今の画像生成AIは失敗する
最近NOMORE無断生成AIなるつぶやきを見たりして、今の画像生成AIは失敗するだろうなと思ったことをつらつらと
さてそもそも生成AIとは何ぞやというところからのお話とさせていただきます。
AIというのは日本語で言うところの人工知能というやつです、今のAIは第4世代AIと呼ばれています。
なんでそんな世代を重ねているかというと、何度か目立つ機会があったのに時代や場、能力がフィットしなくてつぶれた過去が何度もあるからです。
さて、今の第4世代AIの個人的な感触を話すと、すごく出来が良いです。
ビッグデータ、機械学習、ディープラーニングなどなど、いろいろな要素はあったのでしょうけど、プロンプト越しにチャットをしても多分ほとんどの人は自然な回答だと感じるでしょう。
私の仕事がIT関連になるので、これに関してはすごく感激しています。
そこそこ前に出た、アップルのsiriなどでもかなり自然な対応をしていたのですが(siriはAIじゃないという意見もあるでしょうが)、それを超える仕上がりです。
なんというかこの仕上がり具合は何なのかと想像すると、技術者がAIに求めるものが自然な人間らしさを超えて、理想の人間像となったんじゃないかなという印象を受けました。
さてさて、ここまでわたくしがべた褒めなAIですが、最近だといろいろ問題があったりします。
画像や動画、音楽などを生成するAIというやつですね。
どういうものなのか、画像を例に言いますと、ディープラーニングで世の中にあるたくさんの画像データを取り込んで、学習し、そこに特定の抽出するためのメッセージを入力すると、いろいろかみ砕いた画像を作ってくれるという仕組みです。
要は言葉の代わりに画像を返してくれるAIというやつですね。
個人的にはこれよくできてるなーと思って動向を見ていたのですが、周りの様子を見ていると、どうも様子がおかしい、なんでかなと調べたり見聞きしていると分かってきました。
画像生成AIがそれなりの品質の画像データを出力するには大量のデータが必要です。
何百?何千?いいやもっと必要です。
画像のデータセットに注釈が加えられて、特定の利用用途に限っても数万は必要でしょう。
基本的にまっさらなAIがいろいろな要望に対して、そこそこの品質の画像を出力するのに必要な画像の数は桁が知れません。
さてそこまではよかったのです。
技術者もあほではないのでそこそこ合法的に画像を取得してきました。
(違法なデータを使って学習させて練習して、最終的に発表するときにはきれいなデータでやってた人が皆無とは思っていないけど・・・)
しかし技術者には頭はいいのにあほの子もいます。
そういう人は、「あれ?ネットにいくらでもデータがあるんだからクローラー(WEBを巡回してデータを取得するプログラムみたいなイメージで大丈夫です)使って大量に集めたデータを食わせてあげればもっと品質のいい画像生成AIができるじゃないか!」と考えても不思議ではありませんね。
残念ながらそういう人がいました。
そうしてできたデータセットは当然違法に近いグレーな品だけあってとてもパワーがあります。
これによって画像生成AIはすごい能力を持てました。
めでたしめでたしとはいかないのがこの世界、まぁそんなことしたら元データ作ってた人は当然怒ります。
私たちの作った画像はディープラーニングに食わせてお前の飯の種にするためのデータじゃないぞと怒るわけです。
さて、ここでいろいろと見解の違いがあります。
人間の学習だって似たようなものじゃないか、という意見。
ええごもっともです。
元データが完全にかみ砕かれて、新しい画像が生み出されているなら大丈夫じゃないの?
ええごもっともです。
しかし残念ながらそれは開発者の理屈なんですよね。
当然作った人のデータを無断で利用したデータセットを使っているという時点で倫理的にはアウトです。
でもそこまで行ってもまだこの画像生成AIが世の中でやっていけるポテンシャルはありました。
だって絵を描くという高度な技術が私みたいな絵を描けない人間に簡単に手に入るのですよ。
多少グレーでも私だって使いたいです。
しかし個人的にはこれもうだめだろうなと思っています。
なぜか・・・簡単に言うと、絵の利用用途って広義で言うところの広告であり、さらに人気商売なんですよ残念ながら。
絵の後ろには絵を描く画家、イラストレータや漫画家が隠れていて、その人たちにも人気が集まります。
当然その人たちが犯罪をするとその絵にも批判が集まりますし、善行を積むとその絵のポテンシャルをさらに引き出すこともざらです。
さて、その人気商売の中、「グレー」なAI絵師が登場します。
当然絵を描く仕事の方々は自分たちの絵を勝手に使われた恨みを持っていますので、こんなのは違法だというわけです。
法整備の整ってない中、画像生成AIに対して正統な罰則が下されるかというともう少し時間がかかると思います。
しかしながら人気のある複数のイラストレータなどが批判しているんですよ?
もうそのファンと言ったら何千何万何億といるわけです。
さて、画像生成AIで生み出したグレーな画像、この環境下で「広告」として使えますか?
私はそんなリスク負えません。
画像生成AIがもっと広く使われるようになるためには、表向きにはきれいな体でないといけなかったんですよ。
そしてだんだんと立場を確立する、そういう動きが必要だったんだと思います。
この広告効果の最悪な画像生成AI、さらに最悪なことにAI推進派と名乗る利用者のマナーも最悪です。
まぁイラストレータに嫌がらせや罵詈雑言など当たり前です。
お前ら正気かと。
人気商売でそんなことしたらもう逆効果そのものです。
私は、こいつらAI推進派ではなくて、実は反AI派のスパイじゃないかとまじめに勘ぐっています。
というわけであくまで個人的な意見ではありますが、「今の画像生成AIは失敗する」でした。