだ。

俺たちの仲だろ? 頼むよダーゲン」

トノサキの頼みとあっては断れないと快く引き受けてくれた。

良い人だ。きっと良い人だ。裏表のない良い人に違いない。


「ああごめん。そうだ猫の世話があるんだった。悪いな」

足元でごろんとしてる猫を発見。

「そんなこと言わずに猫も連れて行けばいいだろう? 」

「猫も連れて行こう! 好きにすればいいだろう? 」

ついトノサキに被せてしまう。夜のポエマーの本領発揮さ。

こう言われてはダーゲンも断れない。

「仕方ないな。よし行くか」

こうしてダーゲンと猫が仲間になった。

残り一人。


ざわざわ

ざわざわ

表門の方が騒がしい。

とりあえず行ってみよう。

人が十人ほど集まっている。

村は大体三十人だから半分近くが集まった形。


「おいどうしたんだ皆? 」

「おおトノサキか? 実は珍しいことが起きたんだ」

そう言うと近くの船着場から男が二名やって来る。

どんどん減って行く村に新しい顔が。

「ここで定住したいそうだ」

男二人はまだまだ若いそう。これはこの村も捨てたものではないぞ。

奇跡の復興もあり得るかも。だがその為にも昔の仲間を集める必要がある。


「この人たちを誘ったらダメなのか? 」

「彼らでは難しい。それよりも当時を知る者をメンバーに加える方がいいかと」

トノサキのアドバイスで別の者を探すことに。

仕方なくここに集まった者を吟味するがトノサキが許可しない。

おいおいこれではいつまで経っても集まらないぞ。どうする?

そんな風に無駄に時間が過ぎていく。


こうして日が暮れ狼たちと合流することに。


                 続く


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